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戦場の処女はカラダをひらく
戦場の処女はカラダをひらく・3
しおりを挟む顔にかかりそうな髪を耳にかけて、マーティナはルビに口づけた。拒むためか逃げようとするのを、マーティナは彼の頬に手を添えて固定する。
――これでよし。
唇を舌でなぞる。小さな唇が震えている。唇を軽く食んで、口元が緩んだ隙に舌を差し込んだ。
「んっ……」
拒まれている。
マーティナは支える手に力を込めた。
――なんで? さっきは受け入れてくれたのに。
一度離れて、唇を乱暴に拭う。魔力供給ができなかった。マーティナは焦る。
――口移しを拒むなら、他の手段を使うけど……いいの?
魔物との交戦の前に回復のために口づけで行った魔力供給はスムーズだった。マーティナ主体でなんら問題なく回復させることができたのだ。
同じようにしているつもりなのに、ルビは協力する気がないらしい。
「ルビさん……私、あなたとホームに帰りたいんです。私の魔力なら、まだたくさん溜め込んでいるので分け与えても問題ないんですよ? だから、拒まないで。一緒に戦果報告しましょ?」
ルビの頬に流れる汗を手のひらでゆっくり拭う。その手を払うことはないが、反応もない。
呼吸は荒いまま。ルビの魔力は乱れている。
「このままだと、私……キス以上のことをあなたにしないといけなくなる。無理やりしますけど、いいんですか?」
眠る前のやりとりがなかったら、こんなに困らなかった。必要だからと、彼にまたがり体を開くことを選べた。
――私……
自分の体については別に構わない。それで彼を救えるなら、マーティナにとってはむしろ嬉しいくらいだ。
だが、ルビはそれを望んでいない。必要な処置であるのに、知ったら軽蔑されるような気がして躊躇ってしまう。
――ルビさんに軽蔑されるのは嫌だ……
だからといって、このまま彼が苦しむ様を見続けるのは耐えられない。核が無事なので、衰弱して機能を停止するだけで、ホームに戻れれば回復できるだろう。だけれど、一度機能を停止したことによる記憶へのダメージは避けられないのだ。
――嫌だけど、でも、今のルビさんがいなくなってしまうのは、もっと……
マーティナは決心して上着を脱ぎ捨てる。上半身だけ裸になって、ルビの上半身に身体を密着させた。触れた場所が温かくなる。ルビの体はとても冷えていた。
「ルビさん」
肌が触れて、魔力が接着面から送られる。
それと同時に、ルビの能力がマーティナを興奮させる。自然と肌が汗ばんできた。
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