魔導師として宮廷入りしたので、殿下の愛人にはなりません?

一花カナウ

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挟めるだけのモノがありますので?

そして本題です。

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 被さるようにされると、なんとなく胸元が気になった。自分のものとは違う、筋肉が発達しているのがよくわかる厚い胸板。私はそっと手を伸ばして触れてみた。

「ん?」

 私の行動に、リシャール殿下は動きを止めて視線を動かす。胸に触れる私の手を見て、不思議そうな顔をした。

「たくましい胸だなあって」

 理由の説明を促されている気がして、私はあっさりと白状する。前回もじっくり見たはずだが、しばらくは飽きそうにない。

「一応、鍛えていますからね。身を守る手段は持っていたほうがいいでしょう?」
「魔法が使えないんでしたっけ」

 リシャール殿下が剣技を得意としていることは噂で知っている。その理由についても、彼が攻撃系の魔法を苦手としているからだと聞いていた。

「ええ、生まれ持った魔力が少ないので。とはいえ、補助があれば、いくつか扱えるんですよ」
「へえ……」
「それに、交わりによって魔力を得ることもできます」

 そう告げて、リシャール殿下は私の頬を撫でる。くすぐったい。

「モニックさんは魔力をたくさん秘めているようなので、私が魔法を必要とするときにはわけていただけたらと思っているんですよ」
「殿下の役に立てるのであれば、差し上げますよ」

 おそらく、攻撃系や防御系の魔法は私には扱えない。適性がないのだ。
 それはメルヒオールに魔法を習っていたときから感じていたことだが、宮廷魔導師として研修を受けている今ではなおさら身にしみて感じる。殿下の武器や盾になれないなら、魔力くらいは役立ててもらいたい。それが国民の義務というものだろう。

「……その台詞を、宮廷魔導師としての義務ではなく愛情から言わせたいものですね」

 愛情……そんなの、あなたはいらないでしょう?

 リシャール殿下は苦笑して、私に口づけをした。ねっとりとした深い口づけに、私はクラクラしてくる。

 殿下のキスが好き……

 角度を何度も変えて、喉の奥のほうを責められると、息苦しさとともに快感が湧き上がる。ヘソの下あたりが疼いて、甘い蜜が溢れる気配を感じる。殿下の首に手を回し、私は貪り貪られた。
 唇が離れると、唾液で作られた糸が名残惜しそうに互いを結んだ。熱で潤んだ空色の瞳が色っぽい。
 ああ、欲情してる。

「――モニックさん、そろそろ挟む準備に入ってもいいですか?」

 断る理由なんてない。私は素直に頷いた。

「……はい」
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