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サハラ王国 2
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ーー 教会立て直し。
ファーストは次の日の朝早くから作業をしていた。
古く壊れそうな建物を性質変換しながら収納する。
更地にすると、ここでも地下室を作って立派な二階建ての建物を二つ建てた。
一つは宿舎で、もう一つは厨房や食堂にお風呂場。
大きな教室のような部屋に作業場のような部屋まで備えていた。
「コレで一通りは完成かな、後はコレを利用する者だな。」
と独り言を言うファーストは、庭に井戸を掘り出した。
当然一瞬で水が湧き出る、それをパイプに繋いで教会の施設につなげる。
その後は教会の周囲を壁で囲み始めた。
「壊れかけの教会に手を出さなくても、今の教会なら手を出し始めるだろう」
ファーストは昨日のうちにシスターから教会の借金について、聞いていたのでその対応をしているのだ。
壁が出来上がった頃に、カタギじゃなさそうな男達が10人ほどやってきた。
「話は本当だったな、こりゃ高く売れそうだぜ」
と男らは話しながら教会の敷地に入ろうとした。
「そこで待て!コレから先は俺の許可がいる。」
と言うファーストに男が笑いながら
「ガキが何を言いやがる。大きなことは金払ってから言え!」
と脅すように言う男に足元に袋が投げられた。
「そこに借金以上の金が入っている、これ以上ここにちょっかいを出せば死ぬぜ。」
とファーストは言う。
男は金の入った袋を拾い中を確かめると
「足らねえな。」
と言いながら敷地に踏み込んだ。
「ズドーン。」
男の目の前に稲妻が落ちた、腰を抜かすよ様に座り込んだ男に
「言ったろ、殺すと。雇い主に証文を持って来させな。今日の昼まで待ってやろう、それが過ぎたら直接出向くがそん時は覚悟しておきな。」
と言ってさらに稲妻を撃ち落とした、男らは逃げるように消えていった。
それを見ていたシスターや子供達は大喜びしていたが、ファーストまだ終わっていないと思っていた。
◇
その日の昼過ぎ。
「やっぱりか。しょうがねえな。」
言いながらファーストは、街に向かって歩き出すがその際、何事か呟いていた。
ファーストが教会から出るのを遠くから見ていた男が
「やろう出てきましたぜ。」
と別の男に報告した。
「手はず通りやれよ。」
と言うと男は、大きな屋敷の中に消えた。
ファーストは大きな屋敷の前に来ていた。
「教会から来たファーストという者だ、主人に取りつげ。」
厳しい態度のファーストに追い返そうとしていた、門番が慌てて中に入れながら、屋敷に連絡を取り出した。
屋敷の入り口まで来たファーストに屋敷の家令と思われる男が対応してきた。
「ご当主様は忙しいお方しばらく時間が掛かると思われますが、お待ちしますか?」
と丁寧であるが見下した態度であった。
「俺に不敬だな。」と言うとファーストは威圧をしながら玄関の扉を開けて、中にずかずかと進む。
威圧のため身動きできない家令、やっとのことで声が出るようになると、
「不埒者です。」
と大声を上げた、すると柄の悪い男らが20人ほどわらわらと出てきた。
しかし誰もファーストの前に立つと、身動きができなくなりある者は泡を吹き、ある者は腰を抜かして役に立たなかった。
ファーストはそのまま階段を上がり、当主のいると思われる部屋のドアを開くと中に入っていった。
部屋には男が3人いたが、入って来たファーストを見て二人が慌てて立ち塞ごうとしたが、泡を吹いて倒れた。
「お前がここの主人か?」
と問うと震えながら頷く男
「俺のこと付けを聞いているだろう、俺を煩わせればその報いを受けると伝えたはずだが、お前は馬鹿なのか?」
と言えば
「誰がお前のような子供の言葉に従うものか。コレでお前も教会も終わりだ。」
と強がるように言う男
「お前は本物のバカだな。教会は神の家だ。お前は俺を怒らせたのだ、終わるのはお前の方だと知るが良い。」
と言うとファーストは右手を上げた。
「ライジン」
一言言うと、遠く教会の方で大きな稲妻の光と音が屋敷を震わせた。
