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スタンピード
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ーー スタンピード再び
「スタンピードが発生している。」
その報告を受けたのはそれから2週間ほどしてのことだった。
魔の森は広大でそれに隣接する王国は大小10カ国以上あり、一度スタンピードが起これば連鎖的に発生することも珍しくない。
今回はそんな状況のようだ。
ギルマスの報告で既に二つの王国でスタンピードが発生し、甚大な被害が起こっているという。
さらに調査をしていた女神の五指の報告でも、
「我が王国方面にも魔物の大移動が確認出来ました、近いうちにスタンピードが発生すると思われます。」
というものだった。
「如何いたしましょうか?お力添えをいただければ幸いですが。」
というギルマスに
「協力するのは当然ですが私にいい方法があります。任せてください。」
と答えてタロウと女神の五指が率いる冒険者8パーティーを招集し、作戦会議を開いた。
「そんなことが可能でしょうか?いやセシル様が言われるのですから疑う方が間違っておりました。全力で当たらせていただきます。」
なんかみんなの答えが仰々しいのよね。
私の作戦は簡単、森の出口に沿って大きく深い穴を掘り、そこに湧き出る魔物を落とし込んで殲滅すること。
それだけの大穴を掘ることができるかが問題だけど、今の私の魔力量なら問題ないみたい。
空を飛ぶ魔物は以前と同じように地面に叩き落としてからとどめを刺すのよ。
皆んなには魔物が狙った場所に出てくるように誘導してもらうのが仕事。
早速計画に取り掛かった。
スーザン王国側の長さ10kmに渡る長大な穴を私はせっせと作り始めた。
残土は全て収納し何かの役に立てようかなと。
10日ほどで穴が完成、ぼちぼちと森から溢れ出た魔物が穴に転げ落ち始めた。
森の中では、指示通り冒険者達が穴の方に魔物を誘導する、かなり幅がある穴なので誘導は簡単だ。
サイドから攻撃魔法で方向を調整するだけ、簡単な大仕事です。
第一波が森から飛び出して来た。
その数3000、足の速い森の外側に生息する魔物が中心だ。
次々に穴に転げ落ちて絶命していく。
2日後第二波が来た、森の外周と中部あたりの魔物が中心で数は5000だ。
空からの飛行魔物もその頃やって来始めた。
「空の魔物を撃ち落とすよ。」
配置についた冒険者に声をかけて広範囲な重力魔法で地面に叩きつける、大概の魔物はそれだけで絶命したようだ。
生き残りを冒険者が穴の上から攻撃する。
最後の第三波は数こそ1000ほどだが大型の魔物が主だ、地竜なんかもいる。
穴に落ちても平気で進んでこようとする。
ここで私は結界魔法師に1km間隔で穴を仕切ってもらう。
「酸素吸収」
と唱えるとそれぞれの結界の中の酸素を除去していく。
暫くすると呼吸が出来なくなった魔物が次々に倒れて絶命していく。
その姿を見た冒険者らは
「恐ろしい魔法だ、あんな凶暴な魔物が何も出来ずに死に絶えていく。」
と私の魔法を恐れていた。
およそ20日間のスタンピード対策は大成功のうちに終了した、貴重な魔物の素材を回収するためにその後1月ほど冒険者ギルドは死ぬほどの忙しさだったようだ。
ー 国王からの感謝
スタンピード対策が成功に終わって直ぐに王国から死者が来た。
「セシル子爵直ちに王都に来られたし。」
という内容だった。
ちょうど里帰りしていたスイフト嬢を伴い王都に向かう私とタロウ。
王都に着くなり往生への参上命令が来た。
「お久しぶりです陛下、御壮健のご様子安心しました。」
と挨拶をする私に国王は
「其方の働きでまたしても我がスーザン王国は魔物の脅威から守ることができた。その方の働きに報いたいが何か望みはないか?」
と金も名誉も欲しがらない私に苦慮した結果、本人に聞こうではないかということだった。
「私には望みはありませんが、それがお困りならば王国中の改良の許可をいただければさらに住みやすい王国なるかと」
「何、子爵の望みは我がスーザン王国の発展だというのか。」
「はいその通りでございます。どうか王の許可を。」
と言うとそんなが褒美なのかと言う顔で認可が降りたのだった。
ーー 王国を改良して回るぞ、黄門様もいいよね。
王の許可を取り付けた私は、王国内移動自由の特権を得た。これは他の貴族からすると恐ろしいことだ、自分に領地内を勝手に探られるのだから。
そこで私は一つの提案を行った
「領地内の街道を整備し必要とあれば街づくりにも協力しましょう。」
と言うものだった、この世界で街道を整備することは非常にお金がかかることで、領主はいつも頭を抱えていたのだそして街づくり、我が子爵領にpとビブラン侯爵領を見れば衛生的で美しい街は理想なのだがそれを実現することが街道を整備するより難しい問題なのだ。
それらをほぼただ同然で協力すると言われれば、あとは信じるか如何かの問題だ。
始めは親交のある貴族領から始めた改革は、一領地役3ヶ月で終了していった。
1年で4領地、ここまで来るとその効果に
「我が領地もお願いする。」
と言う領主が現れ始めた。
しかしそれでも頑なに拒否する領地もあるもので、三分の一の領地が拒否したままだった。
私が無理強いすることもなく、それ以外の領地の改革に力を入れたのだった。
