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水鏡の深淵
燻るカラダを慰めて 1
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実家のそばまで送ってもらった。龍司も実家暮らしだから、行き先は同じである。
昇太たちを乗せた車を見送って、私がマンションのエントランスに向かおうとすると背後から抱き締められた。
「龍ちゃん?」
「ホテル、行かないか?」
途中で渋滞に捕まって、現在十八時過ぎ。まだ明るさが残る時間帯だ。
「夕食じゃないんだ」
「幸菜がほしい」
彼の大きな手が腹を撫でるとゾクっとした。夏場は薄着だから感触が生々しく伝わってくる。よろしくない。
「待って」
「君は頷くだけで良いんだ」
仕方がない。私は頷いた。
******
タクシーを捕まえて移動する。旅行の荷物は持ったままだ。
「……どうしたの?」
「せっかく二人きりだと思った」
「……そう」
ビジネスホテルのツイン。部屋に入るなり私は手を引かれてベッドに押し倒された。唇を塞がれる。
「んっ……」
舌が絡む。下着ごとズボンを脱がされて、彼の指先が曝け出された私の秘部をなぞった。
「あっ」
「濡れてるな」
「しゃ、シャワー浴びてからに」
「しっかり馴染ませよう」
「やっ」
指が中に挿し込まれた。私の気持ちのいい場所をこそぐように動かされて腰が動く。
「あっ、ああっ」
「急かしているつもりはないんだが……気持ちがよさそうだな」
私は必死に頷いた。このまま一度達してしまいたい。
「君は誰に抱かれている?」
「りゅぅ」
「そうだ。俺に抱かれている」
「どうしたの?」
「幸菜」
指が引き抜かれる。そしてすぐに熱い塊が穿たれた。様子がいつもと違う。
「んっ」
「悪いな。ゴムをつけてない」
「子どもが欲しくなった?」
昇太夫婦とその息子と一緒に過ごしたのだ。そういう気分になってもおかしくはない。パーティのあと、私に子どもが欲しくなったのかと聞いてきた彼なのだ。違和感はないだろう。
「そうだったら、幸菜は嬉しいか?」
「あなたが望むなら、喜ばしく思うよ」
「……そうか」
「んぅ」
私の中で彼がピクピクと動いた。私は思わず身じろぎをする。
「はっ……幸菜を汚してしまいたいと思っただけなんだが……俺は幸菜との子どもが欲しいのかもしれない」
自覚。
そうか、この反応はそういうものなのか。
私は薄く笑う。
「……素直ね」
「くっ……締めつけないでほしい。うっかり出てしまったら――」
「できちゃったらできちゃったでいいよ」
私なら構わない。仕事が落ち着いている今なら調整しやすいからと、妙に冷静に計算してしまう。
龍司は困惑しているようだった。
「だが」
「私を乱す約束してたし」
「……それとこれとは」
「好きにしなよ、龍ちゃん」
「可愛いことを言わないでくれ。理性が」
そう告げながら、龍司は軽く腰を動かして私を抉る。ひときわ高い声が上がった。
「幸菜」
「だ……出す気があるなら、覚悟を決めなさいよ」
急かすように私は彼をキツく締めた。龍司が唸る。
「楽しめるなら、ナマでいいんだが」
「意気地なし」
私は腰をひいて起き上がった。
「ちゃんと避妊具、つけよう。貸して。私がつけてあげる」
「付け方、わかるのか?」
「教えて。知っておいた方がいいでしょう?」
「……そうだな」
龍司は脱ぎかけのズボンのポケットから避妊具を取り出して、私に一つ寄越した。
「向き、大事だからパッケージをよく見て」
「うん」
中身を取り出して、龍司の股間から伸びる大きな器官に被せていく。興味深い。
「……ちゃんと見たの初めて」
「見せないからな」