「今のはお前が教会の者にいらぬことをさせようと、向けた者達への天罰だ。次はお前の番だ。生きていたければ直ぐにここを出ることだ。」
と言うとファーストは、屋敷中に響く声で
「後5分でこの屋敷は崩れ去る、生きたい者は逃げよ。」
と言いながら外の出た。
5分後、ファーストは右手を上げると
「天の裁きを受けよ、ライジン」
と呟いた。
「ドドーン。」
周囲が光で真っ白になり、大きな雷鳴が鼓膜を破りそうな勢いでその場の者を包み込んだ。
音が消え色が戻ったその場には、屋敷であった物の残骸が山の様になり、燻っていた。
「神を愚弄する者どもよ聞け!今日より不届き者はこのファーストが処断する。」
と言うと教会の方に歩いて消えた。
教会の付近には黒焦げの男達が15人ほど居た。
近くの男に
「邪魔な死体を片付けてくれ、神の怒りに触れたものだ教会には入れられぬ。」
と言うと銀貨を何枚か渡した。
教会の門を潜り、ファーストが戻ると子供達が集まって来た。
「お兄ちゃん怖かったよ。男らが教会に入ろうとしたんだ、そしたら雷が男を・・。」
「そうか、でも心配いらんぞ、その雷は神のイカズチだ。悪いものを懲らしめるものだからお前達に落ちることはない。」
と安心させながら、教会の中に入った。
シスターは女神に祈りを捧げていた。ファーストに気づくと
「お帰りになられましたか、それでどうでしたか?」
と俺の用事が済んだか心配していたようだ。
「ああ、問題ない。」
と答えると
「風呂に入ってくる」
と言い残してファーストは家に帰っていった。
ーー サハラ王国、王城。
「先程の雷は神を名乗るものが起こしたと申すか。」
国王は報告者に問いただした。
先日来から「神の化身」とか「神」を名乗る者がいるとの報告がいくつも来ていたのだ、ただのホラであれば国王まで報告させることもない話であるが、その中心人物が幾つものオアシスを作り、空を飛び、貧しき民を助けているとの確認できる事実に、国王は酷く悩んでいた。
そこに先程の目も眩むような光と音、そして王都の大商人の一つが消えたと報告があった。
大商人の屋敷に子供が現れ、「神の天罰を受けよ。」と言いながら雷を落とし屋敷を灰にしたと言う。
生き残りはその子供の
「生きたければ逃げるが良い。」
と言う言葉に従い、外に出たものばかり。
商人は自分のお金に目が眩み逃げ出すことができずに、黒焦げとなったと。
さらには教会にて、商人の配下の者が不法にも教会を占拠しようとして同じく黒焦げに。
コレらの情報を聞いて国王は傍の宰相に
「お前はどう思う」
と問うた。
宰相はしばらく考えていたが、
「話を聞くにその子供の仕業に間違いないと、思いますがそれが神又は使徒とは思えませぬが、手を出すのは得策でないと思われます。本物であれば国が滅びるでしょう、偽物であってもどれだけの被害が出るかわかりません。
ここは静観する事にしましょう。あの商人は裏でかなり悪どい商売をしていたとの噂もありました、これを機にそのような者との取引はやめてはいかがでしょうか。」
と答えた。
即答出来ぬ話に国王も
「分かった、しばし静観しよう。家臣の者にも注意をしておいてくれ。」
と言うと下がっていった。
ーー 王子、王女ら
サハラ王国には、二人の王子と3人の王女がいた。
王子は20歳と15歳で、王女は17歳と10歳に23歳で他国に嫁いだ娘が一人。
ここ最近の神にまつわる噂話にそれぞれの王女、王女は興味を持っていた。
その中でも一際興味を持っているのが、第三王女のクリスティーナだった。
オアシスの街の二つ目のオアシスが出来たと聞いた時から、視察と言いながら現地に向かって確認したり話を聞いていたのだ。
その為、オアシスを作っているのが「ファーストと言う11・2歳の男の子」と言うことを早くから、耳にしていた。
だがファーストは空を飛んで移動する為、どこにいるのか皆目わからず、よその国に出たのではないかと心配していた。
「彼の方のお力を持ってすれば、この砂漠の王国にも緑豊かな大地が・・・早くお会いしたいわ。」
日に日に募るその想いに、朗報が届いた。
街外れの古びた教会にいるそうだ。と言う情報だ。
早速次に日、クリスティーナ王女は馬車で教会へ向かったが、途中のスラム街が邪魔で馬車が通ることができなかった。
