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第23話 籠で囀(さえず)る青い鳥
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停めていた深紅のクーペに乗り込むと、静かに発進する。音がしない。
「あんな場所にいきなり連れて行って悪かったね」
さっきの怒りがまだ残っているらしい。悠の声からいつもの気遣いが消えている。
「いえ……驚きはしましたけど。ただ、あぁいう場所で嘘をつくのは良くないと思います」
悠と勢津子のやり取りを反芻してみて、史華は指摘する。
「俺が嘘をついたって?」
「はい。あれではあたしと悠さんがそういう……結婚を考えている仲なのだと言っているみたいじゃないですか」
口にするには憚れるような気がして、一番言いたいことは小声になってしまう。その場をしのぐためとはいえ、あのような言い訳はしてはいけないと思った。
「君は、俺が遊びで『付き合って』と言ったんだって思っているのかい?」
「遊ばれていると思っていますよ。あたしにイケメン耐性がないから、からかっているんだって」
正直な気持ちを言ってやる。
悠が悪い人ではないらしいことはわかる。強引なところは確かにあるが、相手のことも見ているのだと知っているから。相手が本気で嫌がるようなことはできるだけ避けるようにしているのも、さっきの一件で見えてきた。
だから、彼を拒絶したいわけではない。でも、真意が見えないだけに、怖くて受け入れることもできない。
どういうつもりで、本気だなんて言ったの?
不安な気持ちになる理由が、史華にはわからない。遊ばれているのだと割り切っているのなら、こんな気持ちにはならないはず――そこまで思考して、感情の変化に気が付いた。
あたしは期待している?
「心外だな」
大通りを走っていたクーペは、急に細い脇道に逸れた。そう進まないうちに停車する。サイドブレーキをかけると、悠はシートベルトを外した。車外に出るのかと思って史華もシートベルトに手を掛けると、彼の手が重なった。
「史華ちゃん」
名前を呼ばれて顔を上げると、眼前に悠の顔が迫っていた。ひんやりとした瞳がどんどん近付いてくる。
え、待って⁉︎
シートベルトに阻まれて身動きが取れない。
「君が俺と遊ぶことを目的としているなら、俺もそういうつもりで接することにするよ」
「違いますっ⁉︎ そんなつもりじゃ――」
顔が近い。唇が触れてしまいそうな距離に思わず目を閉じ、顔を背ける。
「ひゃっ⁉︎」
無防備になった首筋を、生温かいものが這った。舐められたのだと理解するのに時間がかかる。慣れない刺激で強張った身体は、悠にシートベルトを外されると同時に背凭れごと後ろに倒された。
「良い反応だ。初心な振りをして、俺に近付いたってことかな?」
逃がさないとばかりに悠は史華の上に乗る。体重をかけることのないように意識はしているようで、こんな状況なのに触れる身体に痛みを感じない。
否定のために首を横に振ると、悠が何かに気付いたような表情を見せた。
「あぁ、ひょっとして、勢津子叔母さまと面識があったりするのかな。言うことを聞かせるために送り込んで来たって筋書きだったら、それなりに面白い物語になりそうだし」
「ど、どういう意味ですか⁉︎ あたし、あそこにいた人の誰とも知り合いじゃないですよっ⁉︎」
全員が初対面だったはずだ。緊張していてあまり覚えていないが、間違いないと言い切れる。
それはそれとして、見合いの席でのことは後回しだ。今はこの状況を打破するための方策を立てる事が先決である。何が悠にとっての地雷だったのか、史華には全く想像できない。
「どうだか。それをどうやって証明する?」
「証明はできないですけど、信じてください!」
必死に訴えるしか方法が思いつかなかった。このままでは唇を奪われるどころか、貞操も危うい。車の中でなんてと思ってしまうが、そういうシチュエーションのある小説も最近読んだので、できないことではないらしいという知識はあった。
どうしよう。どうしたら良いのだろう。
「……史華ちゃん」
切なさと息苦しさを内包した声が降ってくる。
「はるか……さん……?」
その声が、この状況には似つかわしく思えなくて。つい、彼の名前を呼んでしまう。
「史華ちゃん。俺は君を愛したいと思っているよ」
