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ダンジョン攻略 強すぎた使い魔達
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ー 30階層 階層ボス
30階層のジャングルを抜けたところにその扉はあった。
「階層主だ、みんな心していけよ。」
と僕が声を掛けると
「あのう、新しい使い魔の皆さんが自分たちの力を見せたいと言っているそうです。」
と代表してカレンが火の精霊サランを抱いて申し出てきた。
「そうか、それもそうだね。君たちに任せるよ。」
と答えると皆やる気を出した顔をしていた。
扉を開き中に入ると、扉が閉まったタイミングでミノタウルスの群れとグリフォンが見えた。
すかさず闇精霊ダークと地竜スイがミノタウルスらを全て拘束して自由を奪う。
飛竜スカイと風妖精シルフが風の刃の雨を降らせミノタウルスを刈り取っていく、フェニックスのサンと火精霊のサランが火魔法でグリフォンを攻撃する。
グリフォンは怪我を負いながらも空に逃げ出すがそこに、土精霊のモーグと水精霊のピーチのアースランスと氷雪乱舞で地面に叩き落ちされて凍りつく。
トドメとばかりに皆が一斉に属性攻撃をして粉々になり倒されたグリフォン、オーバーキルだ。
皆その様子を黙って見ていたが、カレンが
「良くやりました、私はとても嬉しいです。」
と精霊達に話しかけ、他の皆んなも同じように自分の使い魔達に同じことを言うとそれぞれ満足した様な顔でニヤけていた。
宝箱は当然金、中に入っていたには・・オリハルコンのインゴットと不思議な手鏡。
鑑定すると「安否の手鏡」で知り合いの安否を確認できる物らしい。
ー 31階層~45階層
そういう訳で使い魔達があまりにも強すぎて、その日のうちに40階層の階層主まで倒し今は45階層に来ている。
「物凄く早く踏破している気がするが問題ないよね。」
カミュが僕に耳打ちしてきた
「そりゃ問題ないさ。」
と答えたがこの面子じゃ踏破できないダンジョン自体存在していないんじゃないかな。
ここまでジッとしていた僕の使い魔達が
「ご主人様この先は我らにお任せあれ。」
と言ってきたので
「そうだね、よろしく。」
と答えた瞬間、目の前はただの不毛の大地に変わっていた。
その後もダンジョン内を不毛の地に変えながらとうとう50階層の扉の前に辿り着いていた。
「ここは今までと感じが違うわね。」
一際大きな扉を前にカレンがそういうと皆も頷いていた。
どうやら今の時点での最下層はここの様だ。
「ここは多分ダンジョンボスの部屋だよ。心して臨むよ。」
と気合を入れ直して中に入るとそこには、真っ黒く爛れかけたドラゴンがいた。
「ドラゴンゾンビか!しかも元は黒竜、かなり強そうだ。」
と僕が口を滑らせたのが間違いだったのか、その瞬間ダンジョンボスは使い魔達のブレスで消し飛んでしまった。
[ダンジョンボスの討伐を確認しました。]
とのメッセージが流れ奥の扉が開いた、奥には転移陣と宝箱それにダンジョンコアがあった。
「せっかくだからここはダンジョンコアをそのままに踏破だけにしておこう。」
という僕の提案に皆が賛同して、ここのダンジョンは訓練場へなったのだった。
僕らはAランクダンジョン踏破の称号と初回踏破の褒美を山の様にもらいダンジョンを後にしたのだった。
ーー 冒険者ギルド ギルマスの部屋
「それでこれがあの進化したダンジョンの最深部までの地図と魔物の分布なのか?最深部付近の魔物の種類や分布が不明なのは何故だ?」
ギルマスは僕から受け取った地図などの資料を見ながら聞いてきた。
「そこは使い魔が全て倒したので分からなかったんです。」
正直に答える
「そうだったな、お前らの使い魔・・・ドランゴンクラスばかりだったな。」