その日は落胆のまま城に帰った王女。
そこに一人の男が話しかけて来た
「クリスティーナ王女様、何を悩んでおられます。」
と話しかけると今日の顛末を語る王女。
「それなら警護をつけて徒歩で向かってはいかがですかな。スラムではよくない者達もおりますので、王女と分からぬ格好で少ない人数で行くのが良いと思われます。」
と囁いた。
王女はすっかりその気になり、
「ありがとう存じます、ツータン男爵。」
とお礼を言うと部屋に戻っていった、残されたツータン男爵は不敵な笑いを見せると、何処かに連絡をし始めた。
ーー 王女誘拐未遂
クリスティーナ王女は、次の日早速商人の娘のような服に姿を変えて、僅かな護衛を連れて教会に向かった。
城を出る皇女を見張る男の影に気付かぬまま。
教会にて。
ファーストは、教会の裏の空き地に畑を作ろうと思っていた。
教会で食べるならば十分な広さを確保すると、周りを丈夫で高い塀で囲んだ。
出入り口は教会側のみ。
砂地の土に手を着き「性質変換」と口ずさむ。
あっという間に黒々とした土が出来上がった。
「後は水だな」
と言いながら小高い丘に登りそこから地中に穴を掘り始めた、すると水が湧き出始めた。
近くに溜池を作り、転落防止の柵を巡らすとファーストは、昔開拓村でしたように穴の空いた筒を埋めると、溜池に繋いだ。
「コレでよし。」
と一息ついたところで、小さな声を拾った。
「助けて・・誰か。助けて・・ファースト様。」
と聞こえた声に反応するように、ファーストは空に舞い上がりそこを目指した。
クリスティーナ王女
スラムの匂いに少しばかり困惑気味の王女は、それでも教会を目指していた。
するとゴタゴタした小屋の密集したところで不意に手を引かれた。
「あ!」
直ぐに自分の身が危ないと感じた王女は、その手に噛み付いた。
「あ痛ー。」
男の声がして手が緩んだ、王女は直ぐに逃げ始めた。
しかし方向見通しもわからぬこのスラムで、逃げるのは至難の技だった。
すると子供の声が聞こえた
「こっちよ。」
と。
なぜかその声に光を感じて、声のする方に進むと小綺麗な服をきた少女が二人。
「こっちよ、早く。」
と言う言葉に女王は頷くと後をついていったのだが、その行手に別の男が
「まちな、王女様もう逃げられませんよ。」
と嫌らしい顔で笑った。
「助けて・・誰か。助けて・・ファースト様。」
女王は思わず、口にしていた。
男がさらに現れ、少女ら3人の運命は風前の灯。
と言うところで、空から男の子が舞い降りた。
「「あ!ファースト様。」」
少女二人が声を揃えて呼ぶ、彼があのファースト様。
王女はその少年をじっと見ていた、黒髪に黒の瞳それ以外は私たちと違いはない。
すると男らがガタガタと震え出した。
「お前らその子を連れて教会に戻ってろ、ここから先は18禁だ。」
と言うと、少女らは頷き王女の手を引いて教会に向かった。
「お前たち、教会のお膝元で何してるんだ。」
と凄むファーストに恐怖で動けない3人はそのまま息絶えてしまった。
その後ファーストは、他の仲間を見つけると黒幕を探った。
その頃ツータン男爵は、兵士に向かい
「第三王女様が拐われた。犯人はスラムにいる犯罪者どもだ。スラムの者たちを一人残らず捕まえて、スラムを取り壊せ。」
と言うと兵を向かわせた。
その様子を確認したファーストは、スラムに戻ると入り口で兵を待った。
2000人の兵がスラムの入り口で、立ち尽くしていた。
その前には10人ほどの男が転がされ、中には死んでいるものもいた。
「こいつらが犯人だ、スラムの住人ではない。こいつらを連れて戻れ、王女は俺が責任を持って連れてゆく。」
と兵士に命じていた。
一人の兵士が前に出て、
「お前の言うことを信じろと言うのか。そこを退け、王女は我らが救う。」
と言いながらファーストに剣を向けた。
しかしそれ以上兵士は動くことができなかった。
「くっ。コレほどの威圧。」
膝を落とす兵士に
「我はファースト。俺の声が聞けぬならば俺を倒してみよ。お前らは利用されているだけだ、それを考えて行動せよ。」
と大声で言った。
「ファースト!まさかこの子が・・」
威圧から解放された兵士はファーストを睨むと