史華が名を口にしたことが、呼び水になったらしい。堰を切ったように悠の口から想いが溢れてきた。
「俺の立場だけを見て近づいてきた女性ではないと感じたから、俺は君に興味を持ったんだ。そりゃ、このルックスに釣られた女の子と遊ぶことはたくさんあったけれど、君は俺に憧れている上で避けようとしたからね。そういうところも、面白いなって思った。正直に自分のことも思っていることも話してくれていると感じられて、そういうところにも好感が持てた。自分を飾って気に入られようとしている女性に見えなかったから、新鮮だったのかもしれない。でも、俺はもっと君のことを知りたい。心も身体も、全て。そんなすべての気持ちを「本気だ」と表現したつもりだったんだ。言葉足らずで伝わらなかったのなら、今理解してくれれば構わない。足りないならいくらだって説明する。言葉で足りないなら、行動で説明する。ねぇ、史華ちゃん。教えてよ」
悠の瞳を覗く。今まで見てきたような自信が感じられない。そこにいるのは一人の女性を想い、不安に感じる男だ。
「あ、あたしは……」
何を言ったら良いのかわからない。社長という立場の人としてでも、イケメンとしての彼でもなく、緒方悠をどう思うのか。彼からの好意を受け入れることができるのか。受け入れることができないのなら、それはどうしてか。
答えは出ない。でも、何か言わなくては。
唇を動かす。声を絞り出す。
「……あたし、不安なんです。その……男性経験ないし、そもそも関係を作るのに失敗して痛い目に……遭ったから、なんか、よく、わからなくって……」
うまく言えない。言葉足らずだと自分でも思う。きっと少しも伝わっちゃいないだろう。悔しい。どうしてうまく説明できないのかと責めてしまう。
あの出来事は、就職先を逃しただけではない。未遂だったから平気だと思い込もうとしていたけれど、ショックで傷ついていたのだと今になってわかる。何もなかったと言い聞かせることで、そこを見なかったことにして、ずっと逃げて来たのだ。自分が悪いからと、相手を責めることもできず、ずっと閉ざしてきた。
あたしは、自分の恋愛が嫌になっている。
「史華ちゃん」
名前を呼ばれた。その認識と同時に抱き締められていた。
「ごめん……君を泣かせるつもりはなかったんだ」
泣かせる――その単語に、やっと自分が涙を流しているのだと把握した。
やだ、化粧が崩れちゃう。
せっかく一流のメイクアップアーティストに化粧をしてもらったのにという後悔が、さらに蘇ってきそうになっていたあの日の出来事を押しやってくれた。
「あ、いえ。だ、大丈夫です。極度の緊張状態になると涙が出ちゃうってだけで、別に悠さんの所為じゃないですから」
慌てて場を繕おうとするも、悠は放してくれない。史華は懸命に頭を働かせる。
「ね、悠さん。お腹空きませんか? 食事して、気分転換しましょう。化粧は移動中に頑張って直しますから」
頑張ってどこまで直せるだろうか。パンダ顏になっているだろうから、悠に見られたくない。どうしたものかと、メイク直しのことを集中的に考えて嫌な記憶を追い出す。
「史華ちゃん」
「はい?」
抱き締めていた腕が離れていき、史華は再び悠と向き合った。顔が近い。
「キス、してもいいかな?」
「え――っ⁉︎」
返事も待たずに、唇が軽く触れた。口付けされてしまった。でも、ほんの少し触れただけて離れてしまったから、なんとなく寂しい。
「あの、グロス、付いちゃうから――」
だから、不意にこんな台詞が出てしまったらしかった。もう口付けは終わっていたのにそんな台詞を言ったら、催促しているみたいではないか。
「それ、誘ってるの?」
ぷっと小さく吹き出して笑う彼は、これまで接してくれた優しい悠だった。
「ち、違います‼︎」
「良いよ。店に着く前に直せばいい」
もう一度重なる唇。しっかりと密着して、そのあとで唇を丁寧に舐められた。ピクリと身体が反応する。くすぐったいだけではない感覚に戸惑っていると唇が離れた。
「グロス、全部舐め取っちゃったかも」
ゴメンね、と小さく笑って悠は運転席に戻ってしまう。
「お腹が空きすぎて、史華ちゃんが美味しそうに見えるみたい。無理強いさせたくないから、今はこれで我慢するよ」
どこか満足げに聞こえる。
美味しそうって……。
最近読んだ小説のワンシーンが脳内をさっと通り過ぎ、頭をブンブンと横に振った。真っ昼間、しかも車内でなんて、ありえない。
