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愛し合うということ
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レティーシャが意識を取り戻したとき、セオフィラスの心配そうな顔が目に入ってきた。不意に手を伸ばし、彼の頬を撫でて微笑む。
「セオさま……?」
何があったのか思い出せない。
えっと……結婚式があって、お披露目のパーティーがあって、それで……
記憶が薄ぼんやりしているが、一緒に寝ているらしいことはわかった。そして、目を覚ましたときに最初に彼の顔が見えてレティーシャはとても嬉しかった。眠る前は同衾していても、朝にはいつだって彼の姿がなかったから。
「レティ。無理をさせてしまいましたね」
申し訳ない気持ちがありありと表情と声に現れている。レティーシャが頬に伸ばした手にセオフィラスも自身の手を重ねた。
「目を覚まさなかったらどうしようかと思いました」
「そんな、大仰なこと」
レティーシャはクスクスと笑う。しかし、身体を起こそうと思うと腰が痛くて思うように動けない。
身体を動かしたときの痛みが顔に出ていたのだろう。セオフィラスが慌ててレティーシャの身体を支えた。
「レティ、今夜はもう横になっていていいですから。ゆっくり休んでください。身体は俺が清めて差し上げます」
「え、でも、私……」
なんのことを言われているのかと戸惑っていると、足の間から何かが漏れ出す気配を感じた。
あっ、ん? 待って、私……セオさまと一つになったんだわ!
そこでやっと自分の身に起きたことを全て思い出した。レティーシャの白い肌がみるみるうちに赤く染まる。
「えっと……」
セオフィラスは察したらしく、どこかホッとした顔をしてレティーシャのヘソのあたりを優しく撫でた。
「俺たちの子どもが産まれてくるように、あなたの中に精を放ちました。一回で子どもができるとは限りませんが、先ほどの行為はそういうものです」
精を放ちましたと言われてなるほどと思うと同時に、股から出てきたものが彼から出されたものと結びついた。
「あ、あの、漏れてきちゃったみたいなんですけど、大丈夫なんでしょうか?」
掻き集めて中に戻さなきゃならないのではないかと考えてレティーシャは狼狽える。早く手を打たねば、彼からもらったものを無駄にしてしまいそうで。
そんな様子に、セオフィラスがクスッと笑い、色気を孕んだ視線を向けてくる。
「お気になさらず。それはそういうものですから」
「そういうもの……でも、こんなにいっぱい出てきてしまったら、困るのではないでしょうか?」
セオフィラスは一回で子どもができるとは限らないと説明した。それはつまり、放たれたものがたくさんあればあるほど子ができやすくなることを意味しているのではないか――そう考えてのレティーシャの問いに、セオフィラスのアメジストの瞳はわずかに困惑の色をにじませた。
「そうですね。おっしゃるとおりでしょう」
「ああ、やっぱり! では、すぐに集めないと――」
セオフィラスが苦笑をしている。
何か変なことを口にしたかしら?
レティーシャが首を傾げてセオフィラスを見つめると口づけをされた。
「ん、セオさま?」
「笑わせないで、レティ。あなたが真面目にそうおっしゃっているのはわかるのですが……発想が、自由すぎて……くくっ……」
「す、すみません……その、今ひとつ夫婦ですることが理解できていないと言いますか……」
声を殺しながら笑われる。こらえようとしているのにできないらしい。
何がおかしいの? もう、お姉さまたちがちゃんと教えてくださらないから……!
