おいお前、人生を投げてるのか!〜いつの間にか第二の人生を歩み始めた男の半生。

モンド

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第一章

学園生活へ

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7年の月日が流れた。
僕も12歳になりもう直ぐ王都の学園の生徒となる。
伯爵家の当主の僕の場合、学園に行かずとも良いとの制度もあったが、友達作りと思って行くことにした。

家族の近況は、
 ・長兄は魔法騎士団に配属になり頑張っている。
 ・次兄は僕の鑑定通り身体強化などの魔法素質が顕在化して騎士団に所属して
  頑張っている。
 ・姉様は僕に代わってリカード伯爵家の切り盛りをしている。
 ・両親は愛も変わらず仲良く生活している。

学園に通うにあたって問題がいくつか発生した。
 ・王都にリカード伯爵家の屋敷がない。
 ・連れて行く侍女や執事等がいない。
である。
そこで早めに王都に向かいその点を解消することにした。


王都の商業地区。
共も連れず僕は王都を歩いている、向かうのは不動産屋。
そう思いながら街を歩いていると変な男らが数人後をつけ始めた。
そう言えば僕はこの辺りに不似合いな小綺麗な格好をしていたな、人攫いの類かもしれない。
人気の少ない脇道に入り少し行くと行き止まりだった、クルリと回れ右して戻ろうとしたら目の前を3人の男が立ち塞がった。
「何かようですか?」
と言うとニヤニヤしながら
「ここはな、子供が1人で歩くのはやばい場所なんだよ。」
と1人の男が言いながらナイフを手にして近づく。
そこまでするならやり易い。
僕はあっという間に3人を叩きのめすと後ろに控えていた見張りの男へ駆け寄り
「お前も叩きのめされたいかい?」
と聞けば
「ななな、なにお。おお俺は関係ない。」
と言って逃げようとするのを後ろ襟を掴み組み伏せた。
「待ってくれ、俺は関係ないんだよ。」
泣きそうな声で騒ぐ男の首を掴み力を入れると
「いででで!助けてくれ!」
「黙れよ。お前が仲間なのは分かっているんだ。それよりお前達の仲間の所に案内しろ!」
と言うと、頭を何度も振って
「分かった。」
というので手を離し先を歩かせた。
男は多分仲間のところへ行けばなんとかなると考えたのだろう、意外と早足で路地を抜けて進んでいった。

暫く歩くと如何にもスラム街という感じの街並みになり、目付きの死んだ人間が多くなって来た。
そして少しばかり大きな3階建ての建物の前まで来ると出入り口に男に
「コイツをなんとかしてくれ、仲間がみんなやられた。」
と言うと建物の中に駆け込んでいった。
それを聞いた屈強そうな男が僕の前に立ち塞がる

「お前のとこの若いもんが俺にちょっかいを出したから、責任者に合わせろよ。」
と言うと
「生意気なガキだ。しかもバカだ。」
と言いながら僕を捕まえようとして来た。
スルリとその手を交わしあごに1発拳を叩き込むとそのままその場に崩れて意識を失った。
僕はそのまま扉を蹴破り中に入って行く。
ダダダだと、足音がして男らが押し寄せてくる、それらを蹴散らしながら3階まで上がると、先ほどの男が青い顔をして僕を見て慌てて奥の部屋に駆け込んでいった。
どうやらあそこがボスの部屋か。
結界魔法を体に纏わせて僕は部屋に飛び込む。

