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大会後半戦とセシル殿下の帰還
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次の日の試合から雰囲気がガラッと変わった、それは観客が変わったのだ。
来賓席に王族や高位貴族や豪商が所狭しと座ると、賭けの胴元のような連中が目の色を変えて見始めた。
選手も試合以上に自分をいかに売り込むかと言う感じの選手が増えて来た。
俺の今日の対戦相手は、上位常連の剣士でルーキー殺しの異名を持つ選手だ。
闘技場に上がると向こう側から選手が姿を見せた。
赤髪の大きな男だ、顔に刀傷があり歴戦の戦士という感じがする。
人気がある選手のようで、場内が少し沸いた。
「始めー。」
開始の合図が聞こえた、相手が戦い慣れた感じで素早く間合いを詰めて来た。
相手の力量が分からないのに少し不用心のような・・。
威嚇的に放った俺の剣戟を慌てて避けながら距離を空ける相手、俺を舐めていたようだ。
慎重になりながらも俺に対して上から目線の構えに攻撃、どうやらこの選手も一部の観客にアピールしたいようだ。
相手の決め手を欠く攻撃が続き観客からもヤジが混じり始めた。
焦った相手選手が大技を繰り出して来た、当たればそこそこのダメージを与えることができるかもと言える攻撃だが、俺には無謀でしかない。
大技を繰り出して動きが止まった相手の懐に入ると刀の柄で鳩尾を突いた後に離れながら、俺は相手の右肩に剣の峰を撃ち下ろす。
「ガキッ!」
鈍い音と共に相手が右肩を抱えてうずくまる。
審判が確認する・・・手を交差して試合の終了を宣言する。
「勝者、セブン選手。」
勝ち名乗りを受けながら闘技場を後にする。
「アイツはどこの選手だ?今まで聞いたこともない名前だぞ。」
などと観客も俺の存在が気になり始めたようだ。
控え室に向かいながら担架で運ばれる相手選手を呼び止めて
「アンドウ」
と呟くと光が選手を包み込み、その後何が起こったという顔の選手が起き上がりながら去り行く俺を見送っていた。
2時間後次の試合にため闘技場に姿を現した俺の前に、巨人のようないや巨人種か。
4mほどの見上げるような大男が立っていた、これも剣士か?
「始めー。」
審判の合図で雄叫びを上げる巨人、棍棒のような武器を振り回しながら向かって来た。
「ガキーン」
振り下ろされる棍棒を俺の細い日本刀風の剣が受け止める、驚く観衆。
巨人は繰り返し棍棒を俺に振り下ろすが全て俺は受け止める。
そして次の一振りの棍棒を左に逸せて巨人の懐に入り込むと、巨人の足を払った。
普通この体格差なら何事も起こることも無いだろうが、俺の足払いは巨人種の大きな足を綺麗に払い上げ、巨人は大きくバランスを崩して仰向けに倒れる。
「ズドーン」
すかさず俺は巨人の利き腕の腱を剣で強打する。
棍棒を取り落とした巨人は、呆然と言う顔で上に跨った俺の顔を見上げた。
「どうだ参ったかい?」
俺の言葉に憤慨した巨人は俺を振り落として起きあがろうとするも、俺は巨人の中心を抑えているため起き上がることができず
「ううう、どうして・・こんなチビに・・。」
と悔しさを口にするが如何にもならぬ、そこに俺が首元に剣を添えて
「これではどうだ」
と聞くとまだ何とかなると思っているのかジタバタする、聞き分けがないやつだ。
俺は鳩尾に刀の柄を叩き込む。
「ウッ!・・・」
意識を失ったようだ、俺は巨人から降りると審判を見る。
慌てて審判が
「勝者、セブン選手」
と勝ち名乗りを上げる。
そしてドット会場が沸いた、ここに来てやっと理解できたようだ。
その日はこれで終了、明日が最後だ。
会場を後にした俺はいつものように居酒屋風の食堂に向かう、途中でセシル殿下が合流して来た。
「セブン伯爵様、本日も大変驚かされました。最後の試合など優勝候補の巨人種の選手を子供扱いされて・・凄すぎですね。」
