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新しき仲間たち
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ーー 新しき同居人達。
それから数日後、家の諸々をしてもらう家政婦さん的な人員の面接が行われた。
応募者は20名、
・家宰が3人
・メイドが5人
・調理人5人
・御者3人
・庭師2人
・家庭教師1人
・侍女1人
がその内訳である。
『家庭教師て僕が幼いからなのかな?』
と思いつつ商業ギルドの会議室に向かう。
職員が職別に面接を始める。僕が見るのは、偏見のないものが1番だ。
家宰候補が入ってきた、いずれも一流の雰囲気がある。
まずは自己アピールをして貰い、その後いくつかの質問をした。
当然僕が雇い主とわかると、侮るような感情が瞳に映る。
そうやって面談を繰り返し、結局
・家宰1名(セバス50歳)
・メイド1名(セリカ16歳)
・調理人1名(メイリン?歳)
・御者兼庭師1名(ガゼフ28歳)
・家庭教師1名(マリーシャ35歳)
・侍女1名(アイゼンファウワー?)
の6人を雇った。
その理由は、将来の目的にあった。
僕は冒険者で大成した後、貴族になろうと考えたのだ。
冒険者も、Sランクまで上り詰めると、その貢献度で爵位を得ることが多いと聞いたからだ。
その為には、それなりの教養と立ち居振る舞いが必要だと思ったからだ。
この内料理人、侍女と家庭教師以外は住み込むことになった。
「初めまして、僕が家主のカイ、Bランクの冒険者です。家の中の事をお願いします。今は僕1人ですが、パーティーメンバーを探しているのでその時は同じくよろしくお願いします。」
と言うと、それぞれが笑顔で応じ挨拶をしてくれた。
ーー パーティーメンバー探し。
暫く自宅で、教養や立ち振る舞いを教えて貰いながらパーティーメンバーを探し始めた。
ギルドのお姉さんに、希望に合うメンバー募集を依頼し待つことにした。
慌てることはなかったので、ゆっくりと探すつもりだったが直ぐに希望者らが現れた。
ギルドに行き会議室で待つと、お姉さんが連れてきた。
1人は以前森に行ったセリーナだ。
もう1人は同じくらいの年恰好の黒いローブを着た少女。名をカザミと名乗った。
「久しぶり、カイ。友達のカザミと一緒に応募したの宜しく。」
とセリーナが言えば。
「初めまして。私はセリーナのクラスメイトのカザミと言います。魔法使いです。」
と人見知りしそうな感じで挨拶をしてくれた。
「こちらこそ宜しくお願いします。僕はBランクのカイです。剣と魔法を使います。」
と挨拶を返した。
その後、期間を聞いたら。
「学園も卒業間近で、出る必要がないから暫くお願いしていいかな。」
とセリーナが言う。
「こちらは良いけど、どこに住んでるの?連絡はどうするの?」
と聞くと
「あら、貴方がパーティー用の家を持っていると聞いたけど・・違った?」
と聞き返すので
「確かに有るけど・・それで良いの?」
とさらに聞き返すと、カザミが
「お願いします。私ここと違うところの出身だから、宿だとお金がかかるので・・。」
と、申し訳ないように言うのを
「大丈夫だよ。広い家に僕と使用人さん達しか居ないから。」
と答えると。
「ほら言う通りでしょ。」
とセリーナが言う。
◇
次の日。
2人を家に迎え入れると。
「予想以上に大きな家ね。」
とセリーナが言うと。
「ええ!ここがカイさんの家ですか?ここに一人で。」
と驚くカザミ。
「話は後から。さあ、中に入って。自分の家を決めてもらえると、助かるから。」
と言いながら、セバス、セリカとアイゼンファウワーに引き合わせてから部屋を決めた。
すでに各部屋には、最低限の家具を入れて準備していたので、特に不足するものはなかった。
「ここのお風呂すごすぎだわ!」
セリーナが興奮して、薄着で僕に話しかけたので注意しようと思ったとこで。
アイゼンファウワーさんが
「ミス セリーナ。淑女とは思えぬ振る舞い、教育し直しましょう。」
と言うと慌てて自室に帰っていった。
どうもアイゼンファウワーさんは、セリーナを見知っている様子だ。
準備を終えて2日後から冒険者の仕事を始めた。
先ずはギルドで、パーティー申請だ。
