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第7話 夢じゃないけど現実でもない?
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「眠って待っているなんて、俺を誘っているのかい?」
耳元で囁く甘い声に、史華はそっと目を開ける。見えるはずの天井が遮られていて、ラブロマンスの社長だと自己紹介してきた彼――緒方悠の姿が見えた。覆いかぶさるように陣取って、獲物を狩ろうとしているかのような瞳で見下ろしている。
「ち、違います!」
「本当に?」
彼の視線が胸元におりてくる。その意味にピンと来なくて、史華は自分の胸元をそっと見る。肌色の部分が多い。
「え、あ、これはっ」
肌蹴てしまっている理由が思い当たらない。着古してボロボロになったピンク色のレースを、史華は慌てて手で隠す。
「ってか、イケメンだからって女のコに迫っていい特権があるわけじゃな――ひゃっ」
「大声出さないで。こんな姿、見られても良いの?」
突然口を塞がれたことにはパニックになったが、艶っぽい声で囁かれるとそれだけでぞくぞくとする。まるで、今朝まで読んでいた小説の主人公にでもなったみたい。
だが、それはそれ、これはこれ、だ。
「んんっ」
見られて良いわけじゃないが、このままでも良いというわけでもない。彼の指摘はズルい。史華が抵抗の意思を見せると、悠は苦笑した。
「夢の中くらい、素直に身体を任せれば良いのに。しょうがない子だな。現実でも頑張って」
困惑しているうちに、視界が変わっていく。
「眠って待っているなんて、俺を誘っているのかい?」
くすくすと笑う声がして、史華は目を開けた。キョロキョロと辺りを見回すと、事務用椅子に腰を下ろして楽しそうにしている緒方悠の姿があった。
史華は慌てて胸元に手を当てるが、着衣は乱れていない。
「あれ?」
「随分と面白そうな夢をみていたようだね」
キョトンとしている史華に、悠は立ち上がって近寄る。
「『イケメンだからって女のコに迫っていい特権があるわけがない』って、寝言を聞いちゃったんだけど、夢の中の相手は俺かな?」
その台詞に、史華は火が出るかと思うくらいの熱を感じた。恥ずかしすぎる。
「だ、誰だっていいじゃないですかっ! あなたには関係ないことですっ!」
ぷいっと横を向いて顔を合わせないようにしながら上半身を起こす。すると、彼の手が頭を撫でた。
「関係ない、か。俺としては、君みたいな可愛い女のコの夢の中に出演できたと聞くだけで光栄だと感じるんだけど」
「そうやって、どんな女のコでも口説くんでしょ? お世辞、ありがたく受け取っておきますね」
本気にするわけがない。そんな歯が浮くような台詞を語るのは物語の男だけだと思っていたが、探せば出会えるものなんだなと思い直しただけ。妄想に慣れ親しんできただけあって、浮つくことなく冷静に返せる。騙されるものか。現実の世界に夢は見ない。
「――史華ちゃん」
低めた真面目な声に、史華の身体はしゃんとする。頭を撫でていた悠の手が肩に下りる。
「な、なんですか。これ以上馴れ馴れしくしないでください」
悠を見ないまま彼の手を退けようとすると掴まれた。そして、壁に押し付けられる。
「駄目だよ、史華ちゃん。君にどんな過去があったのかは知らないけど、そういう態度は内面から君をブサイクに変えてしまう。それに、人の好みは様々だ。美的感覚だって細部はみんな違う。君を可愛いと感じる人間がこんな近くにいるのに、それを認めないのは相手に失礼なことじゃないのか?」
説教のような強い口調だった。そっぽを向いていた史華だったが、どんな顔でこんな台詞を言うのだろうと思って悠をちらっと見る。彼が想像していたような甘い顔ではなく、真摯な表情を浮かべていたことに、史華は素直に驚いた。
ポーズではない。つまり、この人は本気なのだ。本気の人を、馬鹿にしてしまったのだ。
史華は小さく首を横に振る。
「……冗談を」
出た声は、不信の言葉をなぞる。イケメンで社長という肩書きも持つ男が、自分みたいな十人並みの女のコに興味を持つわけがないのだ。本気だと思ってしまう方がおかしいに決まっている。
「じゃあ、どうしたら本気だと思ってもらえる? 愛の言葉を一晩中囁いて、降り注ぐような口づけをして、溶け合うくらい身体を重ねれば、理解してもらえる?」
口説かれているのだろうか。だが、どうしてこういう展開になった?
史華は悠の目を見ながら、掴まれていない方の手で自分の頬を抓ってみた。
痛い。
「……どうやら現実みたいですね」
「そうだね。――少しは信じる気になった?」
「いえ、妄想癖がひどいので、まだ疑っていますけど」
史華の冷静な返しに、悠は虚を突かれたような顔をした。
「……妄想癖、酷いんだ」
「えぇ」
真面目な顔をして頷く。この数分の間に恥ずかしい思いは何度もしたので、もう今さらのヤケクソである。史華はこれで彼が離れてくれることだろうと期待した。
期待通りに彼は壁に押し付けていた手を解放し、マットレスの上から退くと腕組みをした。
「――じゃあ、こういうことにしよう」
「?」
史華が立ち上がって作業服を整えている間、ずっと何かを思案していたらしい。やがて、悠は結論が出たらしく明るく告げた。
「俺は史華ちゃんに興味がある。でも、それは仕事のため。今進めている新商品のターゲットに君がピッタリだと感じたからだ。自分の魅力に気付いていない、それでいて他の色にも染まっていない天然色の女のコ。俺は、君が魅力ある女性なんだと気付かせたい。そのためにちょっかいを出す。――そういう設定なら、俺と付き合ってくれるかい?」
「それが本音なんじゃないですか」
夢見なくて良かったと思いながら史華は言う。
悠は大袈裟に肩を竦めた。
「本当につれないね」
「あなたは自分の顔を鏡で確認しながら、名刺に書かれた肩書きを目に焼き付けるべきだと思います」
「うん。で、俺と付き合ってくれる? ちなみに、君に拒否権はない」
「は?」
その話は終わったものと思っていたが、違うようだ。いや、そもそも、いつから付き合うだのどうのという話になったのだろう。
「承諾してね」
一見にこやかだが、目が笑っていない。
あ、あたし、この人を怒らせちゃった⁉︎
有無を言わせぬ強い語気に、史華は頷かざるを得ないのだった。
耳元で囁く甘い声に、史華はそっと目を開ける。見えるはずの天井が遮られていて、ラブロマンスの社長だと自己紹介してきた彼――緒方悠の姿が見えた。覆いかぶさるように陣取って、獲物を狩ろうとしているかのような瞳で見下ろしている。
「ち、違います!」
「本当に?」
彼の視線が胸元におりてくる。その意味にピンと来なくて、史華は自分の胸元をそっと見る。肌色の部分が多い。
「え、あ、これはっ」
肌蹴てしまっている理由が思い当たらない。着古してボロボロになったピンク色のレースを、史華は慌てて手で隠す。
「ってか、イケメンだからって女のコに迫っていい特権があるわけじゃな――ひゃっ」
「大声出さないで。こんな姿、見られても良いの?」
突然口を塞がれたことにはパニックになったが、艶っぽい声で囁かれるとそれだけでぞくぞくとする。まるで、今朝まで読んでいた小説の主人公にでもなったみたい。
だが、それはそれ、これはこれ、だ。
「んんっ」
見られて良いわけじゃないが、このままでも良いというわけでもない。彼の指摘はズルい。史華が抵抗の意思を見せると、悠は苦笑した。
「夢の中くらい、素直に身体を任せれば良いのに。しょうがない子だな。現実でも頑張って」
困惑しているうちに、視界が変わっていく。
「眠って待っているなんて、俺を誘っているのかい?」
くすくすと笑う声がして、史華は目を開けた。キョロキョロと辺りを見回すと、事務用椅子に腰を下ろして楽しそうにしている緒方悠の姿があった。
史華は慌てて胸元に手を当てるが、着衣は乱れていない。
「あれ?」
「随分と面白そうな夢をみていたようだね」
キョトンとしている史華に、悠は立ち上がって近寄る。
「『イケメンだからって女のコに迫っていい特権があるわけがない』って、寝言を聞いちゃったんだけど、夢の中の相手は俺かな?」
その台詞に、史華は火が出るかと思うくらいの熱を感じた。恥ずかしすぎる。
「だ、誰だっていいじゃないですかっ! あなたには関係ないことですっ!」
ぷいっと横を向いて顔を合わせないようにしながら上半身を起こす。すると、彼の手が頭を撫でた。
「関係ない、か。俺としては、君みたいな可愛い女のコの夢の中に出演できたと聞くだけで光栄だと感じるんだけど」
「そうやって、どんな女のコでも口説くんでしょ? お世辞、ありがたく受け取っておきますね」
本気にするわけがない。そんな歯が浮くような台詞を語るのは物語の男だけだと思っていたが、探せば出会えるものなんだなと思い直しただけ。妄想に慣れ親しんできただけあって、浮つくことなく冷静に返せる。騙されるものか。現実の世界に夢は見ない。
「――史華ちゃん」
低めた真面目な声に、史華の身体はしゃんとする。頭を撫でていた悠の手が肩に下りる。
「な、なんですか。これ以上馴れ馴れしくしないでください」
悠を見ないまま彼の手を退けようとすると掴まれた。そして、壁に押し付けられる。
「駄目だよ、史華ちゃん。君にどんな過去があったのかは知らないけど、そういう態度は内面から君をブサイクに変えてしまう。それに、人の好みは様々だ。美的感覚だって細部はみんな違う。君を可愛いと感じる人間がこんな近くにいるのに、それを認めないのは相手に失礼なことじゃないのか?」
説教のような強い口調だった。そっぽを向いていた史華だったが、どんな顔でこんな台詞を言うのだろうと思って悠をちらっと見る。彼が想像していたような甘い顔ではなく、真摯な表情を浮かべていたことに、史華は素直に驚いた。
ポーズではない。つまり、この人は本気なのだ。本気の人を、馬鹿にしてしまったのだ。
史華は小さく首を横に振る。
「……冗談を」
出た声は、不信の言葉をなぞる。イケメンで社長という肩書きも持つ男が、自分みたいな十人並みの女のコに興味を持つわけがないのだ。本気だと思ってしまう方がおかしいに決まっている。
「じゃあ、どうしたら本気だと思ってもらえる? 愛の言葉を一晩中囁いて、降り注ぐような口づけをして、溶け合うくらい身体を重ねれば、理解してもらえる?」
口説かれているのだろうか。だが、どうしてこういう展開になった?
史華は悠の目を見ながら、掴まれていない方の手で自分の頬を抓ってみた。
痛い。
「……どうやら現実みたいですね」
「そうだね。――少しは信じる気になった?」
「いえ、妄想癖がひどいので、まだ疑っていますけど」
史華の冷静な返しに、悠は虚を突かれたような顔をした。
「……妄想癖、酷いんだ」
「えぇ」
真面目な顔をして頷く。この数分の間に恥ずかしい思いは何度もしたので、もう今さらのヤケクソである。史華はこれで彼が離れてくれることだろうと期待した。
期待通りに彼は壁に押し付けていた手を解放し、マットレスの上から退くと腕組みをした。
「――じゃあ、こういうことにしよう」
「?」
史華が立ち上がって作業服を整えている間、ずっと何かを思案していたらしい。やがて、悠は結論が出たらしく明るく告げた。
「俺は史華ちゃんに興味がある。でも、それは仕事のため。今進めている新商品のターゲットに君がピッタリだと感じたからだ。自分の魅力に気付いていない、それでいて他の色にも染まっていない天然色の女のコ。俺は、君が魅力ある女性なんだと気付かせたい。そのためにちょっかいを出す。――そういう設定なら、俺と付き合ってくれるかい?」
「それが本音なんじゃないですか」
夢見なくて良かったと思いながら史華は言う。
悠は大袈裟に肩を竦めた。
「本当につれないね」
「あなたは自分の顔を鏡で確認しながら、名刺に書かれた肩書きを目に焼き付けるべきだと思います」
「うん。で、俺と付き合ってくれる? ちなみに、君に拒否権はない」
「は?」
その話は終わったものと思っていたが、違うようだ。いや、そもそも、いつから付き合うだのどうのという話になったのだろう。
「承諾してね」
一見にこやかだが、目が笑っていない。
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有無を言わせぬ強い語気に、史華は頷かざるを得ないのだった。
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