と少し興奮気味に話しかけるセシル殿下。
ーー 最終日
闘技場には5人の選手が並んでいる、3回勝てば優勝だ。
1回戦は王国の騎士団長らしい、金属のフルメタルを着込んだ大男が大剣を構えている。
あの鎧にダメージを与えるのは普通は難しいだろう。
「始めー。」
開始の合図が流れて、鎧男が隙もなく間合いを詰めて来た。
剣が淡く光った!「魔剣か!」
と思う暇なく見えない斬撃が県から飛ばされる、俺はそれを余裕でかわす。
次々に魔剣の攻撃が俺を襲う、しかし俺に届くことはない。
焦り始めた鎧男が次の手に出た。
俺に対して体当たりを敢行したのだ、俺はそれを正面kら受け止める。
「ガツン」
鈍い音が響き闘技場の中央で男2人がぶつかった状態で止まっている。
「何であの男は吹き飛ばないんだ?」
「巨人相手に同じようにびくともしてなかったよね。」
観衆が騒ぎ出す。
「面妖な!」
鎧男が叫びながら大技を放ってきた。
光り輝く大剣が高速で俺の頭に振り下ろされる。
しかし大剣は無常にも地面に突き刺さる。
俺は剣を横一線に振り抜くと自分のコーナーに戻り始める。
それを見た鎧男が怒りの形相で
「逃げるか!」
と言いながら俺の方に2・3歩進んだところで、意識が途絶えたようだ。
崩れて倒れる鎧男に審判が近づき
「勝者、セブン選手」
と勝ち名乗りをあげた。
2回戦はもう1組の勝上がりの女剣士だ。
耳が少し長く見える・・エルフという種族か?
「始めー」
開始の声の後女剣士がその場から消えた・・ように見えただろう。
かなりの速度で移動を開始した、何かのスキルかしかし俺の目には全てが見えている。
「カキーン」「カキーン」
数回の剣戟音、見えない戦いに観衆がどよめく、俺が大きく飛び位下がると俺のいた場所に
「ドーン」という爆発音と共にクレーターが出来ていた。
魔法剣士のようだ。
二刀流のようで、細剣を2本持って攻撃を続ける、しかし俺に届く剣は無い。
「何故?私の剣が届かないなんて。」
苦悶の表情を見せながらさらに攻撃を早める。
「これでも・・届かないか。」
突然女剣士は間合いを取ると、剣を納めて。
「まいりました。」
と頭を下げた。
最後の相手は昨年の優勝者。
相手選手の長々とした紹介が終わり、竜人種と呼ばれる肌に鱗と尻尾を持つカラリオンと呼ばれた対戦相手が俺に近づき
「未だ実力を出していないようだが、直ぐに全力を出さないと直ぐに終わるぞ。」
というと離れて対峙した。
「始めー」
言うだけのことはありそうだ、直ぐに俺は身体強化を行う。
するとカラリオンの動きがスローに変わる。
音が途絶え世界が俺だけのものになる、俺は素早く移動するとカラリオンの後ろに立つ。
突然姿が消えて気付くと背後を取られている、こんな状況が5度。
「奢っていたのは俺の方か。」
と自嘲の言葉を呟いたカラリオンの身体から余裕が消え、魔力が絞られていく。
「俺の必殺技を受けてみろ!」
と言いながらスキルと身体強化を使い魔剣を振るって来た。
すごい風圧が俺に向かって飛び出すとカラリオンの姿が霞む。
「星斬り!」
技名を口にしながら俺に必殺技を繰り出したようだ。
俺は残像を残したままにまたしてもカラリオンの後ろに、そして唐竹割りのような斬撃を繰り出す。
最終的に技は無駄を削ぎ落とすと基本の振りに戻るのだ。
残像を切り裂いたカラリオンが思わず振り向く、俺の斬撃がカラリオンの頭を捉えて後方に吹き飛ばす。
シーンとした会場、審判がカラリオンの様子を確認するが直ぐに担架を要請。
「優勝者、セブン選手」
最後の勝ち名乗りを受けた俺は、会場と来賓に頭を下げて控え室に戻る。
突然勝者が姿を消したことからざわつく会場、俺を追って関係者が駆けてきた。
「お待ちください、表彰式が御座います、お戻りください。」
「ん!相手が担架で運ばれたが良いのか?」
俺は最後の選手5人全員が表彰されると思っていたのだが、違ったようだ。
「分かった戻ろう。」