「ねえ。パーティー名は決まっているの?」
セリーナが聞く
「まだ決めてないんだ。」
と答える僕にセリーナが
「それなら一緒に考えようよ。」
と提案してきた。
「それも良いかもね。」
当時ながら、目的の馬車に乗り込み森に向かった。
30分ほどで、森についた僕ら。
「今日はカザミさんの実力が知りたいので、カザミさん主体で行くよ。」
と言いながら意思統一を図る。
カザミは、そこそこ魔法が使えたが。攻撃魔法の一撃の威力が弱く、回数を必要としたのでスタミナがもたないようだった。
「カザミさんの問題は、威力を上げる必要があることだね。」
と言うと大きく頷いて
「そうなの。カイさんが魔法も得意と聞いていたので、威力を上げる方法があれば教えて。」
と言われた。
その日の午後には、家に帰り。カザミさんに化学の原理を?『何のことだ?』教えたのだった。
「火というのは、・・それで、色でその温度が・・だから威力を上げるには・・なんだよ。」
と説明すると、ポカンとした顔の後
「カイさんは、学園にも通ってないよね。どうしてそんな難しいことがわかるの?」
と聞かれたが。この記憶については説明できないことなので、笑って誤魔化した。
それから数日後、雷や氷に風の現象を教えながら魔法の練習を繰り返すと。
段違いに威力が変わってきた。
「ありがとう。物凄く威力が上がったわ、これなら今までの3~4倍は魔法を使えそう。」
と喜んでくれた。
ーー セリーナ・カザミ side
私は、アルカトラズ辺境伯の三女セリーナ。冒険者になりたくて、お父様に無理を言って冒険者活動を始めたの。
当然一人じゃ無理だから、学園で仲の良かったカザミを誘ったら。
あの子も冒険者か魔道士を目指していて、ちょうど良いと話に乗ってきた。
当然二人じゃダメだから、今度も従姉妹ののセシル姉さんにお願いしたら。
「1番良いのはカイ君だわね。頼んでみるから明日10時のここに来て。」
と言われ、二人でカイさんに挨拶をした。
彼は私たちより、年下なのに落ち着いていておじさまのような感じのする不思議な男の子。
しかも物凄い実力者なの。
最近家も購入したと聞いて、そこに住めばちょうど良いわとセシルお姉さん。
まさかと思ったけど、本当にお屋敷を購入していたわ。
私は学園でセリーナと学友のカザミ。
学園の卒業を間近にして、その後の将来に不安を感じていたの。
家は貧乏男爵家で私は三女。このままではどこに嫁げと言われるかわからない。
そんな時にセリーナから冒険者に誘われた。
そして今日パーティーを組む予定の男の子を紹介されたら、私より年下。
どうして、大丈夫と思っていたら。この子見た目と大違いで、凄腕の冒険者だったの。
住む場所もできればお金がかからないほうがいいと思っていたけど、その子の屋敷に居候することになって。
男の子の家で大丈夫かな?と思ったらうちの家よりずっと大きかったわ。
魔法も私の悩みを数日で解決してくれて。本当見た目がなければ、理想の男の子よ。
ーー 大森林への遠征。
本格的な冒険者活動の一つとして、レベル上げと改編のスキル向上目的の魔物狩りに向かうことにした。
当然大森林へだ。
僕ら用に馬車を一台購入した。御者のガゼフを同行し、以前立ち寄った開拓村に向かう。
今回は大歓迎で迎えられた。
馬車とガゼフをそこの残し、3人で森に入る。
「いきなりこの森で大丈夫なの?」
セリーナが心配とばかり呟く。
「大丈夫だよ。前回一人で7日ほど通って、大金を稼いだんだよ。」
という言葉に、カザミが食い付いてきた。
「大金て?」
「屋敷を余裕で買えるほど。」
との答えを聞いて、驚いた二人。
「ここから先は、結構強い魔物だから僕の指示に従ってね。」
と注意しながら進む。
1時間ほどで、オークの集落を見つけた。
「また集落を作ってる。なんて再生が早いんだ。」
と驚く僕にカザミが
「3人でオークの集落を襲うの?」
と心配顔。
「大丈夫だよ。前回同じ位で僕一人だったんだから。今度は力強い二人がいるじゃない。」
と答えると二人とも笑顔になり、緊張がほぐれた。
「最初に僕とカザミさんの殲滅魔法を叩きつけてから、僕とセリーナでトドメを刺して回る。」
と簡単な方針を決め、近づく、見つけた。
今回は100匹ほどいるようだ、どこから来るんだろう?
