【完結】見ているだけでよかったはずが、気づけば間に挟まれまして。

一花カナウ

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ふたりの部屋で。*

もっと自由でもいいんじゃないか?

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 私は首を横に振った。

「決してそんなことは」
「前から思っていたんだけどさ、もっと体の線が出るような服を着ればいいのに。胸もせっかく大きいんだから、制服のシャツにぎゅうぎゅうに押し込むんじゃなくて、もっとふんわりさせたほうがよくないかい?」

 ときどき身体への視線を感じていたが、まさかそんなことをアメシストが考えていたとは想像しなかった。汚れでもついているのかと心配していたのに。

「制服は制服ですから。きちっと決められたとおりに着ないと」

 協会から制服は支給される。ジャケットとドレスシャツ、スラックスかスカートかは任意で選べる。婚約者に逃げられてからはオシャレを楽しむ気力も湧かず、制服があるという点でも精霊使いという職業は魅力的だった。
 ちなみに制服は、この寝起きしている寮内での着用は任意である。私は寝るとき以外は制服だけど。
 私の返答に、アメシストは腕を組んで首を傾げた。

「もっと大きいのを選んでもいいと思うんだよね」
「太って見えてみっともないじゃないですか」

 逃げた婚約者が放った心ない言葉が蘇る。
 摂生のできていない身体だな、みっともないと思わないのか、と。
 当時は笑ってやり過ごしたけれど、思った以上に棘となって刺さっていたようだ。
 そうだ、あれから胸は締め付けて目立たないようにしたんだ。
 アメシストが驚いたように目を見開いた。

「みっともない? そうかな。君の姿を日常的に見ているのは僕たちなわけで、僕たちの仲間はそんな君をみっともないだなんて思わないよ?」
「ああ、そうだな。君が真面目なのは、戦術の選び方や戦績からも伝わってくるが、もっと自由でもいいんじゃないか?」

 よもやそんなことを考えていたとは思わなかった。
 でも、制服は規則で決められているとおりに着てるだけなのだ。素敵だと思っているデザインをできるだけ綺麗に着ようとしたら、規定に沿うのがよいということもある。オシャレに興味がなくなった私であるが、そもそもアレンジは得意ではない。
 私は胸元に目をやる。
 自分の大きめの胸は邪魔だと思っている。結婚して子どもを育てる予定もないので、なおさら不要なものだ。恋人を誘惑することもないし、それでいながら協会所属の男たちの興味は無駄に引いてしまうしで、とても厄介であった。目立たないように潰していてそれなのだから、アメシストたちの提案を飲んだらもっと面倒になる。

「そ、それでも、ですっ」
「僕は君のおっぱい、いいと思うけどなあ」

 アメシストの手が私の胸に伸びる。ツンと立った赤い先端を軽く指で摘んだ。甘い痺れが身体を駆け抜ける。つい仰け反ってシトリンを押してしまったが、後ろの彼は全然動かなかった。体幹がしっかりしている。

「い、いきなり触らないで」
「ここ、気持ちよくなれそう?」

 硬くなった先端を指の間に挟んで、胸を揉まれると甘い吐息がこぼれる。我慢できない。
 身体が熱い。
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