というと踵を返し会場に再登場した、俺の姿を見た観衆が「おーっ」と声を上げる。
その後30分ほどかけて表彰式が行われた。
来賓席に王族や高位貴族や豪商が所狭しと座ると、賭けの胴元のような連中が目の色を変えて見始めた。
選手も試合以上に自分をいかに売り込むかと言う感じの選手が増えて来た。
俺の今日の対戦相手は、上位常連の剣士でルーキー殺しの異名を持つ選手だ。
闘技場に上がると向こう側から選手が姿を見せた。
赤髪の大きな男だ、顔に刀傷があり歴戦の戦士という感じがする。
人気がある選手のようで、場内が少し沸いた。
「始めー。」
開始の合図が聞こえた、相手が戦い慣れた感じで素早く間合いを詰めて来た。
相手の力量が分からないのに少し不用心のような・・。
威嚇的に放った俺の剣戟を慌てて避けながら距離を空ける相手、俺を舐めていたようだ。
慎重になりながらも俺に対して上から目線の構えに攻撃、どうやらこの選手も一部の観客にアピールしたいようだ。
相手の決め手を欠く攻撃が続き観客からもヤジが混じり始めた。
焦った相手選手が大技を繰り出して来た、当たればそこそこのダメージを与えることができるかもと言える攻撃だが、俺には無謀でしかない。
大技を繰り出して動きが止まった相手の懐に入ると刀の柄で鳩尾を突いた後に離れながら、俺は相手の右肩に剣の峰を撃ち下ろす。
「ガキッ!」
鈍い音と共に相手が右肩を抱えてうずくまる。
審判が確認する・・・手を交差して試合の終了を宣言する。
「勝者、セブン選手。」
勝ち名乗りを受けながら闘技場を後にする。
「アイツはどこの選手だ?今まで聞いたこともない名前だぞ。」
などと観客も俺の存在が気になり始めたようだ。
控え室に向かいながら担架で運ばれる相手選手を呼び止めて
「アンドウ」
と呟くと光が選手を包み込み、その後何が起こったという顔の選手が起き上がりながら去り行く俺を見送っていた。
2時間後次の試合にため闘技場に姿を現した俺の前に、巨人のようないや巨人種か。
4mほどの見上げるような大男が立っていた、これも剣士か?
「始めー。」
審判の合図で雄叫びを上げる巨人、棍棒のような武器を振り回しながら向かって来た。
「ガキーン」
振り下ろされる棍棒を俺の細い日本刀風の剣が受け止める、驚く観衆。
巨人は繰り返し棍棒を俺に振り下ろすが全て俺は受け止める。
そして次の一振りの棍棒を左に逸せて巨人の懐に入り込むと、巨人の足を払った。
普通この体格差なら何事も起こることも無いだろうが、俺の足払いは巨人種の大きな足を綺麗に払い上げ、巨人は大きくバランスを崩して仰向けに倒れる。
「ズドーン」
すかさず俺は巨人の利き腕の腱を剣で強打する。
棍棒を取り落とした巨人は、呆然と言う顔で上に跨った俺の顔を見上げた。
「どうだ参ったかい?」
俺の言葉に憤慨した巨人は俺を振り落として起きあがろうとするも、俺は巨人の中心を抑えているため起き上がることができず
「ううう、どうして・・こんなチビに・・。」
と悔しさを口にするが如何にもならぬ、そこに俺が首元に剣を添えて
「これではどうだ」
と聞くとまだ何とかなると思っているのかジタバタする、聞き分けがないやつだ。
俺は鳩尾に刀の柄を叩き込む。
「ウッ!・・・」
意識を失ったようだ、俺は巨人から降りると審判を見る。
慌てて審判が
「勝者、セブン選手」
と勝ち名乗りを上げる。
そしてドット会場が沸いた、ここに来てやっと理解できたようだ。
その日はこれで終了、明日が最後だ。
会場を後にした俺はいつものように居酒屋風の食堂に向かう、途中でセシル殿下が合流して来た。
「セブン伯爵様、本日も大変驚かされました。最後の試合など優勝候補の巨人種の選手を子供扱いされて・・凄すぎですね。」
と少し興奮気味に話しかけるセシル殿下。
ーー 最終日
闘技場には5人の選手が並んでいる、3回勝てば優勝だ。
1回戦は王国の騎士団長らしい、金属のフルメタルを着込んだ大男が大剣を構えている。