「本当に王女を無事に戻すにであろうな。」
と確認した、それに対し
「お前たちをここに向かわせたものを疑え、まだ拐われてもいない王女が攫われたと言う事を言った者こそ、コレを計画した者であろう。」
と言うとファーストはスラムに消えた。
教会にて。
少女らに助けられた王女は、見事に作り替えられた教会にいた。
「コレが古びた教会ですか?城の教会より見事です。」
と言う王女に、シスターが
「コレはファースト様がお造りになられた神の家です。」
と説明した。
「神の家」と言う言葉に何か特別な思いを感じた王女。
そこにファーストが戻って来た。
「先程は危ないところ助けていただき、ありがとうございます。私は・・。」
名前を言おうとしたところで、ファーストに止められた。
「どこに用があったんだ?送っていこう。」
と言うのに
「お待ちください。私はファースト様にお会いしたくてここに来ました。」
と言う王女に
「それを利用されたか、お前の考えなしの行動にどれだけここの者が、危険に晒されたか分かっておらんだろう。お前はスラムに住むものを排除する餌にされたのだ。」
と言うファーストの言葉に王女は青ざめた。
「どうすれば私は償えるのでしょうか?亡くなった方はいらっしゃるのですか?」
と狼狽えていたが、ファーストは
「もう済んだことだ、誰も怪我をしておらぬ。ただこれからはわからぬ、ここを自分のものにしようと考える者がいるようだ。今日は送ってゆくので、これからは自分の行動に責任を持つように。」
と言った、すると教会の子らが
「ファースト様、この子をこれ以上責めないで、この子も怖い思いをしたのよ。温かいお風呂と美味しいご飯を食べてから送っていってください。」
とお願いの眼差しでファーストを見て言った。
「・・まあ良かろう。」
と答えると、少女二人は王女を連れてお風呂に向かった。
王城にて。
「何!王女が攫われたと、本当か。」
警護の者がスラムで王女を見失った、その際男達が捜索の妨害をしたと報告していた。
そこにスラムから戻った兵士の隊長が
「王女が攫われたとの急報を聞き、スラムに向かいましたがファーストと名乗る少年が、犯人だと言う男ら10人を引き渡し、王女は責任を持って送り届けると言うので、戻って来ました。」
と報告した。
報告を受けた宰相は、時間的な矛盾に気付いた。
「その方が我以外に王女が攫われたと誰かに申したか?」
「いえ、直ぐにここに来ましたので、誰にも。」
と答えると警護騎士の言葉に
「ファーストなる者が言うには、誰よりも早く攫われてもいない王女のことを話した者が黒幕だと、申しておりました。」
その言葉に宰相は
「誰がその方に伝えた?」
「はい、ツータン男爵殿です。」
「そうか分かった。下がれ。」
と二人をさがらせた宰相は、別の者に何事か言いつけて国王へ話に向かった。
教会にて。
お風呂でこの世の幸せを味わった王女。
いくら王族でもこの王国では、これほどタップリのお湯を使えることはなかった。
「とても気持ちいいわ。ここでは毎日お風呂に入るの?」
と言う問いに少女らは
「そうだよ。でないとファースト様が怒るの、「ご飯食べさせないぞ。」て言うの。」
と言いながら色々なことを話して、すっかり仲良くなった3人。
お風呂から出た王女はみんなと夕食を食べた。
「ここの料理はどなたが御造りになったの?」
と驚いたように尋ねる王女
「食材や調味料は、ファースト様がくださるの。料理は最初にファースト様が作ってくださって、その後は教えてくださるの。」
とシスターが答えた。
「そうなの、とても美味しいわ。」
と素直な感想を言った。
その事を聞いていたファーストは、
「この国がここみたいになればいいと、お前は思うか?」
と聞いた。
「ええそう思うわ、そのために私はあなたに会いに来たのだから。」
と答えた。
「分かった、今日はこれから送り届けるが、3日後に迎えに行くから計画があれば教えてくれ。」
と言うと王女に教会の者と挨拶をさせてから外に出た。
「空から帰るぞ。」
と言うとファーストは、王女を抱き上げて空に舞い上がった。
「わあー。王都を空から見るとこうなんだ。周りの砂漠は・・・緑がないわね。」
と途中から声が小さくなっていった。