と頭を抱えた。
「まあ、この踏破でお前達の存在は王国内外で注目の的だ。多分近いうちに王都に呼ばれてSランクパーティーとして登録され、さらにはお前は貴族になるだろうな。」
と意外な話をしてきた。
すると横で聞いていたカレンが
「おかしな事じゃないわね。これほどのダンジョンを踏破したのだから王国は貴方を王国に止めるために先ずは法衣の貴族位を与えてその後に陞爵する考えでしょうね。」
と物知り顔で答えた。
その後辺境伯の屋敷に呼ばれダンジョン踏破のパーティーが開催されたと
「我が領民による高ランクダンジョン踏破は誠にめでたい、よってそれぞれに貴族位を授けよう。」
と辺境伯様が王国より早く僕らに騎士爵と男爵位を与えた。
・ 男爵位~ シャドー 、カレン
・ 騎士爵~ カミュ 、チカ
だがそれぞれ位が違うのにも理由があった。
チカの父親は騎士団長で位は男爵だ、一度の褒美で親に並ぶのは問題がある。
カミュは商人希望なので、名誉だけをもらう感じだ。
このあと王都にいけば当然これ以上の貴族位に陞爵される、そのまま辺境伯領に返せば辺境伯の力がさらに大きくなる恐れがある。
多分僕には領地を与えて辺境伯から離そうとするだろうという話だった。
ーー スペルナ辺境伯 side
「閣下今回はうまく話がまとまりましたね。」
補佐のシェーカーが辺境伯に声を掛ける
「ああ全くだ。まさかこんなに役立つとは思わなかったが、お前が早めに準備しましょうと進言したのが良かった。これで彼らは我が辺境伯のものだ。」
「しかし国王派も別の手を考えるのではないでしょうか?多分シャドー君には陞爵と更なる領地を与えてここから離すのではないでしょうか?」
「それは当然考えられるが、今王国内で彼に与えられる領地はこの3つしかない。」
と言いながら王国の地図を見ながら言った。
「そうですね、王国派の空いてる領地はここからそれほど遠くない場所ばかりですね。」
シェーカーも地図を見ながらそう言った。
ーー シャドーの両親 side
「大変だシルエット、シャドーがまた功績を上げたぞ!」
父サンは、自宅に駆け込むと妻にそう言った。
「貴方落ち着いて、私も今手紙をもらって驚いていたのよ。」
とシャドーからの手紙を見せた。
手紙には、ダンジョン踏破の褒美として貴族位を辺境伯からいただきさらに王都で国王から更なる褒美をもらえそうだと書かれてあった。
「貴方、あの子もう私たちの手の届かない場所に行ってしまったようで、私少し寂しいわ。」
という妻に夫は
「何を言っている、どれだけ偉くなろうが息子に変わりはないじゃないか。それに手紙にも書いてある様に俺たちを引き取る考えがある様だ、俺たちもそれに相応しい親にならねば。」
と決意を新たにしたようだった。
ーー 王都へ
およそ半月後、僕らは王都へ向かう馬車の人になっていた。
辺境伯領から王都までは馬車で5日の距離
「いつかみたいな感じね。」
とカレンが言えば
「そうですね王都見学以来ですね、でも僕は親父から王都にも支店が出せる様になってこいと言われて悩んでいるんですよ。」
カミュがそう言ってぼやいた。
商人で王都に店を出せればこれに越した栄誉はない、父親が張り切るのも良くわかる。
その中で黙っているチカの様子が気になったカレンが
「チカ、どうしたの浮かない顔をして。」
「え!・・申し訳ありません。考え事をしていて・・・私両親から色々な命を受けてどうしていいかわからなくなって。」
「1人で悩まず相談してよ。私たち同じチームでしょ。」
「はい、そうでした。それでは話を聞いてください。」
とチカは話をし始めた内容は
[チカは元々カレンの警護役として行動を共にしていた。今回カレン様ともども陞爵して自分自身の身の振り方を考えなければならない立場になった。
