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冬の出来事
司先輩の怒り
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「僕はね、この学校が男子校で全寮制だからって、随分爛れてると思ってたよ。僕自身はいくらなんでも男同士ってのは無いなと思っていたから、皆の喧騒を傍観してたしね。でも今年君が目の前に登場すると僕の中で変化したものがあった…。
あんなに関心がなかったのに、男にキスしたいと思うなんて。僕は内心自分に動揺してしまった。でも目の前の君はあっという間に僕の心の中へ侵入してきた。
君にキスしたら僕はすっかり君への気持ちでいっぱいになってしまった。ふっ、実際僕は男同士の愛し方まで調べたほどだ。それくらい僕は君に惹かれていた。
…だから僕をこんなに悩ませた君に、騙されていた事に凄く腹が立つ。一方で、凄く嬉しくも感じる。君が女の子だったことで、僕は迷いなく君の事を好きになっても良いって感じるから。そうは言っても例え男だったとしても僕は君の事好きだよ。
それはもう変わらないんだ。…でも黙って消えようとした事には怒って良いよね?」
そう言うと、司先輩は私をそっと抱き寄せた。いつもそうだけど、司先輩は私に選択肢をくれる。今だって私が嫌なら直ぐに逃げ出せる状況だ。私はいつもそんな司先輩に甘えてるんだ。私は何だかとっても申し訳ない気持ちになって、自分から司先輩に抱きついて言った。
「ごめんなさい。私、本当に自分のことばかりで、司先輩の気持ちをないがしろにして…。」
司先輩は、ふぅっと息を吐き出すと、私の顔を指先で持ち上げて微笑んだ。そして私にキスした。
優しいキスは突然男を感じる口づけに変わった。私は背中がゾクゾクして、司先輩の舌先でなぞられた唇を開けて、犯すような激しいキスに翻弄された。私の中でうごめいて、柔らかな場所をくすぐる司先輩の舌に、私は身体の奥が熱くなってしまった。
私が小さくうめいたせいなのか司先輩は私から顔を離すと、見たことのないギラついた眼差しで言った。
「君は本当に僕をおかしくさせる。こんなに自分を見失った事なんてないのに。だから僕は君の事を手放せないのかもしれないな…。」
私は何も言う事が出来なくて、一人に決められない自分の心の軽薄さに呆れて、思わず出てきたのは掠れた涙声だった。
「私、自分がどうしようもない人間だって分かってるんです。先輩にそんなに思ってもらえるようなちゃんとしてる人間じゃないって。不誠実で、淫乱で、流されやすくて、でもその時の気持ちは本当だから、自分ではどうしようもなくって…。
ごめんなさい、先輩。嫌な人間でごめんなさい…。」
私は溢れる涙が止められなくて、只々司先輩を見つめた。
あんなに関心がなかったのに、男にキスしたいと思うなんて。僕は内心自分に動揺してしまった。でも目の前の君はあっという間に僕の心の中へ侵入してきた。
君にキスしたら僕はすっかり君への気持ちでいっぱいになってしまった。ふっ、実際僕は男同士の愛し方まで調べたほどだ。それくらい僕は君に惹かれていた。
…だから僕をこんなに悩ませた君に、騙されていた事に凄く腹が立つ。一方で、凄く嬉しくも感じる。君が女の子だったことで、僕は迷いなく君の事を好きになっても良いって感じるから。そうは言っても例え男だったとしても僕は君の事好きだよ。
それはもう変わらないんだ。…でも黙って消えようとした事には怒って良いよね?」
そう言うと、司先輩は私をそっと抱き寄せた。いつもそうだけど、司先輩は私に選択肢をくれる。今だって私が嫌なら直ぐに逃げ出せる状況だ。私はいつもそんな司先輩に甘えてるんだ。私は何だかとっても申し訳ない気持ちになって、自分から司先輩に抱きついて言った。
「ごめんなさい。私、本当に自分のことばかりで、司先輩の気持ちをないがしろにして…。」
司先輩は、ふぅっと息を吐き出すと、私の顔を指先で持ち上げて微笑んだ。そして私にキスした。
優しいキスは突然男を感じる口づけに変わった。私は背中がゾクゾクして、司先輩の舌先でなぞられた唇を開けて、犯すような激しいキスに翻弄された。私の中でうごめいて、柔らかな場所をくすぐる司先輩の舌に、私は身体の奥が熱くなってしまった。
私が小さくうめいたせいなのか司先輩は私から顔を離すと、見たことのないギラついた眼差しで言った。
「君は本当に僕をおかしくさせる。こんなに自分を見失った事なんてないのに。だから僕は君の事を手放せないのかもしれないな…。」
私は何も言う事が出来なくて、一人に決められない自分の心の軽薄さに呆れて、思わず出てきたのは掠れた涙声だった。
「私、自分がどうしようもない人間だって分かってるんです。先輩にそんなに思ってもらえるようなちゃんとしてる人間じゃないって。不誠実で、淫乱で、流されやすくて、でもその時の気持ちは本当だから、自分ではどうしようもなくって…。
ごめんなさい、先輩。嫌な人間でごめんなさい…。」
私は溢れる涙が止められなくて、只々司先輩を見つめた。
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