王城の上に着くとファーストは、テラスに王女を下ろすと音もなく空の消えていった。
ファーストは次の日の朝早くから作業をしていた。
古く壊れそうな建物を性質変換しながら収納する。
更地にすると、ここでも地下室を作って立派な二階建ての建物を二つ建てた。
一つは宿舎で、もう一つは厨房や食堂にお風呂場。
大きな教室のような部屋に作業場のような部屋まで備えていた。
「コレで一通りは完成かな、後はコレを利用する者だな。」
と独り言を言うファーストは、庭に井戸を掘り出した。
当然一瞬で水が湧き出る、それをパイプに繋いで教会の施設につなげる。
その後は教会の周囲を壁で囲み始めた。
「壊れかけの教会に手を出さなくても、今の教会なら手を出し始めるだろう」
ファーストは昨日のうちにシスターから教会の借金について、聞いていたのでその対応をしているのだ。
壁が出来上がった頃に、カタギじゃなさそうな男達が10人ほどやってきた。
「話は本当だったな、こりゃ高く売れそうだぜ」
と男らは話しながら教会の敷地に入ろうとした。
「そこで待て!コレから先は俺の許可がいる。」
と言うファーストに男が笑いながら
「ガキが何を言いやがる。大きなことは金払ってから言え!」
と脅すように言う男に足元に袋が投げられた。
「そこに借金以上の金が入っている、これ以上ここにちょっかいを出せば死ぬぜ。」
とファーストは言う。
男は金の入った袋を拾い中を確かめると
「足らねえな。」
と言いながら敷地に踏み込んだ。
「ズドーン。」
男の目の前に稲妻が落ちた、腰を抜かすよ様に座り込んだ男に
「言ったろ、殺すと。雇い主に証文を持って来させな。今日の昼まで待ってやろう、それが過ぎたら直接出向くがそん時は覚悟しておきな。」
と言ってさらに稲妻を撃ち落とした、男らは逃げるように消えていった。
それを見ていたシスターや子供達は大喜びしていたが、ファーストまだ終わっていないと思っていた。
◇
その日の昼過ぎ。
「やっぱりか。しょうがねえな。」
言いながらファーストは、街に向かって歩き出すがその際、何事か呟いていた。
ファーストが教会から出るのを遠くから見ていた男が
「やろう出てきましたぜ。」
と別の男に報告した。
「手はず通りやれよ。」
と言うと男は、大きな屋敷の中に消えた。
ファーストは大きな屋敷の前に来ていた。
「教会から来たファーストという者だ、主人に取りつげ。」
厳しい態度のファーストに追い返そうとしていた、門番が慌てて中に入れながら、屋敷に連絡を取り出した。
屋敷の入り口まで来たファーストに屋敷の家令と思われる男が対応してきた。
「ご当主様は忙しいお方しばらく時間が掛かると思われますが、お待ちしますか?」
と丁寧であるが見下した態度であった。
「俺に不敬だな。」と言うとファーストは威圧をしながら玄関の扉を開けて、中にずかずかと進む。
威圧のため身動きできない家令、やっとのことで声が出るようになると、
「不埒者です。」
と大声を上げた、すると柄の悪い男らが20人ほどわらわらと出てきた。
しかし誰もファーストの前に立つと、身動きができなくなりある者は泡を吹き、ある者は腰を抜かして役に立たなかった。
ファーストはそのまま階段を上がり、当主のいると思われる部屋のドアを開くと中に入っていった。
部屋には男が3人いたが、入って来たファーストを見て二人が慌てて立ち塞ごうとしたが、泡を吹いて倒れた。
「お前がここの主人か?」
と問うと震えながら頷く男
「俺のこと付けを聞いているだろう、俺を煩わせればその報いを受けると伝えたはずだが、お前は馬鹿なのか?」
と言えば
「誰がお前のような子供の言葉に従うものか。コレでお前も教会も終わりだ。」
と強がるように言う男
「お前は本物のバカだな。教会は神の家だ。お前は俺を怒らせたのだ、終わるのはお前の方だと知るが良い。」
と言うとファーストは右手を上げた。
「ライジン」
一言言うと、遠く教会の方で大きな稲妻の光と音が屋敷を震わせた。
「今のはお前が教会の者にいらぬことをさせようと、向けた者達への天罰だ。次はお前の番だ。生きていたければ直ぐにここを出ることだ。」
と言うとファーストは、屋敷中に響く声で
「後5分でこの屋敷は崩れ去る、生きたい者は逃げよ。」
