イバラの鎖

コプラ

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辺境の地で

アランsideアンドレ様の別の顔※

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 一体いつの間にこんなに大人びたと言うのだろう。二年前に私がお世話役になったアンドレ様は、もちろん当時もひと目を惹く美少年だったのは間違いない。

 けれども今廊下の突き当たりで、月明かりに照らされて金髪を暗闇に浮かび上がらせているその姿は、何処か現実とは思えない蠱惑こわく的な雰囲気があった。


 人気のあったアンドレ様の世話役に抜擢されたのは辺境伯の一存だった。けれどもお側でお仕えするうちに、何処か自信無げな繊細な部分に触れるにつけ、庇護欲が増して行ったのは自然な事だった。

 そして年頃の貴族の嗜みとして閨の指南を受ける時期に、辺境伯から私にアンドレ様の指南役の打診が来た際は、とっくに庇護欲だけでは無い邪な気持ちを抱えていたので、そんな私が指南を引き受けて良いのか迷っていた。


 とは言え、以前アンドレ様が年上のローレンス様と部屋に篭る事が増えた時に、ぼんやりと気怠げなアンドレ様を目にしてから、いずれちゃんとした指南が必要になると予想していたのは確かだった。

 ところがアンドレ様は指南役のマリーを何度も呼び始めた。その流れで私の役割は免除されてしまい、本当はそれを心より願っていた事に気づいてしまった。

 焦った私は大人の狡猾さで、私を再び指南役に任せてもらう様に仕向けた。アンドレ様は所詮他人の汚い裏側など想像しない真っ直ぐなお方だ。それはいとも簡単な事だった。


 廊下の突き当たりで、月を背にしたアンドレ様が私をじっと見つめて妖艶に微笑んだ時、その破壊的な魅力を前に私は跪いて敗北した。アンドレ様の全てを知っていたと思っていたのは、私の傲慢だったのだ…!

 アンドレ様の匂いが充満する密室で、アンドレ様は驚くべき率直さを披露した。

 無邪気にマリーの事を持ち出されたせいで、男同士の方がより真実を教えて差し上げられると申し出たのは本心からだった。けれどアンドレ様が期待の眼差しで私の指を見つめるので、震えるほど興奮してしまった。


 すっかり身体が反応していたものの、私はアンドレ様の前に自分を曝け出した。じっと見つめるアンドレ様がじわじわと顔を赤らめるのを見て、私は興奮を必ずしも押さえつける必要は無いのだと内心ほくそ笑んだ。

 私は一気にアンドレ様を労る様な気持ちになって、自分の張り詰めたそれをなだめつつ、安心させようと言葉を尽くした。確かに無理強いするつもりは決してなかったし、今夜は自分のこれを使うつもりも無かった。

 …アンドレ様が欲しがらないうちは。


 結局二人で湯浴みをしながら、私はあまり見つめない様に努力しながらサッとアンドレ様の全身を洗った。ともすれば持ち上がって来たアンドレ様自身にむしゃぶりつきたい気持ちを抑えて、私はアンドレ様の後ろを洗う手解きに着手した。

「アンドレ様、ご自分でどの様にするのか私に見せてください。」

 アンドレ様はチラッと私を見ると、観念した様子で私が来る前にそこそこ洗ったと言いつつ、置いてあった香油を指に取った。それからお尻を突き出して、ゆっくりと自分の窄みに塗りつけるとそろそろと指を押し込んだ。


 その卑猥な眺めで、私は自分の股間が跳ねるのを感じた。自分の声が掠れているのを自覚しながら、私は殊更平静を装って言った。

「…お上手ですね。でも男同士ではもっと奥を解しつつ洗う必要がありますから、お相手に手伝って貰う方がアンドレ様のご負担が無いと思います。私がして差し上げてもよろしいですか?」

 肩越しに振り返って、チラッと私の股間を盗み見てから頷くアンドレ様を可愛いらしいと思いながら、私は香油をたっぷり使用してアンドレ様の卑猥な場所をゆっくりなぞった。


 思いの外柔らかいその窄みは、なぞればなぞるほど指を一気に埋め込みたくなる。けれどアンドレ様が焦れたように身動きして、ついには甘く溜息を吐くまで、私は決して自分から挿れなかった。

 こんなに時間を掛けた経験など無かったけれど、私の指をアンドレ様自ら欲しがってお尻を揺らすのを、私は息を堪えて凝視した。ああ、これは生き地獄なのか、天国なのか分からない。


 けれどアンドレ様がご自分で私の指を、望む場所へ白い尻を揺さぶって挿れたり出したりするのを、目で見て指で感じてしまっては無理だった。

 私はゆっくりと自分の中指でアンドレ様の中をなぞった。すっかり柔らかい入り口を伸ばす様にじっくり解しつつ、最奥へと突き挿れたい気持ちを堪えてもっと奥へとゆっくり撫で進んだ。

「…上手に解れてますが、やはりもう少し奥も準備が必要ですね。」


 そう言って私は甘く声を立てるアンドレ様の弱い場所を探った。マリーの指ではしっかり届かないだろう場所を、私は丹念に押しつぶし、優しく撫でて、ぐるりとなぞった。

 私の名前を呼んで、もう耐えられないと喘ぐアンドレ様は気づいているだろうか。これがとっくに洗浄では無くて愛撫に代わってしまっている事に。


 アンドレ様の声が切羽詰まった瞬間、私はぐぽっと卑猥な音を立てながら指を引き抜いて、持って来た洗浄器具で手早くお湯を使って軽く窄みの中を洗った。

 アンドレ様はなるほど上手に洗えていた。マリーの指南は合格点だったのだ。私は脚を震わせてようやく立っているアンドレ様を支えながら、紅潮して項垂れている白い首筋に舌を這わせたいのをグッと堪えて耳元で囁いた。

「さぁ、湯浴みはこれで終わりです。…部屋に戻って指南を始めましょうか。」










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