努力でチートをその手に〜スキルと身に付けた魔法で無双する。

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ダンジョン攻略 後編

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ー 21階層


ここは灼熱の地獄のようだった。
遠くには火を吹く火山が噴火中で、真っ赤に燃えた噴石が時々飛んで来る。

マグマの池や川が流れその場に居るだけでもHPを削られそうな環境だ。
ただ僕が皆に作った装備には熱や寒さ更には腐食や酸に耐性を持ち体温を涼しく保つ機能が備わっている。
「こりゃ、この服がなければ立つこともできなかったな。」
カミュがそう言いながら汗ダラダラのサファイアを見て
「シャドー君、先生が倒れそうだよ。」
と言った。
「あ、忘れてましたこれを着てください。」
僕は慌てて予備のコートを着せた。
「フーッ。死ぬかと思いました。ありがとうございます。」
先生はコートの効果が信じられないと言う感じで素材や付与魔法を鑑定していた。

ここはサラマンダーがいるが特に攻撃してくる様子はなくただ黙々と進んだ。


ー 22階層


今度は砂漠だ。
見渡す限り影一つない砂漠の日差しに、僕の装備を着てなければ進むことはできないだろう。
途中途中に蟻地獄のような魔物が獲物を待ち構えているが、よく見ていれば落ちることもなく、途中でサソリのような魔物が攻撃して来たぐらいだった。

ー 23階層


ここは沼地だ。

膝近くまでぬかるむような沼地で、カエルやヘビの魔物が毒攻撃して来た。

氷魔法で歩く道を確保すると電撃を放ちながら進んでいく、毒攻撃は状態異常無効のマジックアイテムで無効化しながら進むので少しばかり生臭いこと以外は問題なかった。


ー 24階層


ここは氷の世界。
高い山から吹雪が襲いかかる、耐寒装備でなければ動けなかっただろう。
ここで出た魔物は雪男のような真っ白いクマとツノウサギに電撃を使うトナカイのような魔物だった。

倒すとドロップ品に毛皮を落とす魔物だったのが楽しくて、100頭ほど倒したのはご愛嬌だ。


ー 25階層


一転して微風が吹く大草原が階層主の扉を開くと広がっていた。
隠れる場所がないと言う感じで、突然空から攻撃を受けた。
空を見るとクリフォンが10頭にキマイラが3頭いた。

「今度こそ皆んなで戦う必要がありそうね。」
カレンがそう言いながら魔法を構築して
「エアーショット!」
と言いながらグリフォンを撃ち落としていた。
落ちて来た魔物をチカとカミュが仕留めていく。

キマイラはその邪魔をせぬばかりに2人に襲いかかるのをアスカが結界で防ぎ、ブルーが攻撃する。

耐久力と機動力の高い魔物を倒すのに今回初めて時間がかかったと感じた。
最終的には僕が
重力魔法で残りの魔物を全て地面に縫い付けると、プチ隕石で潰した。
「階層主の討伐を確認しました。」
と言うメッセージと共に皆のレベルが大きく跳ね上がった。

「私、レベルが200になったわ。」
カレンが嬉しそうに話すと、皆自分のレベルに驚いていた。
宝箱は金箱、エリクサーが10本入っていた。

ここまでで4日ほど経過していたので、
「今回はここまでで一回戻ろうか。次はこの続きからにして、他のDダンジョンを攻略しておこう。」
と皆に言って転移陣を使い出口に戻った。


ー 冒険者ギルドにて


25階層まで攻略した僕らは、ダンジョンの進化を報告するためにギルドにやって来ていた。

僕たちがギルドに入るとその姿を見た職員や冒険者が驚いていた。
どうやら逃げ出した冒険者の話で僕たちはダンジョンで死んだと思っていたのだろう。

「ご無事だったのですね。どうぞギルマスがお持ちしています。」
受付嬢に促されて奥の部屋に向かう。

「カレンお嬢様ご無事で何よりです。」
ギルマスの横にスペルナ辺境伯の補佐役のシェーカーが安堵した声を上げた。
「ええ、問題ありませんでしたわ。今回は25階層の階層主まで倒して戻って来たのよ。」
と答えるカレンの言葉にギルマスが驚いていた。

「あいつの言葉は本当だったんだ。それでまだ深そうなのか?」
とDクラスのダンジョンが進化したことが気になるギルマス。
「50階層はあると思いますよ。しかもかなり厳しいダンジョンです。」
僕はそう答えながら今回踏破したダンジョンの地図と魔物の配置及び環境を描いたメモを渡した。
それを読むギルマスが
「信じられん、これを25階層まで踏破したのか!」
と呟いていた。
僕は
「良いドロップ品が出たので買い取ってもらえますか?」
と言いながら毛皮やエリクサーなどを取り出すとまたしてもギルマスは唸った。

手続きが済み学校に帰った僕たちは、学校長に報告して3日間の休みをもらった。


ー Dランクのダンジョン攻略


休みが明けた後、僕たちはサクサクとDランクのダンジョンを攻略攻略してついでにCランクのダンジョンまで攻略した。

「なんかあのダンジョンの後だと全然物足りないよね。」
カミュがそう言うと皆が頷いていた。

「ねえ、シャドー君あのダンジョンの続きはいつするの?」
チカが僕に尋ねる
「う~ん、安全地帯の確保それと今度は使い魔を使って攻略しようと考えてるんだ。」
と答えると
「そう言えば私も使い魔が欲しいのだけどどうにかならないですか?」
カレンが言うと他のみんなも
「「私も(僕も)使い魔が欲しい!」」
と続いた。

「使い魔はティムか召喚獣なのでそのスキルが必要だと思う、カレンは大丈夫だとしてカミュは無いかな、でもチカは可能性ありかな。」
との答えに2人は喜びカミュはガッカリしていた。


ー サファイア  side

今回カレンお嬢様のチームとダンジョン攻略に同行した。
お嬢様らの力であればDクラスいやCクラスのダンジョンでも問題ないと判断したからだ。
しかし私の考えは甘かった、反対の方に、強すぎるのだお嬢様たちが。

それにシャドー君が作った装備やマジックアイテムが国宝級かアーティファクトかと言うほどの物で、ダンジョン内の厳しい環境でも普通に活動できていたのだ。
私などは支援どころか足手纏いになっていたほどだ。

新たに発見されたダンジョンの進化版、あのダンジョンは攻略不能なほどの難解さだ。
しかし彼らはそれを何でも無いように無傷で攻略して行く。
あの後さらに最深部へ攻略に向かうと考えているようで、もう同行は不可能だわ。

辺境伯閣下には、「カレンお嬢様はもう化け物ですので心配ご無用」と言って放置すべきだと報告したいけど・・・できないわよね。
サファイアの苦悩はまだまだ続くにであった。

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