と言いながら外の出た。
5分後、ファーストは右手を上げると
「天の裁きを受けよ、ライジン」
と呟いた。
「ドドーン。」
周囲が光で真っ白になり、大きな雷鳴が鼓膜を破りそうな勢いでその場の者を包み込んだ。
音が消え色が戻ったその場には、屋敷であった物の残骸が山の様になり、燻っていた。
「神を愚弄する者どもよ聞け!今日より不届き者はこのファーストが処断する。」
と言うと教会の方に歩いて消えた。
教会の付近には黒焦げの男達が15人ほど居た。
近くの男に
「邪魔な死体を片付けてくれ、神の怒りに触れたものだ教会には入れられぬ。」
と言うと銀貨を何枚か渡した。
教会の門を潜り、ファーストが戻ると子供達が集まって来た。
「お兄ちゃん怖かったよ。男らが教会に入ろうとしたんだ、そしたら雷が男を・・。」
「そうか、でも心配いらんぞ、その雷は神のイカズチだ。悪いものを懲らしめるものだからお前達に落ちることはない。」
と安心させながら、教会の中に入った。
シスターは女神に祈りを捧げていた。ファーストに気づくと
「お帰りになられましたか、それでどうでしたか?」
と俺の用事が済んだか心配していたようだ。
「ああ、問題ない。」
と答えると
「風呂に入ってくる」
と言い残してファーストは家に帰っていった。
ーー サハラ王国、王城。
「先程の雷は神を名乗るものが起こしたと申すか。」
国王は報告者に問いただした。
先日来から「神の化身」とか「神」を名乗る者がいるとの報告がいくつも来ていたのだ、ただのホラであれば国王まで報告させることもない話であるが、その中心人物が幾つものオアシスを作り、空を飛び、貧しき民を助けているとの確認できる事実に、国王は酷く悩んでいた。
そこに先程の目も眩むような光と音、そして王都の大商人の一つが消えたと報告があった。
大商人の屋敷に子供が現れ、「神の天罰を受けよ。」と言いながら雷を落とし屋敷を灰にしたと言う。
生き残りはその子供の
「生きたければ逃げるが良い。」
と言う言葉に従い、外に出たものばかり。
商人は自分のお金に目が眩み逃げ出すことができずに、黒焦げとなったと。
さらには教会にて、商人の配下の者が不法にも教会を占拠しようとして同じく黒焦げに。
コレらの情報を聞いて国王は傍の宰相に
「お前はどう思う」
と問うた。
宰相はしばらく考えていたが、
「話を聞くにその子供の仕業に間違いないと、思いますがそれが神又は使徒とは思えませぬが、手を出すのは得策でないと思われます。本物であれば国が滅びるでしょう、偽物であってもどれだけの被害が出るかわかりません。
ここは静観する事にしましょう。あの商人は裏でかなり悪どい商売をしていたとの噂もありました、これを機にそのような者との取引はやめてはいかがでしょうか。」
と答えた。
即答出来ぬ話に国王も
「分かった、しばし静観しよう。家臣の者にも注意をしておいてくれ。」
と言うと下がっていった。
ーー 王子、王女ら
サハラ王国には、二人の王子と3人の王女がいた。
王子は20歳と15歳で、王女は17歳と10歳に23歳で他国に嫁いだ娘が一人。
ここ最近の神にまつわる噂話にそれぞれの王女、王女は興味を持っていた。
その中でも一際興味を持っているのが、第三王女のクリスティーナだった。
オアシスの街の二つ目のオアシスが出来たと聞いた時から、視察と言いながら現地に向かって確認したり話を聞いていたのだ。
その為、オアシスを作っているのが「ファーストと言う11・2歳の男の子」と言うことを早くから、耳にしていた。
だがファーストは空を飛んで移動する為、どこにいるのか皆目わからず、よその国に出たのではないかと心配していた。
「彼の方のお力を持ってすれば、この砂漠の王国にも緑豊かな大地が・・・早くお会いしたいわ。」
日に日に募るその想いに、朗報が届いた。
街外れの古びた教会にいるそうだ。と言う情報だ。
早速次に日、クリスティーナ王女は馬車で教会へ向かったが、途中のスラム街が邪魔で馬車が通ることができなかった。
その日は落胆のまま城に帰った王女。
そこに一人の男が話しかけて来た
「クリスティーナ王女様、何を悩んでおられます。」
と話しかけると今日の顛末を語る王女。
