【完結】見ているだけでよかったはずが、気づけば間に挟まれまして。

一花カナウ

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ふたりの部屋で。*

どうしてほしい?

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「ふふふ。開発のしがいがありそうだ」
「そ、そういうのは……はぁ……要らないの……」
「じゃあどうしてほしい?」

 顔を覗かれると恥ずかしい。泣きたい気持ちでアメシストの顔を見る。彼は少し困ったような表情を見せた。

「肌を触れ合わせるだけで……それで、今日は終わりにして?」
「ふむ」

 探るようにじっと見つめて、それから私の背後にいるシトリンに目配せをした。

「どうしようか?」
「俺としては、この程度で果てるとは思えないが」
「だよねえ」

 よくない。よくないぞ。
 この隙に呼吸を整えようとしているのに、まだ身体の感覚が鋭くて、肌に何かが擦れるだけで反応してしまう。
 どうしてこんなことに。
 アメシストの視線が私に向けられた。

「――もう少し、僕たちと遊んでよ。痛いことはしないし、明日に影響がないように加減をするから」
「む、ムリです! いいですか、今、私、二人がかりで襲われているんですよ‼︎ 身体が保たないって言っているんですっ」

 刺激が強すぎる。
 私は男の体を知らない。女の体がどうなるかの知識は婚約したときに書物で学んだ。だが、実体験は伴っていない。精霊使いになるときに、魔力の緊急供給には交わるのが手っ取り早いので推奨されていると知ってびっくりした程度には、私は疎いのだ。
 それなのに、ふたりがかりで身体を開かれてはたまらない。鉱物人形の体力を考えると絶望すら覚えよう。

「触ってるだけだよ?」
「刺激されるだけでダメなんですって」

 全然伝わっていない。可愛く首を傾げられても困る。無邪気に戯れられたところで、こちらの身体がついていかないという訴えがちっとも伝わらない。

「ダメということはなかろう?」

 シトリンの右手が私の臍を撫でて、するりと股間に伸びる。かわせない。

「ひゃっ⁉︎」
「濡れている。受け入れる準備ができているということだと聞いているが?」

 秘裂を優しく丁寧になぞられると無視できない。シトリンの大きな手から逃れたくて背中をそらすが、小さな膨らみをくりくりとこねられてゾクリと身体を震わせた。
 じっとりと汗をかく。息が上がる。

「あんっ、や、やだっ、そこ、汚いから、やめてっ、やっ、触らないでっ⁉︎」

 わざとらしく水音を立てられると、恥ずかしさに卒倒しそうだ。身体が熱くてたまらない。

「気持ちがいいんだろう?」

 低音の響く声で囁かれて。耳たぶを軽く食まれた。

「やぁんっ」

 ゾクゾクする。何かが内側から溢れてきそうで怖い。これまでこんな感覚は味わったことがなかった。

「ああっ、やっ、助けて」

 咄嗟に手を伸ばす。アメシストは私の手を取ってくれた。

「大丈夫だよ」

 アメシストは微笑んで、私の手を彼の胸に当てる。そして口づけをくれた。

「あっ」

 舌が絡む。あやされると力が抜けていく。
 あ、これ――
 光が小さく爆ぜて、頭がきぃんと痛む。びくんと一際強く身体が痙攣し、やがて弛緩した。発汗がすごい。力がまったく入らない。
 唇が離れる。長く糸を引いているのを私はぼんやりと見つめた。
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