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変わるもの、変わらないもの
思い出し笑い
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結局あの遠乗りのせいなのか、僕とエルの婚約期間はあっという間に終了する事になってしまった。エルも狡いんだ。僕にあんな甘い果実を食べさせて、もっと欲しいと言えば結婚しないとダメだと言うのだから。
結局僕はエルの策略にハマってあっという間に結婚式を迎えてしまった。僕のお父様でさえ展開の速さに驚いていたけれど、僕も望んでいるのを知ると、ポートリー辺境伯の権力を行使して友人であるグルーバンス侯爵と晴れの日を用意してしまった。
お母様は僕の髪が短い事を気に病んで、そうは言っても長い所は肩につきそうだったけれど、結婚式はもう少し後でも良いのではないかと戸惑った様子だった。
けれどもラファエルがお母様に、どんなに僕を愛していてもう一時も離れていたくないのだと恥ずかし気もなく愛を語らったせいで、すっかり夢見る少女の様に頬を染めて僕たちをうっとりと見つめる羽目になった。
同時にお父様にも甘い眼差しを送って、お父様も満更じゃない様子だった。まさかもう一人子供が産まれるとかあるだろうか。流石にないかな?
一番の関門はやっぱり僕の兄様達で、特に24歳の長兄のオリバーは、お父様と同じ青い目を険しく光らせてラファエルを詰問したみたいだった。僕はその場に居た訳じゃなかったから詳細は分からなかったけれど、何度もエルが呼び出されているのは聞いていた。
結局シモン兄様とエルの親友であるフレッド兄様が、オリバー兄様を何とか説得してくれて無事に結婚出来た。両親が許したとしてもやはり家族全員に心から祝ってもらいたいのは本当だから、心底安堵したよ。
僕の同性で唯一の親友であるマチルダは兄のシドと同じ黒髪をサラリとなびかせて、印象的な緑色の瞳を興奮と感動に揺らめかせて僕の花嫁姿を称賛してくれた。…いや、どうだろう。
『今までで一番美しいですわ!美しいミルクティー色の巻毛の短さも上手く誤魔化せて、アンドレアのその美しい水色の瞳が愛に輝いてますもの。
…アンドレアは、結局ラファエル様に良い様に誑かされたのですわね?はしたないことにハードルの低いアンドレアの弱点を突くなんて、本当に頭がいいこと。でもアンドレアが望むのですもの、私達がどうこう言うことじゃありませんわね?』
確かそんな事を言われた気がするから、やっぱり悪口だろうか。でもそう言うマチルダだってジェイクにすっかり絡め取られていたからおあいこだ。ジェイクはエルの様に難しい男じゃないけど、マチルダだってすっかり恋する眼差しでジェイクとイチャイチャしてたからね?
僕がそんな事をクスクス笑いながら思い出していると、不意に後ろから手が伸びてきて抱きしめられた。首筋に柔らかく濡れた感触がすると、エルの低くて甘い声が聞こえた。
「私の奥様、これからする楽しい事を考えていたのかい?ずっと私を煽ってくれたお礼を今宵たっぷりさせて貰うつもりだよ。アル…。」
僕は微笑んだままエルの腕の中で身体を反転させると、エルの蕩けそうな眼差しを見上げた。心臓は一気にドキドキと鳴り響いている。ああ、ついに僕たちは本当に結ばれるんだ。僕はエルのサラリとした銀色の髪を指先でくすぐる様に耳に掛けて、そのまま首をなぞって胸に手を置いて言った。
「本当?僕ずっと我慢してたんだから…。きっと素敵な夜になるでしょう?エル、愛してる。」
エルは一瞬目を見開いたけれど、次の瞬間美しい灰色の瞳を細めて僕を睨んだ。
「油断すると直ぐこれだ。アルは本当に…。私をどれだけ溺れさせたら気が済むんだい?」
結局僕はエルの策略にハマってあっという間に結婚式を迎えてしまった。僕のお父様でさえ展開の速さに驚いていたけれど、僕も望んでいるのを知ると、ポートリー辺境伯の権力を行使して友人であるグルーバンス侯爵と晴れの日を用意してしまった。
お母様は僕の髪が短い事を気に病んで、そうは言っても長い所は肩につきそうだったけれど、結婚式はもう少し後でも良いのではないかと戸惑った様子だった。
けれどもラファエルがお母様に、どんなに僕を愛していてもう一時も離れていたくないのだと恥ずかし気もなく愛を語らったせいで、すっかり夢見る少女の様に頬を染めて僕たちをうっとりと見つめる羽目になった。
同時にお父様にも甘い眼差しを送って、お父様も満更じゃない様子だった。まさかもう一人子供が産まれるとかあるだろうか。流石にないかな?
一番の関門はやっぱり僕の兄様達で、特に24歳の長兄のオリバーは、お父様と同じ青い目を険しく光らせてラファエルを詰問したみたいだった。僕はその場に居た訳じゃなかったから詳細は分からなかったけれど、何度もエルが呼び出されているのは聞いていた。
結局シモン兄様とエルの親友であるフレッド兄様が、オリバー兄様を何とか説得してくれて無事に結婚出来た。両親が許したとしてもやはり家族全員に心から祝ってもらいたいのは本当だから、心底安堵したよ。
僕の同性で唯一の親友であるマチルダは兄のシドと同じ黒髪をサラリとなびかせて、印象的な緑色の瞳を興奮と感動に揺らめかせて僕の花嫁姿を称賛してくれた。…いや、どうだろう。
『今までで一番美しいですわ!美しいミルクティー色の巻毛の短さも上手く誤魔化せて、アンドレアのその美しい水色の瞳が愛に輝いてますもの。
…アンドレアは、結局ラファエル様に良い様に誑かされたのですわね?はしたないことにハードルの低いアンドレアの弱点を突くなんて、本当に頭がいいこと。でもアンドレアが望むのですもの、私達がどうこう言うことじゃありませんわね?』
確かそんな事を言われた気がするから、やっぱり悪口だろうか。でもそう言うマチルダだってジェイクにすっかり絡め取られていたからおあいこだ。ジェイクはエルの様に難しい男じゃないけど、マチルダだってすっかり恋する眼差しでジェイクとイチャイチャしてたからね?
僕がそんな事をクスクス笑いながら思い出していると、不意に後ろから手が伸びてきて抱きしめられた。首筋に柔らかく濡れた感触がすると、エルの低くて甘い声が聞こえた。
「私の奥様、これからする楽しい事を考えていたのかい?ずっと私を煽ってくれたお礼を今宵たっぷりさせて貰うつもりだよ。アル…。」
僕は微笑んだままエルの腕の中で身体を反転させると、エルの蕩けそうな眼差しを見上げた。心臓は一気にドキドキと鳴り響いている。ああ、ついに僕たちは本当に結ばれるんだ。僕はエルのサラリとした銀色の髪を指先でくすぐる様に耳に掛けて、そのまま首をなぞって胸に手を置いて言った。
「本当?僕ずっと我慢してたんだから…。きっと素敵な夜になるでしょう?エル、愛してる。」
エルは一瞬目を見開いたけれど、次の瞬間美しい灰色の瞳を細めて僕を睨んだ。
「油断すると直ぐこれだ。アルは本当に…。私をどれだけ溺れさせたら気が済むんだい?」
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