あの鎧にダメージを与えるのは普通は難しいだろう。
「始めー。」
開始の合図が流れて、鎧男が隙もなく間合いを詰めて来た。
剣が淡く光った!「魔剣か!」
と思う暇なく見えない斬撃が県から飛ばされる、俺はそれを余裕でかわす。
次々に魔剣の攻撃が俺を襲う、しかし俺に届くことはない。
焦り始めた鎧男が次の手に出た。
俺に対して体当たりを敢行したのだ、俺はそれを正面kら受け止める。
「ガツン」
鈍い音が響き闘技場の中央で男2人がぶつかった状態で止まっている。
「何であの男は吹き飛ばないんだ?」
「巨人相手に同じようにびくともしてなかったよね。」
観衆が騒ぎ出す。
「面妖な!」
鎧男が叫びながら大技を放ってきた。
光り輝く大剣が高速で俺の頭に振り下ろされる。
しかし大剣は無常にも地面に突き刺さる。
俺は剣を横一線に振り抜くと自分のコーナーに戻り始める。
それを見た鎧男が怒りの形相で
「逃げるか!」
と言いながら俺の方に2・3歩進んだところで、意識が途絶えたようだ。
崩れて倒れる鎧男に審判が近づき
「勝者、セブン選手」
と勝ち名乗りをあげた。
2回戦はもう1組の勝上がりの女剣士だ。
耳が少し長く見える・・エルフという種族か?
「始めー」
開始の声の後女剣士がその場から消えた・・ように見えただろう。
かなりの速度で移動を開始した、何かのスキルかしかし俺の目には全てが見えている。
「カキーン」「カキーン」
数回の剣戟音、見えない戦いに観衆がどよめく、俺が大きく飛び位下がると俺のいた場所に
「ドーン」という爆発音と共にクレーターが出来ていた。
魔法剣士のようだ。
二刀流のようで、細剣を2本持って攻撃を続ける、しかし俺に届く剣は無い。
「何故?私の剣が届かないなんて。」
苦悶の表情を見せながらさらに攻撃を早める。
「これでも・・届かないか。」
突然女剣士は間合いを取ると、剣を納めて。
「まいりました。」
と頭を下げた。
最後の相手は昨年の優勝者。
相手選手の長々とした紹介が終わり、竜人種と呼ばれる肌に鱗と尻尾を持つカラリオンと呼ばれた対戦相手が俺に近づき
「未だ実力を出していないようだが、直ぐに全力を出さないと直ぐに終わるぞ。」
というと離れて対峙した。
「始めー」
言うだけのことはありそうだ、直ぐに俺は身体強化を行う。
するとカラリオンの動きがスローに変わる。
音が途絶え世界が俺だけのものになる、俺は素早く移動するとカラリオンの後ろに立つ。
突然姿が消えて気付くと背後を取られている、こんな状況が5度。
「奢っていたのは俺の方か。」
と自嘲の言葉を呟いたカラリオンの身体から余裕が消え、魔力が絞られていく。
「俺の必殺技を受けてみろ!」
と言いながらスキルと身体強化を使い魔剣を振るって来た。
すごい風圧が俺に向かって飛び出すとカラリオンの姿が霞む。
「星斬り!」
技名を口にしながら俺に必殺技を繰り出したようだ。
俺は残像を残したままにまたしてもカラリオンの後ろに、そして唐竹割りのような斬撃を繰り出す。
最終的に技は無駄を削ぎ落とすと基本の振りに戻るのだ。
残像を切り裂いたカラリオンが思わず振り向く、俺の斬撃がカラリオンの頭を捉えて後方に吹き飛ばす。
シーンとした会場、審判がカラリオンの様子を確認するが直ぐに担架を要請。
「優勝者、セブン選手」
最後の勝ち名乗りを受けた俺は、会場と来賓に頭を下げて控え室に戻る。
突然勝者が姿を消したことからざわつく会場、俺を追って関係者が駆けてきた。
「お待ちください、表彰式が御座います、お戻りください。」
「ん!相手が担架で運ばれたが良いのか?」
俺は最後の選手5人全員が表彰されると思っていたのだが、違ったようだ。
「分かった戻ろう。」
というと踵を返し会場に再登場した、俺の姿を見た観衆が「おーっ」と声を上げる。
その後30分ほどかけて表彰式が行われた。
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