呼吸を合わせて、魔法を発動。
「暴風」「星崩し」
殲滅級の魔法がオークの集落を襲う。
魔法が消えほとんど立っているものがいない集落に、僕とセリーナが降り立つ。
「あそこにいるね。大きいのは僕に任せて。」
とオークナイトをセリーナに当てがった。
僕の相手はオークエンペラーだ。
大剣を振り回しながら、突っ込んできた。
正面からその大剣をを受ける、地面にめり込むも受け切る僕に驚愕のオーク。
お返しとばかり、僕から斬りかかる。
余裕で受け切ろうとしたエンペラーの左肩から右胸に向けショートソードが振り抜ける。
受け切った思いのエンペラーの身体がズレて落ち出して驚愕の顔に変わる。
エンペラーは、中程で切られた大剣を信じられない思いで見つめたまま息絶えた。
ちょうどその頃、オークナイトを切り伏せるセリーナ。
全てのオークが倒された。
◇
その後は、ダイアウルフの群れを殲滅したり。ワイバーンの巣に飛び込んだりして、十分にレベルを上げた。
やり切った感じを漂わせて森を後にしようとした僕らにそいつは挑んできた。
「大きな相手が出てきたよ。注意して。」
僕の注意に緊張を醸し出す二人に
「基本僕の後ろで、防御に専念してね。」
と言い置き、目の前に現れる相手を待つ。
「GAGAGGGGー。」
言葉にならぬ唸り声と共にアイツは現れたが、様子が少しおかしい。
「ん?」
徐に近づく僕に後ろの歩達は動けずにいたようだ。
アイツはそう真っ赤な身体の火竜しかも、古竜のようだ。
竜種には幾つかの種流が存在し、原始の竜から始まり。
・原始の竜~この世界の始まりから生きている竜
・古竜~原始の竜から生まれた7頭の竜
・属性竜~原始の竜から生まれた四属性の竜
・竜~それぞれの属性竜から産まれた竜で、進化すれば属性竜になる
という感じであるが、原始の竜から属性竜までは生まれ変わりをする。
そこで目の前の竜は属性竜より上位の古竜のようだが、生命力が弱い。
生まれ変わり直前のようだ。
するとその古竜が僕に目を向け
「小さき者よ。我の頼みを聞いてほしい。」
と言い続けて。
「我は間もなくこの古くなった身体を捨て生まれ変わる。そこでその後のことを頼みたい。」
と言う。
「僕のできることなら、話を聞こうそして手を貸そう。」
と答えると満足した顔で
「古き身体は好きにすれば良い、その代わり新しい我が独り立ちできるまで面倒を見て欲しい。」
と要求してきた。
しばらく考えていた僕は、古竜の目を見ながら
「その依頼受けよう。」
と答えると、古竜は光り輝きだし。
光が収まると、倒れ伏した古竜の前に卵が一つ現れていた。
「これが古竜の生まれ変わりか。」