王都でさらに陞爵されれば準男爵か男爵だろう。そうなればいつまでもカレンの警護だけとはいかなくなる、一家を興して独立も考えなければならないのだ。
そこに両親からカレンの嫁ぎ先かシャドーの拝領した領地で新しく生きてはどうかと言われたそうだ。
カレンと離れたくないチカは、それで悩んでいたのだった。]
「話はわかった、それならもし僕が領地持ちになったらカレンと2人で来ればいいじゃないか。」
と言うとパーっと明るい顔をしたチカと真っ赤になったカレンがいた。
「?」
「ここに物凄いスケコマシがいた。」
カミュの言葉でカレンの赤面した理由に気づいた僕は
「カレンお嬢様気を害しましたか?もしそうでなければ考えてくれませんか?」
と言うと
「え!それは・・・良いのね私で。」
「はい、お願いします。」
と言うとカレンも
「私こそお願いします。」
と小声で答えた。
何かイメージに違和感がある様な。
ー スリランド王国 王城にて
「国王陛下の御成りである。」
国王の登場の声お聞きながら僕らは頭を下げて待っていた。
「面をあげよ。」
厳かな声に顔をあげる、そこにはゴージャスな服を着たこれぞ国王という感じの40歳くらいの男性が王座に座っていた。
「その方らが新たにできたAランクのダンジョンを踏破したもの達は。」
少し間を置いて僕が答える
「国王様の面前で発言する栄誉を頂きたいのですが。」
「うむ、よかろう。」
「ありがたき幸せ。先ずはご質問の答えから、あのダンジョンは50階層からなるAランクのダンジョンでしたが以前Dランクとされていたダンジョンが進化したものであります。」
「そうか相わかった。そう言えばかなりの宝が出たと耳にしたが」
「はいこちらに用意したものは王家に献上するべきダンジョンの宝です。これが目録です。」
と側の兵士に渡すと国王がそれを手に取り目を通し
「これだけの宝を献上するとな、ワシもそれに報いなければならんな。」
と言ってすぐ傍に控える男性に
「宰相よ、プランCでよろしく頼むぞ。」
と言いつけた、その日はダンジョン攻略の話を幾つかした後謁見は終了した。
ー 国王の気持ち
国王は悩んでいた、王国内での王家の力が弱まっていることに。
国王派、辺境伯派それと公爵派の3つに分かれて均衡を保っていたが、今や公爵派が大きく勢力を伸ばし次期国王に自分の子供をと言い出したほど。
国王はこの難題を解決するために辺境伯派と親交を図りたいと考えていた、そこに今回のダンジョン踏破の話。
辺境伯の学校の生徒がこの偉業を果たしたと言いその中に辺境伯の娘もいる様だ。
この機会を逃さなためにも王都に呼び寄せ褒美を与え王国派に擦り寄る様に仕向けようと考えていた。
しかし辺境伯が一歩先にそれぞれを陞爵したのだ。
これではあまり旨味がない、そこで宰相と話リーダー格のシャドーに領地を与えて辺境伯の傘下から離すことにしたのだが、ちょうど良い場所に領地がない。
どこも候補地は辺境伯領からそれほど離れていないのだ。
そのためいくつかの案を準備して謁見の日が来た。
すると少年らからダンジョンの宝を王家に寄贈すると申し出がありその中身を見た国王は
思わず、「C案にせよ。」と宰相に申し付けたほどだ。
宝は
・ 身代わりの腕輪 ~5個
・ 状態異常軽減指輪 ~10個
・ 毒耐性指輪 ~5個
・ 耐魔法指輪 ~5個
・ 物理耐性ネックレス ~ 5本
・ 耐呪いの腕輪 ~5個
・ 魔法袋(中) ~3つ
・ 魔法袋(大) ~1つ
・ 金貨 ~5万枚
であった。
これは皆王族の存続を願うマジックアイテム、これを見て国王は自ら辺境伯に会い話をすることを決めたのだった。
よってシャドーらへの褒美は
・カレン ~ 子爵位 金貨1万枚
・シャドー ~子爵位 領地 金貨1万枚
・チカ ~ 男爵位 金貨5000枚
・カミュ ~準男爵位 金貨5000枚 王都に店を出す権利
と言うものになった。
僕の頂いた領地は辺境伯領の東の王都側で、ほぼ隣接していた。
近いうちに視察に行こう。
30階層のジャングルを抜けたところにその扉はあった。
「階層主だ、みんな心していけよ。」
と僕が声を掛けると
「あのう、新しい使い魔の皆さんが自分たちの力を見せたいと言っているそうです。」
と代表してカレンが火の精霊サランを抱いて申し出てきた。
「そうか、それもそうだね。君たちに任せるよ。」
と答えると皆やる気を出した顔をしていた。
扉を開き中に入ると、扉が閉まったタイミングでミノタウルスの群れとグリフォンが見えた。
すかさず闇精霊ダークと地竜スイがミノタウルスらを全て拘束して自由を奪う。
飛竜スカイと風妖精シルフが風の刃の雨を降らせミノタウルスを刈り取っていく、フェニックスのサンと火精霊のサランが火魔法でグリフォンを攻撃する。
グリフォンは怪我を負いながらも空に逃げ出すがそこに、土精霊のモーグと水精霊のピーチのアースランスと氷雪乱舞で地面に叩き落ちされて凍りつく。
トドメとばかりに皆が一斉に属性攻撃をして粉々になり倒されたグリフォン、オーバーキルだ。
皆その様子を黙って見ていたが、カレンが
「良くやりました、私はとても嬉しいです。」
と精霊達に話しかけ、他の皆んなも同じように自分の使い魔達に同じことを言うとそれぞれ満足した様な顔でニヤけていた。
宝箱は当然金、中に入っていたには・・オリハルコンのインゴットと不思議な手鏡。
鑑定すると「安否の手鏡」で知り合いの安否を確認できる物らしい。
ー 31階層~45階層
そういう訳で使い魔達があまりにも強すぎて、その日のうちに40階層の階層主まで倒し今は45階層に来ている。
「物凄く早く踏破している気がするが問題ないよね。」
カミュが僕に耳打ちしてきた
「そりゃ問題ないさ。」
と答えたがこの面子じゃ踏破できないダンジョン自体存在していないんじゃないかな。
ここまでジッとしていた僕の使い魔達が
「ご主人様この先は我らにお任せあれ。」
と言ってきたので
「そうだね、よろしく。」
と答えた瞬間、目の前はただの不毛の大地に変わっていた。
その後もダンジョン内を不毛の地に変えながらとうとう50階層の扉の前に辿り着いていた。
「ここは今までと感じが違うわね。」
一際大きな扉を前にカレンがそういうと皆も頷いていた。
どうやら今の時点での最下層はここの様だ。
「ここは多分ダンジョンボスの部屋だよ。心して臨むよ。」
と気合を入れ直して中に入るとそこには、真っ黒く爛れかけたドラゴンがいた。
「ドラゴンゾンビか!しかも元は黒竜、かなり強そうだ。」
と僕が口を滑らせたのが間違いだったのか、その瞬間ダンジョンボスは使い魔達のブレスで消し飛んでしまった。
[ダンジョンボスの討伐を確認しました。]
とのメッセージが流れ奥の扉が開いた、奥には転移陣と宝箱それにダンジョンコアがあった。
「せっかくだからここはダンジョンコアをそのままに踏破だけにしておこう。」
という僕の提案に皆が賛同して、ここのダンジョンは訓練場へなったのだった。
僕らはAランクダンジョン踏破の称号と初回踏破の褒美を山の様にもらいダンジョンを後にしたのだった。
ーー 冒険者ギルド ギルマスの部屋
「それでこれがあの進化したダンジョンの最深部までの地図と魔物の分布なのか?最深部付近の魔物の種類や分布が不明なのは何故だ?」
ギルマスは僕から受け取った地図などの資料を見ながら聞いてきた。
「そこは使い魔が全て倒したので分からなかったんです。」
正直に答える
「そうだったな、お前らの使い魔・・・ドランゴンクラスばかりだったな。」
と頭を抱えた。
「まあ、この踏破でお前達の存在は王国内外で注目の的だ。多分近いうちに王都に呼ばれてSランクパーティーとして登録され、さらにはお前は貴族になるだろうな。」
と意外な話をしてきた。
すると横で聞いていたカレンが
「おかしな事じゃないわね。これほどのダンジョンを踏破したのだから王国は貴方を王国に止めるために先ずは法衣の貴族位を与えてその後に陞爵する考えでしょうね。」
と物知り顔で答えた。
その後辺境伯の屋敷に呼ばれダンジョン踏破のパーティーが開催されたと
「我が領民による高ランクダンジョン踏破は誠にめでたい、よってそれぞれに貴族位を授けよう。」
と辺境伯様が王国より早く僕らに騎士爵と男爵位を与えた。
・ 男爵位~ シャドー 、カレン
・ 騎士爵~ カミュ 、チカ
だがそれぞれ位が違うのにも理由があった。
チカの父親は騎士団長で位は男爵だ、一度の褒美で親に並ぶのは問題がある。
カミュは商人希望なので、名誉だけをもらう感じだ。
このあと王都にいけば当然これ以上の貴族位に陞爵される、そのまま辺境伯領に返せば辺境伯の力がさらに大きくなる恐れがある。
多分僕には領地を与えて辺境伯から離そうとするだろうという話だった。
ーー スペルナ辺境伯 side
「閣下今回はうまく話がまとまりましたね。」
補佐のシェーカーが辺境伯に声を掛ける
「ああ全くだ。まさかこんなに役立つとは思わなかったが、お前が早めに準備しましょうと進言したのが良かった。これで彼らは我が辺境伯のものだ。」
「しかし国王派も別の手を考えるのではないでしょうか?多分シャドー君には陞爵と更なる領地を与えてここから離すのではないでしょうか?」
「それは当然考えられるが、今王国内で彼に与えられる領地はこの3つしかない。」
と言いながら王国の地図を見ながら言った。
「そうですね、王国派の空いてる領地はここからそれほど遠くない場所ばかりですね。」
シェーカーも地図を見ながらそう言った。
ーー シャドーの両親 side
「大変だシルエット、シャドーがまた功績を上げたぞ!」
父サンは、自宅に駆け込むと妻にそう言った。
「貴方落ち着いて、私も今手紙をもらって驚いていたのよ。」
とシャドーからの手紙を見せた。
手紙には、ダンジョン踏破の褒美として貴族位を辺境伯からいただきさらに王都で国王から更なる褒美をもらえそうだと書かれてあった。
「貴方、あの子もう私たちの手の届かない場所に行ってしまったようで、私少し寂しいわ。」
という妻に夫は
「何を言っている、どれだけ偉くなろうが息子に変わりはないじゃないか。それに手紙にも書いてある様に俺たちを引き取る考えがある様だ、俺たちもそれに相応しい親にならねば。」
と決意を新たにしたようだった。
ーー 王都へ
およそ半月後、僕らは王都へ向かう馬車の人になっていた。
辺境伯領から王都までは馬車で5日の距離
「いつかみたいな感じね。」
とカレンが言えば
「そうですね王都見学以来ですね、でも僕は親父から王都にも支店が出せる様になってこいと言われて悩んでいるんですよ。」
カミュがそう言ってぼやいた。
商人で王都に店を出せればこれに越した栄誉はない、父親が張り切るのも良くわかる。
その中で黙っているチカの様子が気になったカレンが
「チカ、どうしたの浮かない顔をして。」
「え!・・申し訳ありません。考え事をしていて・・・私両親から色々な命を受けてどうしていいかわからなくなって。」
「1人で悩まず相談してよ。私たち同じチームでしょ。」
「はい、そうでした。それでは話を聞いてください。」
とチカは話をし始めた内容は
[チカは元々カレンの警護役として行動を共にしていた。今回カレン様ともども陞爵して自分自身の身の振り方を考えなければならない立場になった。
王都でさらに陞爵されれば準男爵か男爵だろう。そうなればいつまでもカレンの警護だけとはいかなくなる、一家を興して独立も考えなければならないのだ。
そこに両親からカレンの嫁ぎ先かシャドーの拝領した領地で新しく生きてはどうかと言われたそうだ。
カレンと離れたくないチカは、それで悩んでいたのだった。]
「話はわかった、それならもし僕が領地持ちになったらカレンと2人で来ればいいじゃないか。」
と言うとパーっと明るい顔をしたチカと真っ赤になったカレンがいた。
「?」
「ここに物凄いスケコマシがいた。」
カミュの言葉でカレンの赤面した理由に気づいた僕は
「カレンお嬢様気を害しましたか?もしそうでなければ考えてくれませんか?」
と言うと
「え!それは・・・良いのね私で。」
「はい、お願いします。」
と言うとカレンも
「私こそお願いします。」
と小声で答えた。
何かイメージに違和感がある様な。
ー スリランド王国 王城にて
「国王陛下の御成りである。」
国王の登場の声お聞きながら僕らは頭を下げて待っていた。
「面をあげよ。」
厳かな声に顔をあげる、そこにはゴージャスな服を着たこれぞ国王という感じの40歳くらいの男性が王座に座っていた。
「その方らが新たにできたAランクのダンジョンを踏破したもの達は。」
少し間を置いて僕が答える
「国王様の面前で発言する栄誉を頂きたいのですが。」
「うむ、よかろう。」
「ありがたき幸せ。先ずはご質問の答えから、あのダンジョンは50階層からなるAランクのダンジョンでしたが以前Dランクとされていたダンジョンが進化したものであります。」
「そうか相わかった。そう言えばかなりの宝が出たと耳にしたが」
「はいこちらに用意したものは王家に献上するべきダンジョンの宝です。これが目録です。」
と側の兵士に渡すと国王がそれを手に取り目を通し
「これだけの宝を献上するとな、ワシもそれに報いなければならんな。」
と言ってすぐ傍に控える男性に
「宰相よ、プランCでよろしく頼むぞ。」
と言いつけた、その日はダンジョン攻略の話を幾つかした後謁見は終了した。
ー 国王の気持ち
国王は悩んでいた、王国内での王家の力が弱まっていることに。
国王派、辺境伯派それと公爵派の3つに分かれて均衡を保っていたが、今や公爵派が大きく勢力を伸ばし次期国王に自分の子供をと言い出したほど。
国王はこの難題を解決するために辺境伯派と親交を図りたいと考えていた、そこに今回のダンジョン踏破の話。
辺境伯の学校の生徒がこの偉業を果たしたと言いその中に辺境伯の娘もいる様だ。
この機会を逃さなためにも王都に呼び寄せ褒美を与え王国派に擦り寄る様に仕向けようと考えていた。
しかし辺境伯が一歩先にそれぞれを陞爵したのだ。
これではあまり旨味がない、そこで宰相と話リーダー格のシャドーに領地を与えて辺境伯の傘下から離すことにしたのだが、ちょうど良い場所に領地がない。
どこも候補地は辺境伯領からそれほど離れていないのだ。
そのためいくつかの案を準備して謁見の日が来た。
すると少年らからダンジョンの宝を王家に寄贈すると申し出がありその中身を見た国王は
思わず、「C案にせよ。」と宰相に申し付けたほどだ。
宝は
・ 身代わりの腕輪 ~5個
・ 状態異常軽減指輪 ~10個
・ 毒耐性指輪 ~5個
・ 耐魔法指輪 ~5個
・ 物理耐性ネックレス ~ 5本
・ 耐呪いの腕輪 ~5個
・ 魔法袋(中) ~3つ
・ 魔法袋(大) ~1つ
・ 金貨 ~5万枚
であった。
これは皆王族の存続を願うマジックアイテム、これを見て国王は自ら辺境伯に会い話をすることを決めたのだった。
よってシャドーらへの褒美は
・カレン ~ 子爵位 金貨1万枚
・シャドー ~子爵位 領地 金貨1万枚
・チカ ~ 男爵位 金貨5000枚
・カミュ ~準男爵位 金貨5000枚 王都に店を出す権利
と言うものになった。
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