「それなら警護をつけて徒歩で向かってはいかがですかな。スラムではよくない者達もおりますので、王女と分からぬ格好で少ない人数で行くのが良いと思われます。」
と囁いた。
王女はすっかりその気になり、
「ありがとう存じます、ツータン男爵。」
とお礼を言うと部屋に戻っていった、残されたツータン男爵は不敵な笑いを見せると、何処かに連絡をし始めた。
ーー 王女誘拐未遂
クリスティーナ王女は、次の日早速商人の娘のような服に姿を変えて、僅かな護衛を連れて教会に向かった。
城を出る皇女を見張る男の影に気付かぬまま。
教会にて。
ファーストは、教会の裏の空き地に畑を作ろうと思っていた。
教会で食べるならば十分な広さを確保すると、周りを丈夫で高い塀で囲んだ。
出入り口は教会側のみ。
砂地の土に手を着き「性質変換」と口ずさむ。
あっという間に黒々とした土が出来上がった。
「後は水だな」
と言いながら小高い丘に登りそこから地中に穴を掘り始めた、すると水が湧き出始めた。
近くに溜池を作り、転落防止の柵を巡らすとファーストは、昔開拓村でしたように穴の空いた筒を埋めると、溜池に繋いだ。
「コレでよし。」
と一息ついたところで、小さな声を拾った。
「助けて・・誰か。助けて・・ファースト様。」
と聞こえた声に反応するように、ファーストは空に舞い上がりそこを目指した。
クリスティーナ王女
スラムの匂いに少しばかり困惑気味の王女は、それでも教会を目指していた。
するとゴタゴタした小屋の密集したところで不意に手を引かれた。
「あ!」
直ぐに自分の身が危ないと感じた王女は、その手に噛み付いた。
「あ痛ー。」
男の声がして手が緩んだ、王女は直ぐに逃げ始めた。
しかし方向見通しもわからぬこのスラムで、逃げるのは至難の技だった。
すると子供の声が聞こえた
「こっちよ。」
と。
なぜかその声に光を感じて、声のする方に進むと小綺麗な服をきた少女が二人。
「こっちよ、早く。」
と言う言葉に女王は頷くと後をついていったのだが、その行手に別の男が
「まちな、王女様もう逃げられませんよ。」
と嫌らしい顔で笑った。
「助けて・・誰か。助けて・・ファースト様。」
女王は思わず、口にしていた。
男がさらに現れ、少女ら3人の運命は風前の灯。
と言うところで、空から男の子が舞い降りた。
「「あ!ファースト様。」」
少女二人が声を揃えて呼ぶ、彼があのファースト様。
王女はその少年をじっと見ていた、黒髪に黒の瞳それ以外は私たちと違いはない。
すると男らがガタガタと震え出した。
「お前らその子を連れて教会に戻ってろ、ここから先は18禁だ。」
と言うと、少女らは頷き王女の手を引いて教会に向かった。
「お前たち、教会のお膝元で何してるんだ。」
と凄むファーストに恐怖で動けない3人はそのまま息絶えてしまった。
その後ファーストは、他の仲間を見つけると黒幕を探った。
その頃ツータン男爵は、兵士に向かい
「第三王女様が拐われた。犯人はスラムにいる犯罪者どもだ。スラムの者たちを一人残らず捕まえて、スラムを取り壊せ。」
と言うと兵を向かわせた。
その様子を確認したファーストは、スラムに戻ると入り口で兵を待った。
2000人の兵がスラムの入り口で、立ち尽くしていた。
その前には10人ほどの男が転がされ、中には死んでいるものもいた。
「こいつらが犯人だ、スラムの住人ではない。こいつらを連れて戻れ、王女は俺が責任を持って連れてゆく。」
と兵士に命じていた。
一人の兵士が前に出て、
「お前の言うことを信じろと言うのか。そこを退け、王女は我らが救う。」
と言いながらファーストに剣を向けた。
しかしそれ以上兵士は動くことができなかった。
「くっ。コレほどの威圧。」
膝を落とす兵士に
「我はファースト。俺の声が聞けぬならば俺を倒してみよ。お前らは利用されているだけだ、それを考えて行動せよ。」
と大声で言った。
「ファースト!まさかこの子が・・」
威圧から解放された兵士はファーストを睨むと
「本当に王女を無事に戻すにであろうな。」
と確認した、それに対し
「お前たちをここに向かわせたものを疑え、まだ拐われてもいない王女が攫われたと言う事を言った者こそ、コレを計画した者であろう。」