計画が一応終了したのは、4年後のことだった。
「スタンピードが発生している。」
その報告を受けたのはそれから2週間ほどしてのことだった。
魔の森は広大でそれに隣接する王国は大小10カ国以上あり、一度スタンピードが起これば連鎖的に発生することも珍しくない。
今回はそんな状況のようだ。
ギルマスの報告で既に二つの王国でスタンピードが発生し、甚大な被害が起こっているという。
さらに調査をしていた女神の五指の報告でも、
「我が王国方面にも魔物の大移動が確認出来ました、近いうちにスタンピードが発生すると思われます。」
というものだった。
「如何いたしましょうか?お力添えをいただければ幸いですが。」
というギルマスに
「協力するのは当然ですが私にいい方法があります。任せてください。」
と答えてタロウと女神の五指が率いる冒険者8パーティーを招集し、作戦会議を開いた。
「そんなことが可能でしょうか?いやセシル様が言われるのですから疑う方が間違っておりました。全力で当たらせていただきます。」
なんかみんなの答えが仰々しいのよね。
私の作戦は簡単、森の出口に沿って大きく深い穴を掘り、そこに湧き出る魔物を落とし込んで殲滅すること。
それだけの大穴を掘ることができるかが問題だけど、今の私の魔力量なら問題ないみたい。
空を飛ぶ魔物は以前と同じように地面に叩き落としてからとどめを刺すのよ。
皆んなには魔物が狙った場所に出てくるように誘導してもらうのが仕事。
早速計画に取り掛かった。
スーザン王国側の長さ10kmに渡る長大な穴を私はせっせと作り始めた。
残土は全て収納し何かの役に立てようかなと。
10日ほどで穴が完成、ぼちぼちと森から溢れ出た魔物が穴に転げ落ち始めた。
森の中では、指示通り冒険者達が穴の方に魔物を誘導する、かなり幅がある穴なので誘導は簡単だ。
サイドから攻撃魔法で方向を調整するだけ、簡単な大仕事です。
第一波が森から飛び出して来た。
その数3000、足の速い森の外側に生息する魔物が中心だ。
次々に穴に転げ落ちて絶命していく。
2日後第二波が来た、森の外周と中部あたりの魔物が中心で数は5000だ。
空からの飛行魔物もその頃やって来始めた。
「空の魔物を撃ち落とすよ。」
配置についた冒険者に声をかけて広範囲な重力魔法で地面に叩きつける、大概の魔物はそれだけで絶命したようだ。
生き残りを冒険者が穴の上から攻撃する。
最後の第三波は数こそ1000ほどだが大型の魔物が主だ、地竜なんかもいる。
穴に落ちても平気で進んでこようとする。
ここで私は結界魔法師に1km間隔で穴を仕切ってもらう。
「酸素吸収」
と唱えるとそれぞれの結界の中の酸素を除去していく。
暫くすると呼吸が出来なくなった魔物が次々に倒れて絶命していく。
その姿を見た冒険者らは
「恐ろしい魔法だ、あんな凶暴な魔物が何も出来ずに死に絶えていく。」
と私の魔法を恐れていた。
およそ20日間のスタンピード対策は大成功のうちに終了した、貴重な魔物の素材を回収するためにその後1月ほど冒険者ギルドは死ぬほどの忙しさだったようだ。
ー 国王からの感謝
スタンピード対策が成功に終わって直ぐに王国から死者が来た。
「セシル子爵直ちに王都に来られたし。」
という内容だった。
ちょうど里帰りしていたスイフト嬢を伴い王都に向かう私とタロウ。
王都に着くなり往生への参上命令が来た。
「お久しぶりです陛下、御壮健のご様子安心しました。」
と挨拶をする私に国王は
「其方の働きでまたしても我がスーザン王国は魔物の脅威から守ることができた。その方の働きに報いたいが何か望みはないか?」
と金も名誉も欲しがらない私に苦慮した結果、本人に聞こうではないかということだった。
「私には望みはありませんが、それがお困りならば王国中の改良の許可をいただければさらに住みやすい王国なるかと」
「何、子爵の望みは我がスーザン王国の発展だというのか。」
「はいその通りでございます。どうか王の許可を。」
と言うとそんなが褒美なのかと言う顔で認可が降りたのだった。
ーー 王国を改良して回るぞ、黄門様もいいよね。
王の許可を取り付けた私は、王国内移動自由の特権を得た。これは他の貴族からすると恐ろしいことだ、自分に領地内を勝手に探られるのだから。
そこで私は一つの提案を行った
「領地内の街道を整備し必要とあれば街づくりにも協力しましょう。」
と言うものだった、この世界で街道を整備することは非常にお金がかかることで、領主はいつも頭を抱えていたのだそして街づくり、我が子爵領にpとビブラン侯爵領を見れば衛生的で美しい街は理想なのだがそれを実現することが街道を整備するより難しい問題なのだ。
それらをほぼただ同然で協力すると言われれば、あとは信じるか如何かの問題だ。
始めは親交のある貴族領から始めた改革は、一領地役3ヶ月で終了していった。
1年で4領地、ここまで来るとその効果に
「我が領地もお願いする。」
と言う領主が現れ始めた。
しかしそれでも頑なに拒否する領地もあるもので、三分の一の領地が拒否したままだった。
私が無理強いすることもなく、それ以外の領地の改革に力を入れたのだった。
計画が一応終了したのは、4年後のことだった。
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