8 / 14
だったら僕もタカをセフレにするよ
しおりを挟む
「…急に何。」
少し驚いた表情で突っ立っているタカの脇をすり抜けて、僕はタカの部屋に入った。想像通りに少し散らかった部屋は、それでも案外無駄なものなどなくて小ざっぱりしていた。
僕は本棚に並ぶ難しい本を指でなぞって、部屋の入り口からぼんやり僕を見つめるタカを見返して言った。
「僕、ムラムラするからタカに慰めて貰おうと思って来たんだ。時間ある?」
今はまだ10時前だ。ここで時間が無いなんて言われたら、僕は赤面ものだ。今でさえ、足元は揺れてるってのに。
眉を顰めたまま、タカは肉食動物の様にゆっくり僕に近寄って来て言った。
「…どうかしたのか?何か変だぞ?…奏?」
僕はクスクス笑っていた。なぜか可笑しくて笑っていた。本当茶番だ。僕がヤリたいって言ったらどうかしてるってさ。自分がやりたい時はお構いなしなのに?
あんなに勇気を出して来たのに、僕は自分のセフレとする事も出来ないなんて。僕はタカを見てもう一度言った。
「だから、しようって言ってるんだけど。僕がしたい時はしないの?自分はいつだって勝手に僕に触れるくせに…。」
途端にタカは僕に近づいて、あの時のように顎を掴んで僕の顔と目を合わせると苦しげに言った。
「俺をどうしたい?謝って欲しいのか?お前を…セフレにした事を?」
僕は首を振りたかったけれど、顎を掴まれて出来なかった。本当、馬鹿力。僕はタカの何を考えているのかわからない暗い眼差しを見つめて言った。
「アザになるから、顎を掴むのをやめてよ。僕、そんな難しい事言ってない。僕のセフレなら抱いてくれって言ってるだけだよ。」
すると、タカは項垂れて僕の顎から指を離して部屋の扉を指差した。
「…帰った方が良い。もう、奏のところにも約束もなしに行くのは止める。俺は…、言い訳になるかもしれないけど、奏をセフレにするつもりは無かった。奏が他の奴らと仲良くしてるのを見るのが何か嫌だっただけだ。
でも俺が全部悪い。いきなりキスして、乱暴な事言った。どうして良いか分からなくて焦ったんだ。俺が本当に悪い。だけど、奏をそんな風にしたかった訳じゃない。奏はそんな事言う様な人間じゃ無いだろう?済まない。本当に。」
タカは僕に謝りながら、僕の顔なんて一度も見なかった。僕をセフレ扱いしておいて、そんなつもりなかった?それでいきなり僕を知ったかぶりして捨てようとしてる。僕はそんな清廉な人間じゃないよ。タカを手にれる為なら身体を投げ出す男なんだ。
僕はムカムカしてタカの側に近寄ると、首元のTシャツを両手で掴んだ。
僕がそうしたらところで、タカなんてびくともしないのが悔しくて堪らなかった。僕はタカの動揺して見える眼差しと目を合わせて言った。
「僕は!…自分がこんな事出来る人間だなんて思いもしなかった。でもしょうがなかったんだ。タカが望むから応えたいと思ったから!でももうオナホの代わりはしない。…今度は僕がタカを利用してやろうって思ったのに!」
僕はダラリとタカから手を離すと、扉に向かいながら震える声で呟いた。
「…僕はタカが好きだった。だから特別な相手になれるチャンスを逃したくなかった。でもダメだね。タカの言う通り、僕はセフレになんかなれないみたい。…執行部辞退しても良い?流石にタカの顔を見て続けるのは無理だから。」
僕が扉のノブを引いた時、バタンとタカの手が扉を押さえつけた。僕がその手をじっと見つめていると、僕の背中越しにタカが息を殺しているのが分かった。
今更何なんだろう。僕は自分の頬に涙がこぼれているのを感じて、振り向く事も出来なかった。その時耳の側で、タカが聞いたことのない優しい声で囁いた。
「かなで。…言い逃げするつもりなのか?俺は逃すつもりないよ。」
少し驚いた表情で突っ立っているタカの脇をすり抜けて、僕はタカの部屋に入った。想像通りに少し散らかった部屋は、それでも案外無駄なものなどなくて小ざっぱりしていた。
僕は本棚に並ぶ難しい本を指でなぞって、部屋の入り口からぼんやり僕を見つめるタカを見返して言った。
「僕、ムラムラするからタカに慰めて貰おうと思って来たんだ。時間ある?」
今はまだ10時前だ。ここで時間が無いなんて言われたら、僕は赤面ものだ。今でさえ、足元は揺れてるってのに。
眉を顰めたまま、タカは肉食動物の様にゆっくり僕に近寄って来て言った。
「…どうかしたのか?何か変だぞ?…奏?」
僕はクスクス笑っていた。なぜか可笑しくて笑っていた。本当茶番だ。僕がヤリたいって言ったらどうかしてるってさ。自分がやりたい時はお構いなしなのに?
