戦線の処女(おとめ)は気高き紅玉を番(つがい)に決める

一花カナウ

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戦場の処女はカラダをひらく

戦場の処女はカラダをひらく・4

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「……私、あなたが紅玉の鉱物人形だからこうなるわけじゃないんですよ。あなたがあなただから、触れたいと願うんです。勘違いなんかじゃない。だから、あなたが引け目に感じることはないの」

 深い口づけをする。追い出そうとしてくる彼の舌に自分の舌を丁寧に絡めて、なだめてやる。逃げるように振る舞っていたが、次第に力が抜けてきた。彼が感じやすいように口の中を舌先で優しく探り、反応を見ながらかける力に強弱をつける。

 ――気持ちがいい……

 体が熱い。夜明け前の冷気に包まれているはずなのに、何も被らずとも寒さを感じることはなかった。
 マーティナは口づけを続けながら、ルビの前をくつろげる。硬く勃ちはじめた場所に手を添えて、丁寧にさすった。
 ルビが震えている。

 ――これでいいのかわからないけど……ルビさんが気持ちがよければ、それがいいのよね?

 ほどほどの刺激を続けて、マーティナは唇を離した。ルビの顔を見る。彼はゆっくりと目を開けた。ぼんやりとしていた目に、紅い光が宿る。

「……マーティナ?」
「ルビさん」

 意識を取り戻したとわかって安堵した瞬間、上下がぐるりと入れ替わった。マーティナの視界にはルビの顔と、壊れかけの天井が映る。かと思えば、その視界もすべてルビになってしまった。

「んんん!」

 荒々しい口づけ。マーティナが困惑しているうちにルビに胸を揉みしだかれる。ただ揉んでいるわけではなく、どう触れれば快感を与えられるかを探るようなそんな慎重さも持ち合わせていた。

「やぁっ」

 尖り始めていた胸の先端を指先でこねられるとジンジンと疼いた。何が起きているのか理解できない。
 唇が離れたところで、マーティナは大きく息を吸い込んだ。呼吸が乱れる。体が熱を持つ。

「マーティナ」
「や、あ、あのっ」

 いつのまにか彼の手のひらが内腿を撫でている。マーティナは甘く震えた。この先に起こることを期待している。

「俺は忠告したはずだ」

 赤い瞳がマーティナを映す。

「で、でも。緊急事態だったんです。魔力が失われたら、よくないから」
「魔力切れ程度で俺が消えるわけじゃない」

 彼の手が下着の上をなぞっている。そこにあるものの形を確認するように擦られると、下着が肌に貼り付くのがわかった。濡れている。

「あっ……んんっ、で、でも、魔力切れで停止した場合、記憶情報に齟齬が発生しやすくなるから、ひゃっ、やっ、ルビさん、情報の欠け方によっては、あなたがあなたじゃなくなっちゃう」

 気持ちがよくなる場所があるのは知っている。マーティナ自身、そこがどこなのかよくわかっていなかったにもかかわらず、ルビはすぐにそこを見つけて丁寧に刺激を送ってきた。意識が快楽に向かってしまって、うまく会話ができない。
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