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本編
最後のお手伝い
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キッチンで3人とお別れし、セイバースさんの尻尾を握って歩く。
もちろんエプロンは外したのでかわりに預けていたお花の鞄を装着した。
お花の鞄の中にはこれまたお花型の砂糖菓子が入っていたのでセイバースさんにもお裾分けしてから一粒食べた。
クッキーが匂いだけで食べられなかったので甘いものが欲しかったのだ。
メイドさんに感謝である。
本日最後のお手伝いに選んだのは庭の草むしりだ。
このお屋敷は庭がとても広く、本邸を中心に四つのエリアに別れている。
正面には噴水や雑木林があり緑が豊かで見目が良い。
反対に裏庭には自分用の遊具がいっぱい設置されているのでお客様には見せられないだろう。
熊と虎が住んでいる庭と建物を挟んで反対には花畑が広がっている。
今日の目的地は花畑だ。
いつもなら裏庭の遊具で遊んでしまうが、今日はお手伝いの日と決めたので花畑を目指す。
花畑にはおじいちゃん達以外の4人が居た。
若い3人が土を入れ替えている横で、掌の上で種から苗に育て上げている男が自分に気が付き、一気に花まで咲かせていた。
この不思議現象はこの庭師の男と関わると毎回必ず起きる。
最初は驚きすぎて叫んでしまっていたが、人間はすぐに順応する生き物だ。
慣れって怖い。
彼の名前はベクスト。
手先も器用でおもちゃなども作ってくれているが、彼は植物と友達であらゆる植物と意思の疎通が図れるのだ。
種から花を咲かせる事など彼には朝飯前で、彼の号令一つで植物達が一斉に踊り出したりするのである。
「ファル坊っちゃま~!!」
ベクストの掌の上で咲いている花がどんどん大きく量も増えていっているのが気になるが、とりあえず走り寄ろうとセイバースさんの尻尾から手を離した。
「ベク、きちゃよぉ」
自分ではとても速く走れている気でいるのだが、セイバースさんが普通に歩いて着いてくるのでちょっと悲しい。
運動神経が死滅している自分が転ぶ前に助けてもらえるのはありがたいが、このお屋敷のみんなは距離感を間違えている節がある。
ギル兄様が一緒の時は近距離からニコニコと見つめてくるし、ギル兄様を探して1人で歩こうとすればすぐに誰かが来て手を繋いだり、抱っこして運んでくれたりするのだ。
「ファル坊っちゃまが今日はみんなのお手伝いをしていると聞いていたんですよ。自分の所には来てくれないかと思って残念に思ってたんです」
これは何かお手伝いしてほしい事があるのだろう。
勝手に草むしりの予定にしていたが、ベクストのお手伝いを頑張る事にする。
「残念に思ってるだけであんなにソワソワしないよな」
「しっ!せっかく機嫌が良くなったんだから」
「坊っちゃまが来てくれて良かった」
3人はコソコソと話しながら肥料を取りに行ってしまったので何を話していたかはわからなかったが、ベクストが気にした様子もなく手招きしてくれたので自分もすぐに気持ちを切り替えた。
もちろんエプロンは外したのでかわりに預けていたお花の鞄を装着した。
お花の鞄の中にはこれまたお花型の砂糖菓子が入っていたのでセイバースさんにもお裾分けしてから一粒食べた。
クッキーが匂いだけで食べられなかったので甘いものが欲しかったのだ。
メイドさんに感謝である。
本日最後のお手伝いに選んだのは庭の草むしりだ。
このお屋敷は庭がとても広く、本邸を中心に四つのエリアに別れている。
正面には噴水や雑木林があり緑が豊かで見目が良い。
反対に裏庭には自分用の遊具がいっぱい設置されているのでお客様には見せられないだろう。
熊と虎が住んでいる庭と建物を挟んで反対には花畑が広がっている。
今日の目的地は花畑だ。
いつもなら裏庭の遊具で遊んでしまうが、今日はお手伝いの日と決めたので花畑を目指す。
花畑にはおじいちゃん達以外の4人が居た。
若い3人が土を入れ替えている横で、掌の上で種から苗に育て上げている男が自分に気が付き、一気に花まで咲かせていた。
この不思議現象はこの庭師の男と関わると毎回必ず起きる。
最初は驚きすぎて叫んでしまっていたが、人間はすぐに順応する生き物だ。
慣れって怖い。
彼の名前はベクスト。
手先も器用でおもちゃなども作ってくれているが、彼は植物と友達であらゆる植物と意思の疎通が図れるのだ。
種から花を咲かせる事など彼には朝飯前で、彼の号令一つで植物達が一斉に踊り出したりするのである。
「ファル坊っちゃま~!!」
ベクストの掌の上で咲いている花がどんどん大きく量も増えていっているのが気になるが、とりあえず走り寄ろうとセイバースさんの尻尾から手を離した。
「ベク、きちゃよぉ」
自分ではとても速く走れている気でいるのだが、セイバースさんが普通に歩いて着いてくるのでちょっと悲しい。
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ギル兄様が一緒の時は近距離からニコニコと見つめてくるし、ギル兄様を探して1人で歩こうとすればすぐに誰かが来て手を繋いだり、抱っこして運んでくれたりするのだ。
「ファル坊っちゃまが今日はみんなのお手伝いをしていると聞いていたんですよ。自分の所には来てくれないかと思って残念に思ってたんです」
これは何かお手伝いしてほしい事があるのだろう。
勝手に草むしりの予定にしていたが、ベクストのお手伝いを頑張る事にする。
「残念に思ってるだけであんなにソワソワしないよな」
「しっ!せっかく機嫌が良くなったんだから」
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