部屋の中には先ほどの男の他、豪華な椅子に座ったガン付きの悪い大きな男と痩せた暗い雰囲気の男にメガネをかけたインテリ系の男がいた。
「なんだお前は!他の奴らはどうした?」
「お前がボスか?お前の躾が悪いから躾直しに来たんだよ。」
と言うと痩せた男が音もなく僕の後ろに回りナイフを突き出した。
「カキーン」「バキ」「ドーン」
軽い音でナイフが防がれ僕の回し蹴りが男の顎を捉える。
男は壁まで吹き飛ぶと意識を失った。
それを見ていたボスらしい男は、ニヤリとして立ち上がると剣を手にして立ち塞がった。
「剣を使うなら覚悟するんだな。」
と僕は言い構える。
「何処のおぼっちゃまか知らねえが世間の厳しさを教えてやろう。」
と言うと男はスラムにいるヤクザな男には似合わぬ洗練された動きの剣術で切り掛かって来た。
しかし僕からすればなんと言うこともない速さ、指で剣を掴むと
「パキン」
という音と共に剣をへし折った。
それを見た男は折れた剣を捨てて手を挙げると
「参った。てんでかなわねえ。俺の負けだ。」
と言うとその場に座り込んだ。

「俺を突き出すのは構わねえが、他の者は助けてくれよ。その分金はやるから。」
と言う男に僕は
「さっき言っただろ。躾がなってないんだよ。しのぎもたいしたことしてないのだろ?人攫いか?そんな事じゃ生い先真っ暗だろ、俺の下で働きな。悪いようにはせんからいいな。また来るぜ。」
と言うと部屋を出始めた。
すると男が
「わかった。あんたの名前を教えてくれ。」
「ああ言い忘れてたな、俺はアル。暫く王都にいるからまた連絡するよ。」
と言い残して建物の外に出た。

「なんで家探しでこんなことになるんだよ。」
とぼやきながら僕は大通りに戻ると今度こそ不動産屋に向かった。

王都の不動産屋 ヤシキヤ。
「物件を探している。」
と店に入るなり僕は紹介状を店の者に手渡すと近くの椅子に座った。
紹介状を確認した店員は驚き慌てて店の奥に駆け込む。
暫くして身なりの良い男が対応に現れた。
「こんな手狭な店にお越しくださりありがとうございます。私は当店の支店長をしておりますウルイと申します。以後私が担当いたします。」
と頭を下げた。
「ああよろしくお願いするよ。伯爵家当主に相応しい物件を用意して欲しい。」
と要件を言うと
「リカード伯爵様には王都用のお屋敷ということでよろしいでしょうか?」
「うん、学園に通う間住む予定だ。家の者も雇いたいが何か伝手はあるか?」
と言えば
「はい、そのようなご要望も承っております。当方の方で宜しければ手配いたします。」
と答える男の前に金貨の詰まった袋を10個ほど積み上げて、
「手付だ。暫くは洋ラン亭と言う宿に泊まってるので連絡をくれ。」
と言うと僕は店を後にした。
その後に付いてきた男が静かに頭を下げて見送る。


王都の不動産屋ヤシキヤ ウイル  サイド。
この商売は人を見る目がなければなりません。
私もはや30年この商売をしていますが、今日ほど肝を冷やしたことはありませんでした。
店の奥の支店長室で書類仕事をしていると、店番の若い者が慌てて入るなり紹介状を持ってきた。
紹介状を読みながら持ってきた者の特徴を聞けば
「まだ年若い男です、多分14・5歳ほど。服装は小綺麗な服で裕福な生まれの感じがします。」
その言葉を聞きながら記憶を巡らせる。
 ・リカード侯爵家の紹介状
 ・年若い男
 ・王都に屋敷を買いに来た
予想が当たれば大物です、それを確かめるために私はゆっくりと準備をして客の待つ店に出る。
椅子に座ってお茶を飲む男が見えてきました。
確かに若い学生と言ってもいいくらいの。
その佇まいが普通ではありませんね、私も剣術をしていたことがありまして少しはわかるのです。
化け物のようです。間違いありません。
私はその客をリカード伯爵本人として話をすることにしました。

商談は終わりました、見送った後にドット冷や汗が出てきました。
店の者が金貨の数を数えると100枚入りが10個、1000枚の金貨です。
王都の相場で言えば十分過ぎるお金です。
全てに規格外のようですが、これは上得意様の予感が致します。


不動産屋を出た後僕は学園に向かい、入学の手続きをして宿に帰った。
学園では対応の職員が
「伯爵様本人が手続きに来られるとは思いませんでした。」
と恐縮していた。

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