と呟く僕にセリーナが恐る恐る
「今何が起こったの?その巨大な竜はどうなったの?」
と聞いてきた。
僕と古竜の会話は聞こえなかったかそうして話したのだろう。
「この卵が新たな古竜の生まれ変わりだそうだ。」
と教えてやると、二人とも目を見開いて卵を覗いた。
僕は大きな以前の古竜の身体を収納し、卵を小脇に担ぐと拠点へと歩き出した。
ーー 卵を孵化させる方法は。
卵を持ち帰り、孵化させる方法を考える。
「あの古竜、方法を言わずに卵になりやがったからな。」
と呟きながら、いろいろと試してみた。
温めてみたり、転がしてみたりそして魔力を纏わせた時に反応があった。
纏わせた魔力を吸い取ったのだ。
「こいつは魔力を欲しているのか。」
と言いながら僕は、魔力をただ卵に押し込み出した。
今の僕は古竜と同じかそれ以上の魔力量があるので、一晩かかって押し込むと入らなくなったのでそのままにして様子を見ることにした。
卵の様子を留守番役のガゼフに頼み、二人を連れて森に入る毎日。
10日ほどの訓練でかなりのレベルアップが図れたので、街に戻ることにした。
馬車で村を出発し、街に向かい出してそれは起こった。
「ん!卵にヒビが。」
異変に気づき、様子を見ていると次第にヒビが大きくなり。ついに穴が空いた。
「クウ~。」
間が抜けたような声がして、穴から幼竜の顔が出てきた。
「「わあー。可愛い。」」
二人が声を揃えて叫ぶ。
すぐに幼竜は念話で僕に
「魔力ありがたく頂戴した。普通なら2~3年かかるところを、僅かな日で孵る事が出来たのは予想以上のこと。この調子で魔力を貰えれば、1年ほどで成竜になれそうだ。」
と伝えてきた。
「後1年はこいつと一緒なんだな。」
と呟く僕に、二人が
「1年は古竜様と一緒なのね。」
と言うセリーナ。
それから数日後、家の諸々をしてもらう家政婦さん的な人員の面接が行われた。
応募者は20名、
・家宰が3人
・メイドが5人
・調理人5人
・御者3人
・庭師2人
・家庭教師1人
・侍女1人
がその内訳である。
『家庭教師て僕が幼いからなのかな?』
と思いつつ商業ギルドの会議室に向かう。
職員が職別に面接を始める。僕が見るのは、偏見のないものが1番だ。
家宰候補が入ってきた、いずれも一流の雰囲気がある。
まずは自己アピールをして貰い、その後いくつかの質問をした。
当然僕が雇い主とわかると、侮るような感情が瞳に映る。
そうやって面談を繰り返し、結局
・家宰1名(セバス50歳)
・メイド1名(セリカ16歳)
・調理人1名(メイリン?歳)
・御者兼庭師1名(ガゼフ28歳)
・家庭教師1名(マリーシャ35歳)
・侍女1名(アイゼンファウワー?)
