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包囲網
アルフレッドside楽しいひと時
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こんなに笑ったのはいつ以来だろう。独占欲を出して歯を剥き出しにするガブリエルには困り物だが、ガブリエルとジュシアのやり取りは心が温まるし、面白い。
ついには滝壺の上から二人で落ちてしまったのには随分びっくりさせられた。けれど、濡れたジュシアはドキリとするほど色っぽかった。彼は不思議だ。可愛らしい感じなのに、時々妙にそそる。だから彼の本当の所をを突き止めたくて、ついついこうして侯爵家に呼んでしまった。
結局こうして過ごす間に、私の視線は彼から離れることは無かった。彼のことをもっと知りたいと思うのは罪だろうか。彼は貴族ではないし、ガブリエルの子守りに過ぎない。下手に私がゴリ押ししたら、彼の立場を失う様な事になってしまうのだろうか。
私の愛人にならないかと持ちかけても、冷たい視線でかわされてしまいそうだ。命の恩人に軽蔑されたくはない。私はこれ以上どうして良いか分からずに、濡れているのに楽しげなガブリエルとジュシアを連れて城に戻った。するとジュシアが思いがけないことを言い出した。
「僕がガブリエル様と一緒に入浴します。ガブリエル様一緒に入りましょう。僕が洗ってあげますから。」
流石にこれにはガブリエルももじもじして、私とジュシアの顔を交互に見た。けれどもジュシアはさっさと客間の浴室へと行ってしまって、ガブリエルを呼んだ。
私はジュシアがあまり貴族の事を知らないのだと思ったけれど、かと言って誰かと一緒に入浴するのは、領民でさえ一般的ではない筈だ。私は妙にドキドキとして、この場を去るべきなのか、戸惑っていた。
ガブリエルの執事のケニーは、私の従者に連れられて二人の衣装を受け取りに行って不在だった。私が居なくなって、誰か不埒な者がこの部屋にうっかり入る様な事があってはならない筈だ。そんなのは言い訳だとは分かっていたけれど、私はこの部屋から出られないでいた。
浴室からガブリエルのはしゃぐ声が聞こえてきて、部屋を落ち着かない気持ちでウロウロしながら、聞くとも無しに聞いていた。
「ジュ…は、本当に柔らかな身体だよね。お腹がぷよぷよしてるよ?」
するとジュシアは笑いながら、ガブリエルに答えた。
「ガブリエル、このお腹に感心していたら、僕のこのお尻はどうなるのさ。」
それから弾ける様なガブリエルの笑い声が聞こえて、私は思わず喉を鳴らしてしまった。あのジュシアはどうも脱ぐと柔らかな身体をしているみたいだ。ああ、ここに居るのが段々辛くなってきた。
身体が熱くなるのを感じながら、ふと気配を感じて顔を上げると、薄いローブを着たジュシアが髪から雫を垂らしながら、タオルに包まれたガブリエルと一緒に浴室から出てきた。ああ、彼は何て綺麗なんだろう。私はこの胸の騒めきがもう後戻りできないくらいうるさくなっているのを感じた。
ついには滝壺の上から二人で落ちてしまったのには随分びっくりさせられた。けれど、濡れたジュシアはドキリとするほど色っぽかった。彼は不思議だ。可愛らしい感じなのに、時々妙にそそる。だから彼の本当の所をを突き止めたくて、ついついこうして侯爵家に呼んでしまった。
結局こうして過ごす間に、私の視線は彼から離れることは無かった。彼のことをもっと知りたいと思うのは罪だろうか。彼は貴族ではないし、ガブリエルの子守りに過ぎない。下手に私がゴリ押ししたら、彼の立場を失う様な事になってしまうのだろうか。
私の愛人にならないかと持ちかけても、冷たい視線でかわされてしまいそうだ。命の恩人に軽蔑されたくはない。私はこれ以上どうして良いか分からずに、濡れているのに楽しげなガブリエルとジュシアを連れて城に戻った。するとジュシアが思いがけないことを言い出した。
「僕がガブリエル様と一緒に入浴します。ガブリエル様一緒に入りましょう。僕が洗ってあげますから。」
流石にこれにはガブリエルももじもじして、私とジュシアの顔を交互に見た。けれどもジュシアはさっさと客間の浴室へと行ってしまって、ガブリエルを呼んだ。
私はジュシアがあまり貴族の事を知らないのだと思ったけれど、かと言って誰かと一緒に入浴するのは、領民でさえ一般的ではない筈だ。私は妙にドキドキとして、この場を去るべきなのか、戸惑っていた。
ガブリエルの執事のケニーは、私の従者に連れられて二人の衣装を受け取りに行って不在だった。私が居なくなって、誰か不埒な者がこの部屋にうっかり入る様な事があってはならない筈だ。そんなのは言い訳だとは分かっていたけれど、私はこの部屋から出られないでいた。
浴室からガブリエルのはしゃぐ声が聞こえてきて、部屋を落ち着かない気持ちでウロウロしながら、聞くとも無しに聞いていた。
「ジュ…は、本当に柔らかな身体だよね。お腹がぷよぷよしてるよ?」
するとジュシアは笑いながら、ガブリエルに答えた。
「ガブリエル、このお腹に感心していたら、僕のこのお尻はどうなるのさ。」
それから弾ける様なガブリエルの笑い声が聞こえて、私は思わず喉を鳴らしてしまった。あのジュシアはどうも脱ぐと柔らかな身体をしているみたいだ。ああ、ここに居るのが段々辛くなってきた。
身体が熱くなるのを感じながら、ふと気配を感じて顔を上げると、薄いローブを着たジュシアが髪から雫を垂らしながら、タオルに包まれたガブリエルと一緒に浴室から出てきた。ああ、彼は何て綺麗なんだろう。私はこの胸の騒めきがもう後戻りできないくらいうるさくなっているのを感じた。
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