少し腹が立ってきたところで、セオフィラスに優しく口づけをされた。
「レティは可愛い。あなたがあなたでよかったですよ。きっと、これから先もそう思う日が何度も来るでしょう。そして、レティはずっと未来で、今日の日のことを思い出してくれると信じています」
頭を撫でられるとくすぐったい。
「は、はい……」
セオフィラスが何かをぐっと飲み込んだのを感じ取ったが、これでこの話は終わりにしたいという意思も感じられて、レティーシャは頷くにとどめた。
「さあ、寝ましょうか。抱き締めて眠ってもよろしいですか?」
「はい、セオさま。喜んで」
横になったまま腕を広げたセオフィラスに、レティーシャは素直に転がり込む。足の付け根が痛むけれど、眠ればいくらか落ち着くだろうと期待して、そっと瞳を閉じたのだった。
「セオさま……?」
何があったのか思い出せない。
えっと……結婚式があって、お披露目のパーティーがあって、それで……
記憶が薄ぼんやりしているが、一緒に寝ているらしいことはわかった。そして、目を覚ましたときに最初に彼の顔が見えてレティーシャはとても嬉しかった。眠る前は同衾していても、朝にはいつだって彼の姿がなかったから。
「レティ。無理をさせてしまいましたね」
申し訳ない気持ちがありありと表情と声に現れている。レティーシャが頬に伸ばした手にセオフィラスも自身の手を重ねた。
「目を覚まさなかったらどうしようかと思いました」
「そんな、大仰なこと」
レティーシャはクスクスと笑う。しかし、身体を起こそうと思うと腰が痛くて思うように動けない。
身体を動かしたときの痛みが顔に出ていたのだろう。セオフィラスが慌ててレティーシャの身体を支えた。
「レティ、今夜はもう横になっていていいですから。ゆっくり休んでください。身体は俺が清めて差し上げます」
「え、でも、私……」
なんのことを言われているのかと戸惑っていると、足の間から何かが漏れ出す気配を感じた。
あっ、ん? 待って、私……セオさまと一つになったんだわ!
そこでやっと自分の身に起きたことを全て思い出した。レティーシャの白い肌がみるみるうちに赤く染まる。
「えっと……」
セオフィラスは察したらしく、どこかホッとした顔をしてレティーシャのヘソのあたりを優しく撫でた。
「俺たちの子どもが産まれてくるように、あなたの中に精を放ちました。一回で子どもができるとは限りませんが、先ほどの行為はそういうものです」
精を放ちましたと言われてなるほどと思うと同時に、股から出てきたものが彼から出されたものと結びついた。
「あ、あの、漏れてきちゃったみたいなんですけど、大丈夫なんでしょうか?」
掻き集めて中に戻さなきゃならないのではないかと考えてレティーシャは狼狽える。早く手を打たねば、彼からもらったものを無駄にしてしまいそうで。
そんな様子に、セオフィラスがクスッと笑い、色気を孕んだ視線を向けてくる。
「お気になさらず。それはそういうものですから」
「そういうもの……でも、こんなにいっぱい出てきてしまったら、困るのではないでしょうか?」
セオフィラスは一回で子どもができるとは限らないと説明した。それはつまり、放たれたものがたくさんあればあるほど子ができやすくなることを意味しているのではないか――そう考えてのレティーシャの問いに、セオフィラスのアメジストの瞳はわずかに困惑の色をにじませた。
「そうですね。おっしゃるとおりでしょう」
「ああ、やっぱり! では、すぐに集めないと――」
セオフィラスが苦笑をしている。
何か変なことを口にしたかしら?
レティーシャが首を傾げてセオフィラスを見つめると口づけをされた。
「ん、セオさま?」
「笑わせないで、レティ。あなたが真面目にそうおっしゃっているのはわかるのですが……発想が、自由すぎて……くくっ……」
「す、すみません……その、今ひとつ夫婦ですることが理解できていないと言いますか……」
声を殺しながら笑われる。こらえようとしているのにできないらしい。
何がおかしいの? もう、お姉さまたちがちゃんと教えてくださらないから……!
少し腹が立ってきたところで、セオフィラスに優しく口づけをされた。
「レティは可愛い。あなたがあなたでよかったですよ。きっと、これから先もそう思う日が何度も来るでしょう。そして、レティはずっと未来で、今日の日のことを思い出してくれると信じています」
頭を撫でられるとくすぐったい。
「は、はい……」
セオフィラスが何かをぐっと飲み込んだのを感じ取ったが、これでこの話は終わりにしたいという意思も感じられて、レティーシャは頷くにとどめた。
「さあ、寝ましょうか。抱き締めて眠ってもよろしいですか?」
「はい、セオさま。喜んで」
横になったまま腕を広げたセオフィラスに、レティーシャは素直に転がり込む。足の付け根が痛むけれど、眠ればいくらか落ち着くだろうと期待して、そっと瞳を閉じたのだった。
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