の6人を雇った。
その理由は、将来の目的にあった。
僕は冒険者で大成した後、貴族になろうと考えたのだ。
冒険者も、Sランクまで上り詰めると、その貢献度で爵位を得ることが多いと聞いたからだ。
その為には、それなりの教養と立ち居振る舞いが必要だと思ったからだ。
この内料理人、侍女と家庭教師以外は住み込むことになった。
「初めまして、僕が家主のカイ、Bランクの冒険者です。家の中の事をお願いします。今は僕1人ですが、パーティーメンバーを探しているのでその時は同じくよろしくお願いします。」
と言うと、それぞれが笑顔で応じ挨拶をしてくれた。
ーー パーティーメンバー探し。
暫く自宅で、教養や立ち振る舞いを教えて貰いながらパーティーメンバーを探し始めた。
ギルドのお姉さんに、希望に合うメンバー募集を依頼し待つことにした。
慌てることはなかったので、ゆっくりと探すつもりだったが直ぐに希望者らが現れた。
ギルドに行き会議室で待つと、お姉さんが連れてきた。
1人は以前森に行ったセリーナだ。
もう1人は同じくらいの年恰好の黒いローブを着た少女。名をカザミと名乗った。
「久しぶり、カイ。友達のカザミと一緒に応募したの宜しく。」
とセリーナが言えば。
「初めまして。私はセリーナのクラスメイトのカザミと言います。魔法使いです。」
と人見知りしそうな感じで挨拶をしてくれた。
「こちらこそ宜しくお願いします。僕はBランクのカイです。剣と魔法を使います。」
と挨拶を返した。
その後、期間を聞いたら。
「学園も卒業間近で、出る必要がないから暫くお願いしていいかな。」
とセリーナが言う。
「こちらは良いけど、どこに住んでるの?連絡はどうするの?」
と聞くと
「あら、貴方がパーティー用の家を持っていると聞いたけど・・違った?」
と聞き返すので
「確かに有るけど・・それで良いの?」
とさらに聞き返すと、カザミが
「お願いします。私ここと違うところの出身だから、宿だとお金がかかるので・・。」
と、申し訳ないように言うのを
「大丈夫だよ。広い家に僕と使用人さん達しか居ないから。」
と答えると。
「ほら言う通りでしょ。」
とセリーナが言う。
◇
次の日。
2人を家に迎え入れると。
「予想以上に大きな家ね。」
とセリーナが言うと。
「ええ!ここがカイさんの家ですか?ここに一人で。」
と驚くカザミ。
「話は後から。さあ、中に入って。自分の家を決めてもらえると、助かるから。」
と言いながら、セバス、セリカとアイゼンファウワーに引き合わせてから部屋を決めた。
すでに各部屋には、最低限の家具を入れて準備していたので、特に不足するものはなかった。
「ここのお風呂すごすぎだわ!」
セリーナが興奮して、薄着で僕に話しかけたので注意しようと思ったとこで。
アイゼンファウワーさんが
「ミス セリーナ。淑女とは思えぬ振る舞い、教育し直しましょう。」
と言うと慌てて自室に帰っていった。
どうもアイゼンファウワーさんは、セリーナを見知っている様子だ。
準備を終えて2日後から冒険者の仕事を始めた。
先ずはギルドで、パーティー申請だ。
「ねえ。パーティー名は決まっているの?」
セリーナが聞く
「まだ決めてないんだ。」
と答える僕にセリーナが
「それなら一緒に考えようよ。」
と提案してきた。
「それも良いかもね。」
当時ながら、目的の馬車に乗り込み森に向かった。
30分ほどで、森についた僕ら。
「今日はカザミさんの実力が知りたいので、カザミさん主体で行くよ。」
と言いながら意思統一を図る。
カザミは、そこそこ魔法が使えたが。攻撃魔法の一撃の威力が弱く、回数を必要としたのでスタミナがもたないようだった。
