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旅立ち
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ーー 出発の日
母が目に涙を浮かべて見送ってくれる、僕は父の操る馬車に乗り
「お母さん行って来ます。お元気で。」
と言いながら手を振る、母は声にならない声で僕を送り出してくれた。
馬車に揺られて半日で領主であるスペルナ辺境伯の街に着く。
「ここが領主様の街だ、あれに見えるのが領主様の城、向こうに見えるのが学校だ。」
父は道すがら街を案内しながら学校の寮に向かう、遠方の子どもは寮に住んで学校に通うのだ。
寮に着き入寮の手続きをした後父が
「俺がすることはここまでだ、あとはお前がするんだぞ。元気で頑張れよ。」
と言うと領主の城の方に去っていった。
寮は男子寮と女子寮に分かれてそれぞれ30人ほどいるそうだ、学校は6年制で14歳になると成人なので卒業後は働くことになる。
在学中に冒険者登録して学費を稼ぐ生徒もいると聞いているので僕も登録をしようと思っている。
僕と同じように領主様から声をかけられた家の子供がこの寮には多いそうで、優秀な人材を育てようとする領主の考えがわかる。
部屋で荷物を荷解きしていると1人の子供が声をかけて来た
「初めまして、同室になったカミュだ。よろしく。」
と手を差し出すのでその手を取り
「此方こそよろしく、シャドーだ。」
と挨拶をした、部屋は2人部屋で6年間特別な事情がない限り同じ者と暮らすことになるようだ。
初めての同年代の友達ができた。
◯ 入学式
一応入学前に入学テストがあった、その成績で部屋割りがされたようだ。
僕らの部屋は1号室、つまり成績が一番と2番と言う意味だ。
カミュの家は、ここから馬車で3日の場所にある第二街「ポーズ」のようでそこで両親は商売をしているそうだ。
学校を優秀な成績で卒業すればこの領主の街「ゲル」に良い条件で支店を出せると言っていた。
入学式には両親も来ていた、学校長の挨拶、教師陣の紹介そして領主の挨拶の後入校生代表で僕が挨拶を行った。
両親はとても良い顔で少しばかり恥ずかしそうに僕の言葉を聞いていた。
その後は学校生活の説明と進みそのまま寮に入ったので両親とは話す機会がなかった。
◯ 学校初日
20名の新入生が集められて教室に案内された
「ここが貴方たちの教室です、ここで6年間学びます。私は担任のサファイア=カナディです。席は好きなとこに座って。」
そう言われた僕らは好きな机に座った、僕の後ろは同室のカミュ横にカレンと言う女の子が座った。
その後1人ずつ自己紹介、そこで隣の女の子が領主様の末娘だと知った。
◯ 1学年1月目
ーー 魔力・体力検査
学校の授業は1・2年は座学中心で常識と読み書き計算を習う。
なお、僕のようにすでに読み書き計算ができる生徒は、その時間は自由にすることができるため街の冒険者ギルドに向かい冒険者登録や依頼を受けたりしていいそうだ。
学校の行事の最初は、魔力と体力テストだ。
特別な部屋に向かい魔力を測定される。
ここで僕は自分の常識が間違っていることに気づく。
「この玉に手を置いて」
担任が1人ずつ魔力を測っていく、魔力量と属性を調べるらしい。
僕の順番になり手を置くと、眩しく虹色の光が教室を覆うとパリンと玉が割れた。
「・・・すごいのね君。属性だけしか分からないけどこれでいいわ。」
と担任は言うと変えの玉を置いて残りの生徒の測定をし始めた。
次の生徒はカレンだった、手を置くと玉が激しく白く光った。
「はい良いですね、魔力もとても多いです流石ですね。」
と言われたカレンは、頭を下げて次の生徒と代わる。
僕は生徒によって色や光り方が変わることに気づきひょっとして偽装が役に立たなかったことにそこで思い至る。
「失敗したな、でもこんなことがあるなんて知らなかったし・・・済んだことはしょうがない気持ちを切り替えよう。」
と独り言を言っていた。
次は体力検査だ、走ったり飛んだり重いものを持ち上げたりと10余の検査をした後お開きとなった。
ーー 教師サファイア=カナディ side
私は辺境伯閣下の魔法師筆頭である。
この度閣下の末娘であるカレン様が入学するにあたり私が担任の任を受けたのだ。
それはカレン様は優秀な魔法師で今でさえ王国内でもトップ10に入る魔力量と属性を持っている、そのため私が教師役に選ばれたのだ、
今日は生徒の魔力量と属性を検査して体力も測定する予定だった。
それは突然起こった、カレン様の前に検査をしていた今学年のトップの成績のシャドーという生徒の魔力を検査し始めた時のこと。
魔力検査の秘宝は、光の量と色で魔力量と属性を知ることができるものだ。
・ ほのかな明かり ~魔力量5~50
・ 暗めの明かり ~魔力量51~100
・ そこそこの明かり~魔力量101~300
・ かなりあかるい ~魔力量301~1000
・ 激しい明かり ~魔力量1001~
・ 黒い光 ~属性 闇
・ 青い光 ~属性 水
・ 緑の光 ~属性 風
・ 茶色の光 ~属性 土
・ 赤の光 ~属性 火
・ 白の光 ~属性 光
と言うのが検査でわかるにであるが、2属性や3属性を持つものはその中で最も強い属性の色が出る。
それなのに虹色の光に宝玉を破るほどの魔力量、一体あの子は何者なのか。
父親は閣下の兵士であることは知っている、大怪我をして家に帰った後すぐに全快して戻って来たことが噂になっていたが・・・ひょっとしてあの子が・・。
このことは報告して暫くはカレン様とあの子を注視して見ておこう。
ーー カレン=スペルナ side
今日魔力の検査があった、私はあまり気乗りがしなかった。
だって私の魔力量は通常の人の100倍と言われ、検査をすれば直ぐに人との間に溝ができたように人は私と距離を置くのだ。
そうな思いで臨んだ検査日、私の前は学年トップの成績のシャドー君だ。
彼が手を置くと虹色の光が教室を覆い尽くし宝玉が割れたのだ。
その後の私の光などただの白い光だ、誰も気にもしない・・・そう私は今日初めて皆と同じになったのだ。
彼のそばにいれば私は普通なのだ、彼のそばにいなくては・・・そうだ友達になろう。
母が目に涙を浮かべて見送ってくれる、僕は父の操る馬車に乗り
「お母さん行って来ます。お元気で。」
と言いながら手を振る、母は声にならない声で僕を送り出してくれた。
馬車に揺られて半日で領主であるスペルナ辺境伯の街に着く。
「ここが領主様の街だ、あれに見えるのが領主様の城、向こうに見えるのが学校だ。」
父は道すがら街を案内しながら学校の寮に向かう、遠方の子どもは寮に住んで学校に通うのだ。
寮に着き入寮の手続きをした後父が
「俺がすることはここまでだ、あとはお前がするんだぞ。元気で頑張れよ。」
と言うと領主の城の方に去っていった。
寮は男子寮と女子寮に分かれてそれぞれ30人ほどいるそうだ、学校は6年制で14歳になると成人なので卒業後は働くことになる。
在学中に冒険者登録して学費を稼ぐ生徒もいると聞いているので僕も登録をしようと思っている。
僕と同じように領主様から声をかけられた家の子供がこの寮には多いそうで、優秀な人材を育てようとする領主の考えがわかる。
部屋で荷物を荷解きしていると1人の子供が声をかけて来た
「初めまして、同室になったカミュだ。よろしく。」
と手を差し出すのでその手を取り
「此方こそよろしく、シャドーだ。」
と挨拶をした、部屋は2人部屋で6年間特別な事情がない限り同じ者と暮らすことになるようだ。
初めての同年代の友達ができた。
◯ 入学式
一応入学前に入学テストがあった、その成績で部屋割りがされたようだ。
僕らの部屋は1号室、つまり成績が一番と2番と言う意味だ。
カミュの家は、ここから馬車で3日の場所にある第二街「ポーズ」のようでそこで両親は商売をしているそうだ。
学校を優秀な成績で卒業すればこの領主の街「ゲル」に良い条件で支店を出せると言っていた。
入学式には両親も来ていた、学校長の挨拶、教師陣の紹介そして領主の挨拶の後入校生代表で僕が挨拶を行った。
両親はとても良い顔で少しばかり恥ずかしそうに僕の言葉を聞いていた。
その後は学校生活の説明と進みそのまま寮に入ったので両親とは話す機会がなかった。
◯ 学校初日
20名の新入生が集められて教室に案内された
「ここが貴方たちの教室です、ここで6年間学びます。私は担任のサファイア=カナディです。席は好きなとこに座って。」
そう言われた僕らは好きな机に座った、僕の後ろは同室のカミュ横にカレンと言う女の子が座った。
その後1人ずつ自己紹介、そこで隣の女の子が領主様の末娘だと知った。
◯ 1学年1月目
ーー 魔力・体力検査
学校の授業は1・2年は座学中心で常識と読み書き計算を習う。
なお、僕のようにすでに読み書き計算ができる生徒は、その時間は自由にすることができるため街の冒険者ギルドに向かい冒険者登録や依頼を受けたりしていいそうだ。
学校の行事の最初は、魔力と体力テストだ。
特別な部屋に向かい魔力を測定される。
ここで僕は自分の常識が間違っていることに気づく。
「この玉に手を置いて」
担任が1人ずつ魔力を測っていく、魔力量と属性を調べるらしい。
僕の順番になり手を置くと、眩しく虹色の光が教室を覆うとパリンと玉が割れた。
「・・・すごいのね君。属性だけしか分からないけどこれでいいわ。」
と担任は言うと変えの玉を置いて残りの生徒の測定をし始めた。
次の生徒はカレンだった、手を置くと玉が激しく白く光った。
「はい良いですね、魔力もとても多いです流石ですね。」
と言われたカレンは、頭を下げて次の生徒と代わる。
僕は生徒によって色や光り方が変わることに気づきひょっとして偽装が役に立たなかったことにそこで思い至る。
「失敗したな、でもこんなことがあるなんて知らなかったし・・・済んだことはしょうがない気持ちを切り替えよう。」
と独り言を言っていた。
次は体力検査だ、走ったり飛んだり重いものを持ち上げたりと10余の検査をした後お開きとなった。
ーー 教師サファイア=カナディ side
私は辺境伯閣下の魔法師筆頭である。
この度閣下の末娘であるカレン様が入学するにあたり私が担任の任を受けたのだ。
それはカレン様は優秀な魔法師で今でさえ王国内でもトップ10に入る魔力量と属性を持っている、そのため私が教師役に選ばれたのだ、
今日は生徒の魔力量と属性を検査して体力も測定する予定だった。
それは突然起こった、カレン様の前に検査をしていた今学年のトップの成績のシャドーという生徒の魔力を検査し始めた時のこと。
魔力検査の秘宝は、光の量と色で魔力量と属性を知ることができるものだ。
・ ほのかな明かり ~魔力量5~50
・ 暗めの明かり ~魔力量51~100
・ そこそこの明かり~魔力量101~300
・ かなりあかるい ~魔力量301~1000
・ 激しい明かり ~魔力量1001~
・ 黒い光 ~属性 闇
・ 青い光 ~属性 水
・ 緑の光 ~属性 風
・ 茶色の光 ~属性 土
・ 赤の光 ~属性 火
・ 白の光 ~属性 光
と言うのが検査でわかるにであるが、2属性や3属性を持つものはその中で最も強い属性の色が出る。
それなのに虹色の光に宝玉を破るほどの魔力量、一体あの子は何者なのか。
父親は閣下の兵士であることは知っている、大怪我をして家に帰った後すぐに全快して戻って来たことが噂になっていたが・・・ひょっとしてあの子が・・。
このことは報告して暫くはカレン様とあの子を注視して見ておこう。
ーー カレン=スペルナ side
今日魔力の検査があった、私はあまり気乗りがしなかった。
だって私の魔力量は通常の人の100倍と言われ、検査をすれば直ぐに人との間に溝ができたように人は私と距離を置くのだ。
そうな思いで臨んだ検査日、私の前は学年トップの成績のシャドー君だ。
彼が手を置くと虹色の光が教室を覆い尽くし宝玉が割れたのだ。
その後の私の光などただの白い光だ、誰も気にもしない・・・そう私は今日初めて皆と同じになったのだ。
彼のそばにいれば私は普通なのだ、彼のそばにいなくては・・・そうだ友達になろう。
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