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高等貴族学院

我が家の子供達

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リュードが三年間の王子随行を終えて帰国した。

夜遅くに帰ってきた我が家の嫡男は、私たちの可愛いリオンを伴っていた。

まぁ予想通りというか、この二人の今までの愛着ぶりを見ていれば想像出来たのだけれど。


ここ数年、私と妻は運命で繋がれた様なこの二人の行き着く先を見守ってきた。

三年前はリオンもまだ子供で、けれども子供ながらに兄を敬愛以上の愛情でもって見つめているのはよく分かっていた。

一方の兄は言わずとも知れた溺愛ぶりで、それこそリオンに近づく者を端から抹殺する様な勢いだった。


だから引き離される三年間がこの二人にとって、特に成長著しい時期のリオンにとって色々な見聞を広げる良い機会なのではと親心として感じていた。

実際リオンに惹きつけられる人間はそれこそ数え上げられないほどで、婚約の申し込みなど恐ろしいほどだ。

しかし誰にでも優しい微笑みを浮かべるリオンが心を許す相手となると、数えるばかりだった。


その中でも幼少の頃からのお茶会仲間である、タクシーム侯爵家の嫡男ユア様は、リオンと同級生になるために飛び級までしたほどだし、この兄の不在の三年間常にリオンの側にいて、支えてくれていた様に思う。

リオンもユアの側では私たちの前に居るように自然に振る舞い、最近は二人の関係性も随分甘やかしく変わってきた様に感じる。

最終的にリオンが決めることだが、誰を選ぶのか、一人なのか、複数なのか。

どんな形になるにせよリオンが私と妻の様に生涯の愛を誓うのもそう遠くないことだと覚悟しなければならないのだろう。

今夜リュードの口からはっきりとリオンとの結婚の意思を私たちに示した事で、リオンも真剣に考え始めるだろうな。



「いつかはこんな話が出るのかも知れないと覚悟はしていたが…。

実際目の前で意思表示されるといくらリュードとはいえ、可愛いリオンの事でもあるし私たちの手を離れるのかと寂しさも感じるね。」

「まぁ、貴方なんて私に結婚を申し込んだのはリュードよりも若かったじゃないですか。」

私の美しい妻はそう言うと楽しそうに笑った。


私は妻の細くて滑らかな指先に口づけて言った。

「貴女は光り輝いていて、直ぐにでも私のものにしなければと焦っていたんだよ。

私の運命は貴女だったから他の人間に取られるなんて我慢ならなかった。

しかし貴女に似たリオンが多くの目を集めるのはしょうがないとしても、あの子はほら、昔からちょっと人と違う面があるだろう?

それに翻弄されるのが王子も含め、中々な人数なので私としては本人も簡単に決められないのではと心配なんだ。


まぁそれにヤキモキするリュードを見てるのも中々面白そうではあるがね。

リュードは普段あまりにも感情に起伏がないから。ははは。

さて、後は本人たちにお任せして私たちは素敵な夜を過ごそうじゃないか、愛しい貴女。」


歳を取っても変わらない美しい我が運命の人は少し顔を赤らめて私の手を取った。



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