「カザミさんの問題は、威力を上げる必要があることだね。」
と言うと大きく頷いて
「そうなの。カイさんが魔法も得意と聞いていたので、威力を上げる方法があれば教えて。」
と言われた。
その日の午後には、家に帰り。カザミさんに化学の原理を?『何のことだ?』教えたのだった。
「火というのは、・・それで、色でその温度が・・だから威力を上げるには・・なんだよ。」
と説明すると、ポカンとした顔の後
「カイさんは、学園にも通ってないよね。どうしてそんな難しいことがわかるの?」
と聞かれたが。この記憶については説明できないことなので、笑って誤魔化した。
それから数日後、雷や氷に風の現象を教えながら魔法の練習を繰り返すと。
段違いに威力が変わってきた。
「ありがとう。物凄く威力が上がったわ、これなら今までの3~4倍は魔法を使えそう。」
と喜んでくれた。
ーー セリーナ・カザミ side
私は、アルカトラズ辺境伯の三女セリーナ。冒険者になりたくて、お父様に無理を言って冒険者活動を始めたの。
当然一人じゃ無理だから、学園で仲の良かったカザミを誘ったら。
あの子も冒険者か魔道士を目指していて、ちょうど良いと話に乗ってきた。
当然二人じゃダメだから、今度も従姉妹ののセシル姉さんにお願いしたら。
「1番良いのはカイ君だわね。頼んでみるから明日10時のここに来て。」
と言われ、二人でカイさんに挨拶をした。
彼は私たちより、年下なのに落ち着いていておじさまのような感じのする不思議な男の子。
しかも物凄い実力者なの。
最近家も購入したと聞いて、そこに住めばちょうど良いわとセシルお姉さん。
まさかと思ったけど、本当にお屋敷を購入していたわ。
私は学園でセリーナと学友のカザミ。
学園の卒業を間近にして、その後の将来に不安を感じていたの。
家は貧乏男爵家で私は三女。このままではどこに嫁げと言われるかわからない。
そんな時にセリーナから冒険者に誘われた。
そして今日パーティーを組む予定の男の子を紹介されたら、私より年下。
どうして、大丈夫と思っていたら。この子見た目と大違いで、凄腕の冒険者だったの。
住む場所もできればお金がかからないほうがいいと思っていたけど、その子の屋敷に居候することになって。
男の子の家で大丈夫かな?と思ったらうちの家よりずっと大きかったわ。
魔法も私の悩みを数日で解決してくれて。本当見た目がなければ、理想の男の子よ。
ーー 大森林への遠征。
本格的な冒険者活動の一つとして、レベル上げと改編のスキル向上目的の魔物狩りに向かうことにした。
当然大森林へだ。
僕ら用に馬車を一台購入した。御者のガゼフを同行し、以前立ち寄った開拓村に向かう。
今回は大歓迎で迎えられた。
馬車とガゼフをそこの残し、3人で森に入る。
「いきなりこの森で大丈夫なの?」
セリーナが心配とばかり呟く。
「大丈夫だよ。前回一人で7日ほど通って、大金を稼いだんだよ。」
という言葉に、カザミが食い付いてきた。
「大金て?」
「屋敷を余裕で買えるほど。」
との答えを聞いて、驚いた二人。
「ここから先は、結構強い魔物だから僕の指示に従ってね。」
と注意しながら進む。
1時間ほどで、オークの集落を見つけた。
「また集落を作ってる。なんて再生が早いんだ。」
と驚く僕にカザミが
「3人でオークの集落を襲うの?」
と心配顔。
「大丈夫だよ。前回同じ位で僕一人だったんだから。今度は力強い二人がいるじゃない。」
と答えると二人とも笑顔になり、緊張がほぐれた。
「最初に僕とカザミさんの殲滅魔法を叩きつけてから、僕とセリーナでトドメを刺して回る。」
と簡単な方針を決め、近づく、見つけた。
今回は100匹ほどいるようだ、どこから来るんだろう?