と言うとファーストはスラムに消えた。
教会にて。
少女らに助けられた王女は、見事に作り替えられた教会にいた。
「コレが古びた教会ですか?城の教会より見事です。」
と言う王女に、シスターが
「コレはファースト様がお造りになられた神の家です。」
と説明した。
「神の家」と言う言葉に何か特別な思いを感じた王女。
そこにファーストが戻って来た。
「先程は危ないところ助けていただき、ありがとうございます。私は・・。」
名前を言おうとしたところで、ファーストに止められた。
「どこに用があったんだ?送っていこう。」
と言うのに
「お待ちください。私はファースト様にお会いしたくてここに来ました。」
と言う王女に
「それを利用されたか、お前の考えなしの行動にどれだけここの者が、危険に晒されたか分かっておらんだろう。お前はスラムに住むものを排除する餌にされたのだ。」
と言うファーストの言葉に王女は青ざめた。
「どうすれば私は償えるのでしょうか?亡くなった方はいらっしゃるのですか?」
と狼狽えていたが、ファーストは
「もう済んだことだ、誰も怪我をしておらぬ。ただこれからはわからぬ、ここを自分のものにしようと考える者がいるようだ。今日は送ってゆくので、これからは自分の行動に責任を持つように。」
と言った、すると教会の子らが
「ファースト様、この子をこれ以上責めないで、この子も怖い思いをしたのよ。温かいお風呂と美味しいご飯を食べてから送っていってください。」
とお願いの眼差しでファーストを見て言った。
「・・まあ良かろう。」
と答えると、少女二人は王女を連れてお風呂に向かった。
王城にて。
「何!王女が攫われたと、本当か。」
警護の者がスラムで王女を見失った、その際男達が捜索の妨害をしたと報告していた。
そこにスラムから戻った兵士の隊長が
「王女が攫われたとの急報を聞き、スラムに向かいましたがファーストと名乗る少年が、犯人だと言う男ら10人を引き渡し、王女は責任を持って送り届けると言うので、戻って来ました。」
と報告した。
報告を受けた宰相は、時間的な矛盾に気付いた。
「その方が我以外に王女が攫われたと誰かに申したか?」
「いえ、直ぐにここに来ましたので、誰にも。」
と答えると警護騎士の言葉に
「ファーストなる者が言うには、誰よりも早く攫われてもいない王女のことを話した者が黒幕だと、申しておりました。」
その言葉に宰相は
「誰がその方に伝えた?」
「はい、ツータン男爵殿です。」
「そうか分かった。下がれ。」
と二人をさがらせた宰相は、別の者に何事か言いつけて国王へ話に向かった。
教会にて。
お風呂でこの世の幸せを味わった王女。
いくら王族でもこの王国では、これほどタップリのお湯を使えることはなかった。
「とても気持ちいいわ。ここでは毎日お風呂に入るの?」
と言う問いに少女らは
「そうだよ。でないとファースト様が怒るの、「ご飯食べさせないぞ。」て言うの。」
と言いながら色々なことを話して、すっかり仲良くなった3人。
お風呂から出た王女はみんなと夕食を食べた。
「ここの料理はどなたが御造りになったの?」
と驚いたように尋ねる王女
「食材や調味料は、ファースト様がくださるの。料理は最初にファースト様が作ってくださって、その後は教えてくださるの。」
とシスターが答えた。
「そうなの、とても美味しいわ。」
と素直な感想を言った。
その事を聞いていたファーストは、
「この国がここみたいになればいいと、お前は思うか?」
と聞いた。
「ええそう思うわ、そのために私はあなたに会いに来たのだから。」
と答えた。
「分かった、今日はこれから送り届けるが、3日後に迎えに行くから計画があれば教えてくれ。」
と言うと王女に教会の者と挨拶をさせてから外に出た。
「空から帰るぞ。」
と言うとファーストは、王女を抱き上げて空に舞い上がった。
「わあー。王都を空から見るとこうなんだ。周りの砂漠は・・・緑がないわね。」
と途中から声が小さくなっていった。
王城の上に着くとファーストは、テラスに王女を下ろすと音もなく空の消えていった。
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