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僕がキス魔ですか
和也side本物の気持ち
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くそっ、くそっ!俺は頭を掻きむしりながら浴槽の椅子に座っていた。
漆原に合わせる顔がなかった。あんなに嫌われないように、一歩引くって約束していたのに。約束したから漆原が俺と今まで通りに過ごしてくれるようになったのに。
全て俺は自分の手でぶち壊してしまった。漆原は名前で呼ばれたくないって言ってたな。相当嫌われたみたいだ…。
俺は道着を着たまま頭からシャワーを浴びながら、自分の馬鹿さ加減を罵っていた。
かと言って、あの時に戻ったとしてもきっと同じ事をしてしまうだろう。俺は漆原に欲情していたし、誰にも渡したくなかった。漆原の掠れたような甘い喘ぎ声が耳に残っていて、俺の昂った身体を燻らせる。
俺は馬鹿みたいにシャワーに打たれながら自分をいじめてるこの状況がおかしくなって笑ってしまった。簡単な事だったんだ。
漆原に欲情するのも、他の奴らが漆原へ向ける眼差しに苛立つのも、自分がこんなにも漆原に気持ちが持っていかれてるなんて思わなかった。
多分好きなんだと思ってた。全然多分じゃなかった。こんなにも、泣きたくなるほど漆原が好きだとは思っていなかった。漆原は人を好きになった事がないって言ってた。俺だって誰かを好きになったことなんて無かったんだ。肉欲を感じて好きと思っていただけだ。
漆原に感じるような泣きたくなるこんな気持ちは初めてで、柔らかな胸の奥にそっとしまって置きたいような、甘くてドキドキとするこの気持ちは俺の初恋なんだ。
俺は思わず笑ってしまった。初恋に気づいた瞬間に嫌われたとか、俺は最低の最悪だ。
俺があまりにも長い間浴室から出てこないせいで、漆原が声を掛けてきた。
「和也、何かあった?大丈夫?」
心配そうな漆原の声を聞いて、たちまち俺の止まりかけた心臓はドキドキと速く打ち始める。
「…大丈夫だ。先にランチに行ってこいよ。俺は後から行くから。」
漆原は少しドアの前で迷っている風だったが、部屋から出て行った。
俺は手早くシャワーを浴びると学校のカフェテラスへ急いだ。早く漆原の顔を見たい。謝りたい。冷たくされても、無視されても、俺がしたことは褒められた事じゃないのだから、まずは謝らなくては。
俺は歯を食いしばって決意を固めると、漆原の姿を探した。無理言って悪かった。でもお前への気持ちは本物だ。俺はきっとお前を振り向かせるからな。
そう心の中で思いながら。
漆原に合わせる顔がなかった。あんなに嫌われないように、一歩引くって約束していたのに。約束したから漆原が俺と今まで通りに過ごしてくれるようになったのに。
全て俺は自分の手でぶち壊してしまった。漆原は名前で呼ばれたくないって言ってたな。相当嫌われたみたいだ…。
俺は道着を着たまま頭からシャワーを浴びながら、自分の馬鹿さ加減を罵っていた。
かと言って、あの時に戻ったとしてもきっと同じ事をしてしまうだろう。俺は漆原に欲情していたし、誰にも渡したくなかった。漆原の掠れたような甘い喘ぎ声が耳に残っていて、俺の昂った身体を燻らせる。
俺は馬鹿みたいにシャワーに打たれながら自分をいじめてるこの状況がおかしくなって笑ってしまった。簡単な事だったんだ。
漆原に欲情するのも、他の奴らが漆原へ向ける眼差しに苛立つのも、自分がこんなにも漆原に気持ちが持っていかれてるなんて思わなかった。
多分好きなんだと思ってた。全然多分じゃなかった。こんなにも、泣きたくなるほど漆原が好きだとは思っていなかった。漆原は人を好きになった事がないって言ってた。俺だって誰かを好きになったことなんて無かったんだ。肉欲を感じて好きと思っていただけだ。
漆原に感じるような泣きたくなるこんな気持ちは初めてで、柔らかな胸の奥にそっとしまって置きたいような、甘くてドキドキとするこの気持ちは俺の初恋なんだ。
俺は思わず笑ってしまった。初恋に気づいた瞬間に嫌われたとか、俺は最低の最悪だ。
俺があまりにも長い間浴室から出てこないせいで、漆原が声を掛けてきた。
「和也、何かあった?大丈夫?」
心配そうな漆原の声を聞いて、たちまち俺の止まりかけた心臓はドキドキと速く打ち始める。
「…大丈夫だ。先にランチに行ってこいよ。俺は後から行くから。」
漆原は少しドアの前で迷っている風だったが、部屋から出て行った。
俺は手早くシャワーを浴びると学校のカフェテラスへ急いだ。早く漆原の顔を見たい。謝りたい。冷たくされても、無視されても、俺がしたことは褒められた事じゃないのだから、まずは謝らなくては。
俺は歯を食いしばって決意を固めると、漆原の姿を探した。無理言って悪かった。でもお前への気持ちは本物だ。俺はきっとお前を振り向かせるからな。
そう心の中で思いながら。
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