呼吸を合わせて、魔法を発動。
「暴風」「星崩し」
殲滅級の魔法がオークの集落を襲う。
魔法が消えほとんど立っているものがいない集落に、僕とセリーナが降り立つ。
「あそこにいるね。大きいのは僕に任せて。」
とオークナイトをセリーナに当てがった。
僕の相手はオークエンペラーだ。
大剣を振り回しながら、突っ込んできた。
正面からその大剣をを受ける、地面にめり込むも受け切る僕に驚愕のオーク。
お返しとばかり、僕から斬りかかる。
余裕で受け切ろうとしたエンペラーの左肩から右胸に向けショートソードが振り抜ける。
受け切った思いのエンペラーの身体がズレて落ち出して驚愕の顔に変わる。
エンペラーは、中程で切られた大剣を信じられない思いで見つめたまま息絶えた。
ちょうどその頃、オークナイトを切り伏せるセリーナ。
全てのオークが倒された。
◇
その後は、ダイアウルフの群れを殲滅したり。ワイバーンの巣に飛び込んだりして、十分にレベルを上げた。
やり切った感じを漂わせて森を後にしようとした僕らにそいつは挑んできた。
「大きな相手が出てきたよ。注意して。」
僕の注意に緊張を醸し出す二人に
「基本僕の後ろで、防御に専念してね。」
と言い置き、目の前に現れる相手を待つ。
「GAGAGGGGー。」
言葉にならぬ唸り声と共にアイツは現れたが、様子が少しおかしい。
「ん?」
徐に近づく僕に後ろの歩達は動けずにいたようだ。
アイツはそう真っ赤な身体の火竜しかも、古竜のようだ。
竜種には幾つかの種流が存在し、原始の竜から始まり。
・原始の竜~この世界の始まりから生きている竜
・古竜~原始の竜から生まれた7頭の竜
・属性竜~原始の竜から生まれた四属性の竜
・竜~それぞれの属性竜から産まれた竜で、進化すれば属性竜になる
という感じであるが、原始の竜から属性竜までは生まれ変わりをする。
そこで目の前の竜は属性竜より上位の古竜のようだが、生命力が弱い。
生まれ変わり直前のようだ。
するとその古竜が僕に目を向け
「小さき者よ。我の頼みを聞いてほしい。」
と言い続けて。
「我は間もなくこの古くなった身体を捨て生まれ変わる。そこでその後のことを頼みたい。」
と言う。
「僕のできることなら、話を聞こうそして手を貸そう。」
と答えると満足した顔で
「古き身体は好きにすれば良い、その代わり新しい我が独り立ちできるまで面倒を見て欲しい。」
と要求してきた。
しばらく考えていた僕は、古竜の目を見ながら
「その依頼受けよう。」
と答えると、古竜は光り輝きだし。
光が収まると、倒れ伏した古竜の前に卵が一つ現れていた。
「これが古竜の生まれ変わりか。」
と呟く僕にセリーナが恐る恐る
「今何が起こったの?その巨大な竜はどうなったの?」
と聞いてきた。
僕と古竜の会話は聞こえなかったかそうして話したのだろう。
「この卵が新たな古竜の生まれ変わりだそうだ。」
と教えてやると、二人とも目を見開いて卵を覗いた。
僕は大きな以前の古竜の身体を収納し、卵を小脇に担ぐと拠点へと歩き出した。
ーー 卵を孵化させる方法は。
卵を持ち帰り、孵化させる方法を考える。
「あの古竜、方法を言わずに卵になりやがったからな。」
と呟きながら、いろいろと試してみた。
温めてみたり、転がしてみたりそして魔力を纏わせた時に反応があった。
纏わせた魔力を吸い取ったのだ。
「こいつは魔力を欲しているのか。」
と言いながら僕は、魔力をただ卵に押し込み出した。
今の僕は古竜と同じかそれ以上の魔力量があるので、一晩かかって押し込むと入らなくなったのでそのままにして様子を見ることにした。
卵の様子を留守番役のガゼフに頼み、二人を連れて森に入る毎日。
10日ほどの訓練でかなりのレベルアップが図れたので、街に戻ることにした。
馬車で村を出発し、街に向かい出してそれは起こった。
「ん!卵にヒビが。」
異変に気づき、様子を見ていると次第にヒビが大きくなり。ついに穴が空いた。
「クウ~。」
間が抜けたような声がして、穴から幼竜の顔が出てきた。
「「わあー。可愛い。」」
二人が声を揃えて叫ぶ。
すぐに幼竜は念話で僕に
「魔力ありがたく頂戴した。普通なら2~3年かかるところを、僅かな日で孵る事が出来たのは予想以上のこと。この調子で魔力を貰えれば、1年ほどで成竜になれそうだ。」
と伝えてきた。
「後1年はこいつと一緒なんだな。」
と呟く僕に、二人が
「1年は古竜様と一緒なのね。」
と言うセリーナ。
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残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
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昔なろうで投稿していたものになります。
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