11 / 20
戦場の処女は誘惑する
戦場の処女は誘惑する・11
しおりを挟む「マーティナ?」
「はい」
背後からふんわりと抱きしめられる。直接触れ合えないもどかしさを感じつつも、これで妥協するのは悪くない気がした。
ルビがマーティナの耳元に唇を寄せる。息がかかるとくすぐったい。
「……俺はたぶん、君の期待に応えられない」
期待。
そう告げられて、なんのことなのかマーティナはすぐに思い至らなかった。
「不能ではないことは確認しましたよ?」
「そういう話じゃなくてだな……いや、そういうのも含むが……俺は攻撃に特化しているからか、理性を失うとその攻撃性が強く出る」
――なんだ、そんなことか。
マーティナはルビの大きな手に自身の手を重ねた。
「気遣ってくれるんですね」
「そりゃあ、君を貸し出した部署に対する恩や君のパートナーであるオパールに申し訳ないからな」
――ほんと、真面目だな。
マーティナは小さく笑う。
「それでも、私を大事にしようとしてくれることには変わりありませんよ」
「……そうだろうか」
――ルビさんは本当に優しいな。
ふと、過去に受けた忌まわしい出来事が脳裏をよぎる。気づいたら、誰にも話さないつもりでいたことが口から漏れ出た。
「私、能力検査のときに、その……ひとにはあまり言えないようなことを、されたので、ルビさんの気遣いがすごく嬉しかったんですよね」
ルビの手がビクッとわずかに震えたのが伝わった。
――ああ、ルビさんはあの検査で何があったのかも知ってるのか……
あの日のことが思い出されそうになったタイミングで、ルビの手が私の頭を撫でた。嫌な記憶が薄れていく。
「オパールだって同じような振る舞いをしていたと思うが」
「オパールさんのそれは……遠慮というか、なんか、壁を感じてしまって。大事にしてくれているのはそうなんでしょうけど、わざと深入りしないように距離を置いているような、そんな感じで」
腫れ物に触るようなよそよそしさはなんなのだろう。思い過ごしだと最初は考えていたけれど、ともに過ごせば過ごすほど違和感を覚えるのだ。
マーティナは言葉を続ける。
「仕事以外でも、付き合いはあるんですけどね。一緒に買い物に行ったり、食事に行ったり、それは楽しいんですけど、異性として見れないし、魔力供給という面では、ある程度は情動も関与するので、相手に特別な感情があったほうが都合がいいんですけど、どうにもうまくいかなくって。魔力の相性でパートナーは決まっているんでしょうけどね。やっぱり仲のいいお兄さんくらいにしか思えないんで、少し、離れてみたかったんですよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる