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第五章 葬礼
葬礼7
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ミナミと百合子ちゃんは先に二人で歩いて行ってしまったので、必然的に僕と美鈴ちゃんが並んで歩く形となった。
僕はびしょ濡れになった自転車を押して行かねばならなかったので、傘が少々邪魔だった。その様子を見て、美鈴ちゃんは僕の傘を持ってくれた。そして自分の傘を閉じて二人で一つの傘を差して歩く格好になった。
「このほうが邪魔にならなくていいですよね」
にっこり微笑む美鈴ちゃん。思わずどきりとする。これは世間でいうところの相合傘というやつなのではないだろうか。
「いいよいいよ! 僕は別に濡れたってかまわないんだから」
僕は慌てて辞退を申し出たが、美鈴ちゃんはにっこりと笑ったままで、「大丈夫ですよ。すぐそこまでだし。任せてください」と明るく返してきた。なんという優しい子だろう。普段優しくされない僕にとって、こういう優しさは反則だ。思わず涙が出そうになる。
泣きそうな自分をごまかすために、話題を変えてみた。
「そういえば、加奈子ちゃんは来てたの? 姿を見なかったけど」
「あ、はい。来てましたよ。でもやっぱりまだ本調子じゃないみたいだから、ご焼香だけ済ませて帰ったみたいです」
「そうなんだ」
「でも、よかったです。あのときミナミさんたちが来てくれたお陰で、だいぶ元気になってくれて。あのときは本当にありがとうございました」
「いや、僕は別にたいしてなにもしてないから」
こんなふうに感謝されることにもあまり慣れていない僕は、また目頭が熱くなってしまった。
「あ、あれ?」
唐突に美鈴ちゃんがそう言ったので、美鈴ちゃんの顔を振り向くと、彼女の視線は道路を挟んだ向こう側の郵便局に向けられていた。なにかと思ってそちらに視線を向けると、そこには加奈子ちゃんらしき人物が立っていた。
「あれは、加奈子ちゃん?」
「帰ったと思ってたけど、お母さんが郵便局に用事があったのかな?」
美鈴ちゃんは、「おーい、加奈子ー!」と言って、郵便局のATMの扉の前にいる加奈子ちゃんに向かって手を振ったが、向こうは気付いていないようだった。
「あれ、気付いてない。うーん、仕方ないですね。行きましょう」
美鈴ちゃんは残念そうに笑うと、再び歩き出した。
本当に友達思いの良い子なんだな、と僕はまた感動してしまった。
僕はびしょ濡れになった自転車を押して行かねばならなかったので、傘が少々邪魔だった。その様子を見て、美鈴ちゃんは僕の傘を持ってくれた。そして自分の傘を閉じて二人で一つの傘を差して歩く格好になった。
「このほうが邪魔にならなくていいですよね」
にっこり微笑む美鈴ちゃん。思わずどきりとする。これは世間でいうところの相合傘というやつなのではないだろうか。
「いいよいいよ! 僕は別に濡れたってかまわないんだから」
僕は慌てて辞退を申し出たが、美鈴ちゃんはにっこりと笑ったままで、「大丈夫ですよ。すぐそこまでだし。任せてください」と明るく返してきた。なんという優しい子だろう。普段優しくされない僕にとって、こういう優しさは反則だ。思わず涙が出そうになる。
泣きそうな自分をごまかすために、話題を変えてみた。
「そういえば、加奈子ちゃんは来てたの? 姿を見なかったけど」
「あ、はい。来てましたよ。でもやっぱりまだ本調子じゃないみたいだから、ご焼香だけ済ませて帰ったみたいです」
「そうなんだ」
「でも、よかったです。あのときミナミさんたちが来てくれたお陰で、だいぶ元気になってくれて。あのときは本当にありがとうございました」
「いや、僕は別にたいしてなにもしてないから」
こんなふうに感謝されることにもあまり慣れていない僕は、また目頭が熱くなってしまった。
「あ、あれ?」
唐突に美鈴ちゃんがそう言ったので、美鈴ちゃんの顔を振り向くと、彼女の視線は道路を挟んだ向こう側の郵便局に向けられていた。なにかと思ってそちらに視線を向けると、そこには加奈子ちゃんらしき人物が立っていた。
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本当に友達思いの良い子なんだな、と僕はまた感動してしまった。
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