身一つで異世界に。 〜 何も持たない男が成り上がる。

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新領地にて

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「お待ちしておりました。セブン子爵様。私が当領地を管理しておりました代官のカイロ=スタンダードです。」
と挨拶したのは、20台後半のイケメンだった。
その後領地の説明と屋敷の引き継ぎを終えた後、カイロは事前に計画されたように宿の向かった。
「それではコレからは私たちが仕事をいたします。セブン子爵様は領地を見回るなりお好きにしておいてください。」
とできる部下に言われた俺は、ムラサキを伴い領地視察に向かった。


「ご主人様、この街に住むんでしょうか?何か寂しい感じですね。」
ムラサキの言葉は当然だろう、今やアレクサンドリアの街は俺の開発した商品などで商人や観光客が押し寄せている、街の賑わいもこことは雲泥の差だ。
「確かに今はそうだな。でもな、俺はここを根本的に作り直そうと考えているんだ。そうすればあそこ以上いや王都以上に賑わうと思っている。」
と俺の将来像を話しながら、街全体の大きさや建物畑の配置をあたまにいれながら新たな街の青写真を描いていった。

そんな時ある人物に目が止まった。
商店の女将さんが
「ここを出て行かれるのですか?折角住みやすくなりつつあったのに残念ですね。」
と声をかけていた、声をかけらっれていたのはあの代官の男だ。
意外と住民に親しまれていたようだな。
さらに男が街の住民に別れの挨拶をしながら歩くのを少し離れてついていく。

「ご主人様、あの男意外と使えるかもしれませんね。」
ムラサキがどこを判断したかそういった。
「そうだな、あの若さでここを任されるなら仕事は出来るのだろう。声をかけても良いな。」
と思いつつ男の行動を見ていた。

街外れに教会が見えた。
「この世界の宗教については全く知らないな。教会では何をしているのか?」
と独り言を言いながら跡をつけていくと、小さな子供が男を見つけて駆け寄ってきた。
「カイトさん、遊びに来たの?シスターなら裏で洗濯中よ。」
とませた女の子が話しかけながら男の腕を掴んで教会に引っ張っていく。
「孤児院でもあるのか?10人くらいの子供が見えるな。」
俺はムラサキに
「ちょっと様子を見てきてもらって良いかい。俺はこの近くで話を聞いてくるよ。」
とムラサキと別行動を始めた。

近くで畑を耕していた農家に教会のことを尋ねると、俺のことを旅人とでも思ったのか
「この辺にゃ見るとこはないぞ。何、教会。あゝあそこは創造神様を祀る教会だ、王都と此処だけにあるそうだ。今はシスター3人と孤児などが15人ほどいるかな。」
と教えてくれた、俺はさらにこじらのことを尋ねると
「ここいらの子供はほとんどいねえ、王都などで保護された子供が年に数人連れてこられるみたいだ。良い子が多いから皆んな我が子のように面倒を見てるが何か気になることでもあったか?」
と逆に聞かれたので
「いや、大きくなったら何処で何をするのかと思って。」
「そりゃ、色々だぜ。街に残るのもいれば兵士になるとって王都に向かう者、冒険者になる者それぞれだ。」
と教えてくれた、そこで
「今歩いていったのは確かここの代官様じゃなかったかい。」
「あゝカイロ様じゃろ。とても子供思いの方じゃ、でももうすぐいなくなると噂を聞いたぞ。」
と言う話だった。


ーー 代官カイロ side

私はセントレア王国の王家所管の領地の一つの代官をしている。
我が家は男爵家で私は3男、普通であれば部屋詰め者で代官などと言う役職にはつけないのだが、何故か宰相殿が俺のことを買ってくれたようで、ここ3年ほどここの代官をしている。
しかしそれも今日までのこと、ここには新たな領主様が来られたからだ。
タイガード辺境伯様の関係者のようで、大寒を置くにしても辺境伯の部下か縁者になるだろう。

「折角この領地も未来が見えてきた気がしたのだが、勿体無いな。」
ふと愚痴が口をついて出た。
今日は最後に世話になった者に挨拶と行こうか。
そう思い街の中を1人挨拶をしながら目的の教会に向かった。
ここには珍しく王都と一緒の教会がある。
王都で世話を見られなくなった孤児などをここに連れてきては面倒を見ているのだ。
そして野の世話役に1人に俺の思い女がいる。
シスターメランだ。
彼女は本当に神仕えるための生まれたような心優しい女性だ、できれば我妻にと思っていたが役職の無くなった俺にはその望みもなくなった。
力無く教会にたどり着いた私をいつも通り明るく出迎えてくれたメラン。
「大事な話があって来たよ。」
と言う私に
「およそのことは伺っていますが、私の話も聞いてください。」
と普段と違って厳しい顔のメラン、不思議に思うも彼女の誘いに教会に入り出されたお茶を飲みながら彼女の話に耳を傾けた。


ーー シスター メラン 18歳  side


私は創造神様を祀る教会に仕えるシスターだ。
この教会は珍しくこの国でも2ヶ所しかない。
私がシスターになったのは、王都で孤児だった私が教会で育てられて神の天啓を受けたからだ。

そして昨日もう一度天啓を受けたのだ。
「メラン、お前の献身的な思いは我に届いた。そこでお前に一つの褒美と使命を与えよう。」
と言う創造神の姿と声が夢枕に立ったのだ。
「一つはお前の想い人と一緒になる事を許そう。そしてコレからやってくる領主の男の意見に従うのだ良いな。」
と言うものだった。
確かに新しくこの地に領主様が誕生されたと噂を聞いた、しかしその人が想像神様とどのような関係にあるのかは分からない。神が直接私に使命を与えたのだ、従わない方はない。そかもあの方と結ばれるのであれば断る必要も問題もない。」
目覚めてから私は、本日その問題が明らかになると感じていて、彼が訪れるのを待ち焦がれていた。
するとお昼頃、憔悴したような顔の彼が現れた、ここをさる話がそうならばそうなるのも無理はない、しかし神の話を考えるに私とここに残ることができるのだから・・・多分彼はこのままこの街の代官のままのはずだわ。
私は確証はないが信じられる思いで、彼を明るく出迎えてお茶を差し出しながら話をはじめた。

「カイロ様、信じられないかもしれませんが私は昨夜、主のお声をお聞きしました。そして貴方との思いを遂げて良いと許可をいただきました。その意味がお分かりでしょうか?」
「え!神が私達の想いを認めてくれた?しかし私はここから・・・!ひょっとしてこのままここに居られると言う事ですか?」
「多分そうだと思います。」
力強く返事をする私に少し元気になった彼が
「分かったよ、私も頑張ってみるよ。」
と言うと慌ただしく街に戻っていった。

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