おいお前、人生を投げてるのか!〜いつの間にか第二の人生を歩み始めた男の半生。

モンド

文字の大きさ
4 / 12
第一章

一つの使命達成とその褒美

しおりを挟む
薄れゆく意識の中で僕は懐かしい風景を見た気がした。
周囲を真っ白い空間で覆われた世界。
確か神界の一角だったはず、女神が僕を呼んだのかな?

「そうです。私が呼びました、今回は使命を与える前に貴方が自発的に参加したので何もせずに見ていました。とても良い結果でしたと言うか良過ぎたほどです。」
良過ぎた?何か悪かったのだろうか。
人が死んだり街が破壊されるべき事案だったのか?

「いいえ、その可能性は十分ありましたが貴方に力が予想以上に強くなっていました。
私としても嬉しい誤算です、よって褒美を与えます。後で確認してくださいね。」
と言う声と共に僕の意識はまた深い闇に沈んだ。


リカード伯爵家 アルの寝室 

目を覚ますと僕の周りに家族が並んでいた。
「えっ!どうしたの皆んな?」
思わずそう声に出した。
すると
「無理しすぎよ、本当に心配したんだから。」
姉のリスが言う。
「本当ですよ、私も貴方の兄やお父様だって皆、貴方を心配していました。でもこれは貴方の使命だったのでしょう?」
その言葉に僕は家族が僕の生い立ちを何故か知っている気がした。
「使命、どうしてそれを?」
と思わず声に出すと母上様が
「貴方を産む際に女神から神託を受けていたのです。でも貴方が言わない以上は誰もそれを口にしないと決めていたのですよ。」
「・・・ありがとうございます。」
僕は愛されていたのだと思った。

その後僕は家族に神との約束について話をした、ただし前世の話を抜いて。


話の後僕はもう一度眠った。
目を覚ました僕は、女神の言った褒美が気になりステータスを確認した。
すると
[時空魔法]、[空間魔法]
と言う文言が増えていた、鑑定全で確認すると、空間転移の魔法と次元収納を付与するスキルができると表示されていた。
「瞬間移動とアイテムバック制作が出来るんだ。」
思わずニヤける僕。
この世界の魔法には転移魔法は存在しないと書かれており、収納も個人の収納魔法のみであとは重量軽減の重力魔法(制限あり)のみだと書かれてあった。

魔道具作りも興味のある僕は、ぜひアイテムバッグを作ってみたい。
アイテムバックをイメージして鑑定全を発動すると必要な素材が表示される。
 ・アイテムバッグ(収納のみ)~ドラゴンの皮、ワイバーン以上の魔石
 ・アイテムバッグ(時間停止)~ドラゴンの皮、ワイバーン以上の魔石、ドラゴンの爪
これを見て僕は慌てた、ドラゴンにワイバーンは倒したではないかその皮や魔石などはどうしたのか?

焦った僕はベッドを飛び出して父上の執務室に駆け込む。
「どうした?焦ってノックもせずにこの部屋に来るとはお前らしくもない。」
父上は笑顔でそう尋ねてきた。
「あのー・・・僕が倒した魔物の素材で欲しいものがあったのですが・・貰えたりしますかね?」
「ああ魔物の素材か、本当であれば伯爵家と王国で折半するのだが、今回は我が伯爵領のみでスタンピードを防いだので、全て我が伯爵家が貰うことになっている。当然お前が倒した魔物の素材もお前が求めるなら最大限希望に沿う用意はある。」
と教えてくれた。
「ありがとうございます。僕は今回の働きで女神様から魔道具を作るスキルをいただきました。その素材としてドラゴンの皮と爪を一体分それとワイバーンの魔石を10個ほどいただきたいのですが。」
「それくらいは大丈夫だ、ただしドラゴンは切り刻んだもので良いか?」
「はい十分です。バックを作りたいので。」
と答えると急にお腹が空いてきた。
「ぐーーーっ」
顔を真っ赤にする僕に父上が
「お腹が空いたのだろう、食事をしてきなさい。」
と優しく言って僕を食堂へ連れ出した。