「そ、そうしていただけて助かります……」
「続きを希望しているなら、そう言ってね」
「それはないですから、ご心配なく」
ピシャリと返すと、悠の楽しそうに笑う声が聞こえた。
「あんな場所にいきなり連れて行って悪かったね」
さっきの怒りがまだ残っているらしい。悠の声からいつもの気遣いが消えている。
「いえ……驚きはしましたけど。ただ、あぁいう場所で嘘をつくのは良くないと思います」
悠と勢津子のやり取りを反芻してみて、史華は指摘する。
「俺が嘘をついたって?」
「はい。あれではあたしと悠さんがそういう……結婚を考えている仲なのだと言っているみたいじゃないですか」
口にするには憚れるような気がして、一番言いたいことは小声になってしまう。その場をしのぐためとはいえ、あのような言い訳はしてはいけないと思った。
「君は、俺が遊びで『付き合って』と言ったんだって思っているのかい?」
「遊ばれていると思っていますよ。あたしにイケメン耐性がないから、からかっているんだって」
正直な気持ちを言ってやる。
悠が悪い人ではないらしいことはわかる。強引なところは確かにあるが、相手のことも見ているのだと知っているから。相手が本気で嫌がるようなことはできるだけ避けるようにしているのも、さっきの一件で見えてきた。
だから、彼を拒絶したいわけではない。でも、真意が見えないだけに、怖くて受け入れることもできない。
どういうつもりで、本気だなんて言ったの?
不安な気持ちになる理由が、史華にはわからない。遊ばれているのだと割り切っているのなら、こんな気持ちにはならないはず――そこまで思考して、感情の変化に気が付いた。
あたしは期待している?
「心外だな」
大通りを走っていたクーペは、急に細い脇道に逸れた。そう進まないうちに停車する。サイドブレーキをかけると、悠はシートベルトを外した。車外に出るのかと思って史華もシートベルトに手を掛けると、彼の手が重なった。
「史華ちゃん」
名前を呼ばれて顔を上げると、眼前に悠の顔が迫っていた。ひんやりとした瞳がどんどん近付いてくる。
え、待って⁉︎
シートベルトに阻まれて身動きが取れない。
「君が俺と遊ぶことを目的としているなら、俺もそういうつもりで接することにするよ」
「違いますっ⁉︎ そんなつもりじゃ――」
顔が近い。唇が触れてしまいそうな距離に思わず目を閉じ、顔を背ける。
「ひゃっ⁉︎」
無防備になった首筋を、生温かいものが這った。舐められたのだと理解するのに時間がかかる。慣れない刺激で強張った身体は、悠にシートベルトを外されると同時に背凭れごと後ろに倒された。
「良い反応だ。初心な振りをして、俺に近付いたってことかな?」
逃がさないとばかりに悠は史華の上に乗る。体重をかけることのないように意識はしているようで、こんな状況なのに触れる身体に痛みを感じない。
否定のために首を横に振ると、悠が何かに気付いたような表情を見せた。
「あぁ、ひょっとして、勢津子叔母さまと面識があったりするのかな。言うことを聞かせるために送り込んで来たって筋書きだったら、それなりに面白い物語になりそうだし」
「ど、どういう意味ですか⁉︎ あたし、あそこにいた人の誰とも知り合いじゃないですよっ⁉︎」
全員が初対面だったはずだ。緊張していてあまり覚えていないが、間違いないと言い切れる。
それはそれとして、見合いの席でのことは後回しだ。今はこの状況を打破するための方策を立てる事が先決である。何が悠にとっての地雷だったのか、史華には全く想像できない。
「どうだか。それをどうやって証明する?」
「証明はできないですけど、信じてください!」
必死に訴えるしか方法が思いつかなかった。このままでは唇を奪われるどころか、貞操も危うい。車の中でなんてと思ってしまうが、そういうシチュエーションのある小説も最近読んだので、できないことではないらしいという知識はあった。
どうしよう。どうしたら良いのだろう。
「……史華ちゃん」
切なさと息苦しさを内包した声が降ってくる。
「はるか……さん……?」
その声が、この状況には似つかわしく思えなくて。つい、彼の名前を呼んでしまう。
「史華ちゃん。俺は君を愛したいと思っているよ」
史華が名を口にしたことが、呼び水になったらしい。堰を切ったように悠の口から想いが溢れてきた。
「俺の立場だけを見て近づいてきた女性ではないと感じたから、俺は君に興味を持ったんだ。そりゃ、このルックスに釣られた女の子と遊ぶことはたくさんあったけれど、君は俺に憧れている上で避けようとしたからね。そういうところも、面白いなって思った。正直に自分のことも思っていることも話してくれていると感じられて、そういうところにも好感が持てた。自分を飾って気に入られようとしている女性に見えなかったから、新鮮だったのかもしれない。でも、俺はもっと君のことを知りたい。心も身体も、全て。そんなすべての気持ちを「本気だ」と表現したつもりだったんだ。言葉足らずで伝わらなかったのなら、今理解してくれれば構わない。足りないならいくらだって説明する。言葉で足りないなら、行動で説明する。ねぇ、史華ちゃん。教えてよ」
悠の瞳を覗く。今まで見てきたような自信が感じられない。そこにいるのは一人の女性を想い、不安に感じる男だ。
「あ、あたしは……」
何を言ったら良いのかわからない。社長という立場の人としてでも、イケメンとしての彼でもなく、緒方悠をどう思うのか。彼からの好意を受け入れることができるのか。受け入れることができないのなら、それはどうしてか。
答えは出ない。でも、何か言わなくては。
唇を動かす。声を絞り出す。
「……あたし、不安なんです。その……男性経験ないし、そもそも関係を作るのに失敗して痛い目に……遭ったから、なんか、よく、わからなくって……」
うまく言えない。言葉足らずだと自分でも思う。きっと少しも伝わっちゃいないだろう。悔しい。どうしてうまく説明できないのかと責めてしまう。
あの出来事は、就職先を逃しただけではない。未遂だったから平気だと思い込もうとしていたけれど、ショックで傷ついていたのだと今になってわかる。何もなかったと言い聞かせることで、そこを見なかったことにして、ずっと逃げて来たのだ。自分が悪いからと、相手を責めることもできず、ずっと閉ざしてきた。
あたしは、自分の恋愛が嫌になっている。
「史華ちゃん」
名前を呼ばれた。その認識と同時に抱き締められていた。
「ごめん……君を泣かせるつもりはなかったんだ」
泣かせる――その単語に、やっと自分が涙を流しているのだと把握した。
やだ、化粧が崩れちゃう。
せっかく一流のメイクアップアーティストに化粧をしてもらったのにという後悔が、さらに蘇ってきそうになっていたあの日の出来事を押しやってくれた。
「あ、いえ。だ、大丈夫です。極度の緊張状態になると涙が出ちゃうってだけで、別に悠さんの所為じゃないですから」
慌てて場を繕おうとするも、悠は放してくれない。史華は懸命に頭を働かせる。
「ね、悠さん。お腹空きませんか? 食事して、気分転換しましょう。化粧は移動中に頑張って直しますから」
頑張ってどこまで直せるだろうか。パンダ顏になっているだろうから、悠に見られたくない。どうしたものかと、メイク直しのことを集中的に考えて嫌な記憶を追い出す。
「史華ちゃん」
「はい?」
抱き締めていた腕が離れていき、史華は再び悠と向き合った。顔が近い。
「キス、してもいいかな?」
「え――っ⁉︎」
返事も待たずに、唇が軽く触れた。口付けされてしまった。でも、ほんの少し触れただけて離れてしまったから、なんとなく寂しい。
「あの、グロス、付いちゃうから――」
だから、不意にこんな台詞が出てしまったらしかった。もう口付けは終わっていたのにそんな台詞を言ったら、催促しているみたいではないか。
「それ、誘ってるの?」
ぷっと小さく吹き出して笑う彼は、これまで接してくれた優しい悠だった。
「ち、違います‼︎」
「良いよ。店に着く前に直せばいい」
もう一度重なる唇。しっかりと密着して、そのあとで唇を丁寧に舐められた。ピクリと身体が反応する。くすぐったいだけではない感覚に戸惑っていると唇が離れた。
「グロス、全部舐め取っちゃったかも」
ゴメンね、と小さく笑って悠は運転席に戻ってしまう。
「お腹が空きすぎて、史華ちゃんが美味しそうに見えるみたい。無理強いさせたくないから、今はこれで我慢するよ」
どこか満足げに聞こえる。
美味しそうって……。
最近読んだ小説のワンシーンが脳内をさっと通り過ぎ、頭をブンブンと横に振った。真っ昼間、しかも車内でなんて、ありえない。
「そ、そうしていただけて助かります……」
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