【R-18】不眠症騎士と抱き枕令嬢【書籍版後日譚】

一花カナウ

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何を触っているの?

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「レティ」

 セオフィラスがトラウザーズを脱ぐためにもぞもぞ動いていたのが静かになった。ついに全てを脱ぎ去ったのだろう。

「はい」

 レティーシャはベッドに仰向けのままで、上を被さるようにして身体を支えているセオフィラスをただ見つめた。

「まずは触ってみてください」
「いいんですか?」
「ええ。俺だってレティをたっぷり触りましたからね」

 セオフィラスに促されて素直に手を出す。

 でも、触るってどこを?

 レティーシャは少しだけ思案して、とりあえず無難に彼の胸に手を置いてみた。筋肉なのか、女性の胸と違って張りがあって硬い。

 鍛えているから硬いのよね?

 改めて、こうして男性の身体に触るのは初めてだ。これまででも見たことがあるとすれば彫刻くらいであり、当然ながら本物はない。男性が怖くて引き籠もっていただけに、服を着ている男性すらそんなに見たことはないのである。だから、セオフィラスの身体が他の男性と違うのか同じなのか、今ひとつイメージができない。
 真剣に触っていたからか、セオフィラスがクスクスと笑った。

「もっと下のほうも触っていいんですよ」
「下の……ほう?」

 確かにトラウザーズを脱ぎ去った今は何も身につけていないので、触りやすくなっている。だが、いいと言われても困った。

「レティに触って欲しいのです。どれだけあなたを求めているのか、知って欲しいから」

 胸をペタペタと触っていたレティーシャの右手をセオフィラスがそっと取ると、未知の下半身へと導かれる。

 ん?

 何かを握らされた。熱を持っていて、硬い。胸の筋肉と同じような弾力を感じる。そっと力を入れて太さを確認しようとすると、セオフィラスがつらそうに息を吐いた。

「あまり力を入れないでくださいね。はち切れてしまうかもしれないですから」
「え、ええ?」

 彼の言葉と反応を見て、握らされたそれが彼の一部であることを知る。レティーシャはまさか身体の一部だとは想像していなかった。
 慌てて手を離す。

 え、え? 待って。私、何を触っていたの? 結構太かったんですけどっ!

 太いと感じたとはいえ、腕や脚ほどではない。彼の指よりも太さがあり、指三本分よりももう少し太いような感じがした。

「怖がらないで、レティ」

 もう一度、レティーシャの手が熱を持った棒状の何かに導かれる。セオフィラスの手に包まれるような形でしっかり握らされた。

「これが男性器です。あなたの中に入ります」
「そ、そうなんですか……。太いんですね……」

 入りますと言われたが、レティーシャにはそれが可能であるのか実感が湧かない。当然のような口ぶりであることにも疑問を感じ、そう簡単には入らないだろうと結論づけた。

「ええ、そうかもしれませんね。もしかしたら、あなたを傷つけてしまうかもしれない」

 不安げに告げられたその言葉に、レティーシャはセオフィラスが行為を怖れているらしいことを察した。こうして触らせてくれたのが、自分の恐怖を取り除くためなのだと理解する。

 覚悟を決めたのだから、私が怖がる態度をしてはいけないわ。

 レティーシャは自分の左手も右手に添えた。優しく包み込む。

「セオさま。私、あなたを受け入れたいです。あなたと夫婦になりたい。子どもが欲しい。セオさまとの子どもが」

 はっきりと告げることができて安堵した。未知のことへの恐怖で声が震えてしまうんじゃないかと思っていたのに。懸命な気持ちが、そうさせたのだろうか。

 裸で抱き合ったら子どもができてしまうってランドルフさまはおっしゃっていたけど……なるほど、これが抱き合うってことなのね。抱き締めるのとは違うんですわ……。

 レティーシャの申し出にセオフィラスが嬉しそうに笑んだ。今までで一番幸せそうな、満面の笑み。

「レティ……」
「身体がびっくりしてしまうかもしれませんけど……初めてなので……どうかご了承ください……」

 あまりにも嬉しそうなので、なんだか照れ臭い。それでも目は離さなかった。ちゃんとセオフィラスを見て、しっかり気持ちを伝えて。

「知っていますよ、レティ。俺も経験が浅いですし、久しぶりなので労わることができるかわかりませんが……善処します」

 レティーシャの手が払われる。そして彼の一部だという熱を持った棒がレティーシャの股間にあてがわれた。

「んっ……」

 蜜でぬかるんだそこに擦りつけられる。指よりも太く指よりも柔らかな肉の棒は割れ目を何度も往復し、愛液を絡めていく。
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