食堂に着くと、母上と姉が食事の準備をしていた。
「お母様何をしているのですか?」
思わず尋ねる僕に
「皆それぞれの持ち場で忙しいのです。食事くらい私でも準備できますわ。」
と笑って答えた。

その後家族皆が食卓を囲み無事に領地と領民を守れたことに感謝をしながら食事を摂った。
その中で僕は家族に
「今度マジックバックを作れるようになったので、皆に作ってプレゼントしますね。」
と言うと、長兄のサルサが
「マジックバック?それはどんなものなのだ?」
と聞いてきた
「えっと、収納魔法持ちの人が収納する感じでバックに数十倍の品物を収納できるバッグです。」
と答えると
「重さは軽いのか?保存はどうなのか?」
と次兄のノームが畳み掛けるように聞いてくる。
「重さはほとんど感じないはずです、保存は素材で変わりますが、時間停止も可能だと思っていますが出来上がってみないとなんとも言えません。」
その言葉に
「時間停止のバッグ!そんな物が出来れば流通が変わってくる。」
父上が思わず口にしたがそうなのだ、これは流通革命になるのだ。
ただし素材の貴重さから数は作れないだろうが。
そんな問題発言の僕を母上が優しく見つめながら
「アル、ゆっくりでいいのよ。貴方は少し生き急ぎ過ぎてるわ、まだ幼い子供なのだから子どもらしく生きてもいいのですよ。」
と諭すように言ってくれた。
「母上様ありがとうございます。無理はしません、ただ皆が幸せになればと思うだけです。」
と答えておいた。

王都学園にいたサルサムとノルサイム  サイド

学園にも急報が届いた。
[リカード伯爵家北東の間の森から魔物が溢れるスタンピードの兆候あり。
学園生徒は休校とするので必要な行動を取るように。]
と言う知らせと学園休校の知らせだ。

「兄貴、すぐに戻ろうぜ!」
ノームはサルサに急かせるように言う。
「分かっている、ただし王国の騎士団の応援に向かうだろうからそれと一緒に向かうかそれとも一足先に向かうかだ・・・」
「何を悠長な、今から行こうぜ。」
焦るノーム、
「いやそれならお前は先に迎え。私は魔法師団の動向を確かめてから向かう必要がるから。」
と既に卒業後は魔法騎士団に入ることが内定しているサルサは答える。
「分かった、何か伝えることはあるか?」
「そうだな母上とリサの避難場所は王都の自宅だろうから・・・アルのことが気になる。」
「ああそうだな、こんな時こそか。分かった連絡をするよ。」
と言うと部屋を飛び出した。

その後は、アルの大活躍で騎士団が到着前にスタンピードが無事に終わると言う歴史に残る事態だったが。
寝室のベッドで眠る末の弟を見ながら2人の兄は
「本当に凄いやつだよ、俺らの弟は。」
と苦笑いしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

姉の忘れ形見を育てたいだけなのに、公爵閣下の執着が重いんですが!?~まっすぐ突き進み系令嬢の公爵家再建計画

及川えり
ファンタジー
突然届いた双子の姉からの手紙。 【これをあなたが読んでいるころにはわたしはもう死んでいることでしょう。わたしのことは探さないでね。双子を引き取ってもらえないかしら?】 姉の遺言通り双子を育てようと姉の嫁ぎ先へと突入する。 双子を顧みなかったという元夫のウィルバート公爵に何とか双子を引き取れるよう掛け合うが、話の流れからそのまま公爵家に滞在して双子を育てる羽目に。 だが、この公爵家、何かおかしい? 異常に気付いたハンナは公爵家に巣くう膿をとりのぞくべく、奮闘しはじめる。 一方ハンナを最初は適当にあしらっていたウィルバートだったが、ハンナの魅力に気付き始め……。 ハンナ・キャロライン・バーディナ 22歳      バーディナ伯爵家令嬢         ✖️ ウィルバート・アドルファス・キングスフォード 26歳      キングスフォード公爵 ブックマーク登録、いいね❤️、感想などいただけたら嬉しいです。 小説家になろうでも公開しています。

処理中です...