あんなに勇気を出して来たのに、僕は自分のセフレとする事も出来ないなんて。僕はタカを見てもう一度言った。
「だから、しようって言ってるんだけど。僕がしたい時はしないの?自分はいつだって勝手に僕に触れるくせに…。」
途端にタカは僕に近づいて、あの時のように顎を掴んで僕の顔と目を合わせると苦しげに言った。
「俺をどうしたい?謝って欲しいのか?お前を…セフレにした事を?」
僕は首を振りたかったけれど、顎を掴まれて出来なかった。本当、馬鹿力。僕はタカの何を考えているのかわからない暗い眼差しを見つめて言った。
「アザになるから、顎を掴むのをやめてよ。僕、そんな難しい事言ってない。僕のセフレなら抱いてくれって言ってるだけだよ。」
すると、タカは項垂れて僕の顎から指を離して部屋の扉を指差した。
「…帰った方が良い。もう、奏のところにも約束もなしに行くのは止める。俺は…、言い訳になるかもしれないけど、奏をセフレにするつもりは無かった。奏が他の奴らと仲良くしてるのを見るのが何か嫌だっただけだ。
でも俺が全部悪い。いきなりキスして、乱暴な事言った。どうして良いか分からなくて焦ったんだ。俺が本当に悪い。だけど、奏をそんな風にしたかった訳じゃない。奏はそんな事言う様な人間じゃ無いだろう?済まない。本当に。」
タカは僕に謝りながら、僕の顔なんて一度も見なかった。僕をセフレ扱いしておいて、そんなつもりなかった?それでいきなり僕を知ったかぶりして捨てようとしてる。僕はそんな清廉な人間じゃないよ。タカを手にれる為なら身体を投げ出す男なんだ。
僕はムカムカしてタカの側に近寄ると、首元のTシャツを両手で掴んだ。
僕がそうしたらところで、タカなんてびくともしないのが悔しくて堪らなかった。僕はタカの動揺して見える眼差しと目を合わせて言った。
「僕は!…自分がこんな事出来る人間だなんて思いもしなかった。でもしょうがなかったんだ。タカが望むから応えたいと思ったから!でももうオナホの代わりはしない。…今度は僕がタカを利用してやろうって思ったのに!」
僕はダラリとタカから手を離すと、扉に向かいながら震える声で呟いた。
「…僕はタカが好きだった。だから特別な相手になれるチャンスを逃したくなかった。でもダメだね。タカの言う通り、僕はセフレになんかなれないみたい。…執行部辞退しても良い?流石にタカの顔を見て続けるのは無理だから。」
僕が扉のノブを引いた時、バタンとタカの手が扉を押さえつけた。僕がその手をじっと見つめていると、僕の背中越しにタカが息を殺しているのが分かった。
今更何なんだろう。僕は自分の頬に涙がこぼれているのを感じて、振り向く事も出来なかった。その時耳の側で、タカが聞いたことのない優しい声で囁いた。
「かなで。…言い逃げするつもりなのか?俺は逃すつもりないよ。」
35
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる