努力でチートをその手に〜スキルと身に付けた魔法で無双する。

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里帰りと家族との王都旅行

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里帰りと王都旅行


◯   1学年4ケ月目


 色々なことがあった3ヶ月、風はいつの間にか夏本番の熱を含み青空と白い入道雲のコントラストが夏を満喫させている。

異世界でもトンボがいるようで少し色の派手な・・大きなトンボが・・ウサギを捕まえて飛び去っていった!

新しくクラスメイトになったブルーは早くもクラスの人気者だ。

これからの2ヶ月間は、座学がメインで長期休みを挟んで実技と大会準備に入るそうだ。
「よし、ブルーのお勉強に力を入れなくては。」
その声を聞いてブルーが少しだけブルーに見えた。

平和で静かな2ヶ月が過ぎていった、その間に辺境伯はシャドーについてに調査をさらに詳しく行っていたが、特別な情報は手に入らなかった。
ただ、彼が村にる時期に限って魔の森の魔物が激減するという現象が起こるという眉唾的な噂があった。


◯   1学年6ヶ月目

 長期休みが始まる、季節で言えば秋休みだ。
領内でも秋の収穫祭が一番人手のいる時期なために、学校を長期休みにするようだ。
休みの期間は2ヶ月、僕は一度村に帰った後に旅に出ようと考えていた。
隣の王国の辺境にダンジョンがあると聞いたからだ。

カレンとチカも付いて行きたいと言っていたが、
「辺境伯様が許してくれなければダメだよ。」
と言っている。

10日の予定で村に里帰りだ。

家族で王都に行くのも面白いかも知れない。
エースとシャルに跨り2人して村に帰る姿は、これから先の風物詩になる予感がする。


ー 家族で王都旅行


半日で故郷に帰り着いた僕らは、久しぶりに家庭の味を堪能していた。
「母さん、王都に遊びに行かない?」
僕がそう声をかけると、冗談だと思ったのか
「それは良いね、一度でいいから王都に行って流行りのドレスを着てみたいと思っていたのよ。」
それを聞いていた父親が
「それなら俺は、王都の鍛冶屋で質の良い剣と防具が欲しいな」
と夢を語っていた2人に、ニマニマした僕は
「冗談だと思ってるよね、でも本当だよしかも移動は一瞬、僕の屋敷があるから宿泊やご飯の心配もいらない。一応辺境伯様にお父さんの休暇願いは叶えて貰ったから、明日の朝から行こうね。」
と言いながら辺境伯の許可状を父に見せた。
「こりゃー、本物だ。10日の休みか。」
と呟きながら僕を見て
「本当に行けるのか?なら準備しなきゃ。」
と慌て出す父を見て母も準備をし始めた。


ー 出発(一瞬だけどね)


「じゃあ良いね。目を瞑って。」
と言いながら僕は転移魔法を発動させる、初めて体験すると目眩がすることがあるのだ。

「はい着いたから目を開けて良いよ。」
という僕の声を聞いて目をそっと開ける両親、知らない部屋の中だ。
屋敷の転移用の部屋だ。

暫くすると家宰のセバスが姿を見せる
「お帰りなさいませ、旦那様。」
綺麗に頭を下げるセバスに固まる両親。
「ああ、ただいま。10日ほど世話になるよ。臨時のシェフをお願いするね、明日から料理をここで食べるから。それと2人は僕の父と母だ、こちらは僕の家族ブルーだよ。部屋を準備しておいてね、今から王都観光に行くから帰りは遅くなるかも知れないから。」
というと
「畏まりました。」
と礼をして部屋を後にするセバス。

両親はその後部屋の窓から見える王都の街並みに
「本当に王都に来たんだ。」
とポカンとしていた。

その後荷物を頼んで通りに出る、後ろを振り返った母が
「こんなに大きなお屋敷だったの!」
と驚いていた。
馬車を拾い商会街に向かう、先ずは母とブルーを降ろし僕と父は職人街の鍛冶屋に。

ー 商会街にて

「お母様、ここが洋服屋のようです。」
ブルーがそう言いながら母を案内した。
「お母様というのは大げさね、お母さんでいいわよブルーちゃん」
と言うがブルーは口調を変える気はないようだ。
何か思うところがあるようだ。

2人は高そうなドレスの飾っていた店に入ると3時間ほど買い物を楽しんだ。


ー 職人街にて


「父さんここなんか良さそうだよ。」
と言いながら親子で店に入り商品を見る。
「いらっしゃいませ、ご自由に見てください。分からないことや注文があればお聞きしますね。」
小柄な店番の少女がそう言って迎えてくれた。

父親が欲しいのは
・ ミスリルの剣
・ ミスリルの槍
・ ミスリルの防具
のようで、「いつか手に入れたい。」が夢だった。

僕は店番の少女に
「父の防具と剣と槍が欲しいんですが」
と声をかけると
「はい分かりました、サイズを測りますね。それと素材はどれにいたしますか?」
「出来ればミスリル製が良いんですが、それ以上のものもあるんですかね?」
との問いに
「そうですね、ミスリルは軽くて丈夫なのですが魔法を使われないのであればアダマンタイト製も良いと思いますよ、ただし少し重くなりますが。」
と答えてくれた。
僕は錬金術のスキルがあるので、見本になるものがあればこの間仕入れた鉱石で作れるなと思いつつ
「両方合わせてもらって良いですか?」
と声をかけた、父親はドキドキしながら小声で
「大丈夫なのか?高そうだぞ。」
と心配していた。

ー 商会街にて

「お母様、そのドレスすごくお似合いです。これも頂きましょう。」
と5着目のドレスを店員に言うと大金貨1枚を店員に手渡し
「これで足りない時は声をかけてください。」
と声をかけると、1人だった店員が3人になって、その後はブルーにまでドレスを持ってき始めた。


ー 職人街にて


「んー。剣と槍はこのアダマントが良いな、装備はやはりミスリル製が良い。」
と言う父の声に
「それでは、これとこれをサイズ調整にはどのくらいかかりますか?」
「2日あれば問題なく」
「分かりました幾らですか?」
「ええと、金貨550枚です。」
「はいこれで丁度です。」
と支払いを済ませると、横で真っ白な灰になっている父親を連れてそのに出た。


ー 昼食

待ち合わせの場所に向かうと丁度母親とブルーが来たところだった。
「どう、良いドレスあった?」
と言う僕の問いかけに
「とても楽しかったです。私の分まで買って頂いてありがとうございます。」
と答えるブルーに
「何を遠慮しているの、家族だろ。」
と言いながら予約してもらっていたレストランに向かった。


ー  レストランにて


終始無言の両親、食事が運ばれて
「父さん、母さん今日は楽しめましたか?美味しい食事をいただきましょう。」
と声をかけると母が
「シャドー本当にありがとうね、私の夢が叶ってちょっと呆けていたわ。でもお金大丈夫?かなり使わせたみたいで。」
「問題ないよ。まだ全然減らないからね。」
と答えてやっと現実に戻ってきた父親にエールで乾杯した。

両親とも緊張し過ぎてあまり味がわからなかったようだ。


ー 2日目


朝の朝食の時間、オドオドした2人。
「シャドー、私たち1人で準備できると言うのにメイドさんが・・・どうすればいいの?」
「ここだけの生活と割り切ってください。貴族にでもなった気持ちで大らかに。」
と答えたが
「貴族なんてとんでもない。」
とまだ慣れるのに時間がかかりそうだ。

その日も王都の観劇観戦や出店通りの買い物などをしながら時間を潰して屋敷に帰ると、新しいシェフが見習いを連れてきていた。
「少しの間だけど宜しくたのむよ。」
と声をかけて母とブルーは浴室に僕は父と冷えたエールで喉を潤した。

「何か夢の中で過ごしているみたいだ、これ夢なのか?」
「お父さん明日になればお父さんの装備が出来上がっているから、現実味が出るよ。」
「そうかな、金貨550枚の装備なんて領主様でも持っていない気がするぞ。」
と言う父の言葉で僕はうっかりしていたことに気づいた。
「良いことを言ってくれました、明日は辺境伯様と騎士団の団長副団長用の装備も買って送っておきましょう。そうすれば問題なく装備をつけて行けますからね。」
と言いながら父から団長と、副団長の体格や武器を聞いていたが
「副団長は、学校の講師に来ているソフィア先生なんですか、知らなかった。それなら魔法師の装備ですね。分かりました明日は忙しくなるぞ。」
と言う僕の言葉に父が3人の装備は・・幾らになるのだろう。


ー 浴室の2人


「ブルーちゃん、昨日お風呂に入ってからとてもお肌の様子がいいの、貴方はどう?」
「それ分かります、私も初めの頃、シャドー様が下さったこの液体石鹸の数々と化粧水などを使うととてもハリや潤いがする気がします。」
「まあ貴方でもそう。」
と言いながら2人は長い入浴タイムを過ごすのだった。


ー 3日目


僕と父さんは昨日話したように辺境伯様へのプレゼントである装備を検討中である。
「父さんより安いと失礼なのでオールミスリル製で武器を2つ、団長にはアマダント製の装備と盾と剣を副団長にはこの杖とローブを。」
となんとか数軒の店を渡り歩いて品物を見繕い、辺境伯領へ送った。

母とブルーは、辺境伯夫人とカレンお嬢様の服と装飾品を見繕い、同じく送ってホッとしたそうだ。

気疲れした僕たちはその日は早めに帰り、ゆっくりしていた。


ー 4日目


父が何もしないと身体が鈍ると言うので、出来上がった装備の点検を兼ねて魔の森に転移した。

「ここは少し奥に入ったとこだよ、魔物のランクで言えばCとDだね。気を引き締めてね。」
と注意しながら森を進むとオークが3体現れた。
「よしこの装備の使い心地を試すには丁度良いかも知れないな。」
と言いながら父が身体強化をしてオークの前に躍り出た。
「ブモオオー」
驚くオーク一体に鋭く剣を振り下ろす、
「スパーン」
見事真っ二つのオーク、驚きながらも残り2体にも剣を振ると
「スパーン、スパーン」
たった3撃で倒してしまった。
「これは凄すぎるぞ!」
父は興奮しながらその後20体ほどのCランクDランクの魔物を倒していた。


その頃母親は、部屋でニマニマしていた。
「毎朝鏡を見るのが楽しみでしょうがないわ。また若返ったみたい。」
と呟きながらメイドに化粧や着付けをしてもらいニコニコだった。

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