「私のは念入りに見るくせに」
「挿れるのに困るじゃないか」
「そういう理由なんだ」
「痛い思いをさせたくないし」
起き上がったついでにティーシャツを脱がされる。ブラジャーは着けたままだ。
「それ、私に入ってくるんだよね?」
「ああ。全部入る」
「へえ……」
「この辺まで、入っているんじゃないか?」
脱がしたついでに、龍司の手が私のへそのあたりに伸びて撫でた。
「ええ……」
「俺の上に座ってみればわかる」
「挿れるの?」
「いや、無理しなくていいが」
「じゃあ、試してみる」
ベッドの端に座る龍司の上に載るように腰を下ろしていく。彼の勃った部分を蜜口に当てると、すんなりと呑み込まれてくれた。
「んん……」
「痛むなら、無理しなくていい」
「この体勢になるときって、いつも入ってたから、なんか」
奥まで届いてはいない気がするが、膝の上に座ることには成功した。お腹が少し苦しい。
「大丈夫か?」
「多分」
案じてくれるのが嬉しい。ほっとしたら愛液が溢れたようで、より奥に彼が呑まれた。
「俺は気持ちいいぞ」
背後からぎゅっと抱きしめられる。汗でベタついているのだけど、それがまた密着感があって恍惚とした。
「この辺りに届いているんじゃないかな」
彼の大きな手がへそのあたりを撫でるとゾクゾクとした。私の反応が密着してるがゆえに伝わったのだろう、彼は少し強めに腹を押さえてきた。ビクッと一度だけ強く痙攣をして、中の熱を締め上げる。
「くっ……いい反応だな」
無防備な首を龍司は舐めてくる。そして耳を捕らえるとしつこく舌を這わせてきた。
「ああっ」
「たくさん声を出していいぞ」
「ひゃあっ」
耳は舐められ、胸を揉まれる。つんと勃った胸の先をいじられるとゾクゾクして視界が白む。
「りゅぅっ」
「ここもお待ちかねだろう?」
右手が結合部に伸びた。膨らんだ粒に指先が触れる。
「ああっ」
グッと熱を締め上げた。彼の形がよくわかる。
「中がうねってる」
「きもちいいの」
「動いたほうがいいだろうか」
「りゅぅの好きにしていいよ」
「あまり煽らないでくれ」
「乱してよ」
「……気持ちよくなれるよう、努めよう」
その言葉を真面目だなと思うと同時に、龍司は自信がないのだと直感した。だから、私が昇太に抱かれているところを見たくなったのだろう。
私は不安にさせるようなことをしているのだろうか。気持ちがいいのは事実なのに。
「幸菜」
繋がったままベッドに俯せにされた。腰が上がる。ぐっと奥に挿し込まれた。
「あんっ」
「そそられるな……」
私の中が拡げられていくのがわかる。抽挿で水音がしている。
「ひゃあっ」
ゾクゾクと奥の方から迫り上がってくるものがある。一定のリズムで奥を叩かれると意識が全部持っていかれて何も考えられない。
「あっあっあっ」
「……出すぞ」
ぐっと奥を貫かれて擦り付けるようにされる。彼から熱が放たれたのがわかった。
「ああっ……やっ、だめ、まだっ」
引き抜かれる刺激で頭の中が真っ白に弾けた。快感が駆け巡る。痙攣する体を抑えるために両手で自身の肩を抱いた。シーツが肌に触れるのさえ官能に変わるからおかしくなりそうだ。
「すごいな……」
「りゅぅ……よかったよ、とっても」
言葉で伝えないと伝わらない。頭の奥まで痺れていて言葉が出てこないのが悔しい。
懸命に手を伸ばせば、龍司は困ったように笑ってその手を取ってくれた。
「綺麗だったよ、幸菜」
「りゅぅ」
口づけをもらう。自分から舌を絡める余力は持っていなかったのだけど、あやすように龍司に絡め取られたらふわふわと意識がとろんとしてくる。
「可愛い幸菜。俺と一緒に住もう?」
「毎日こんなにされたら、無理」
「それは……前向きに考えよう」
どこかで譲歩してくれるのだろうか。落とし所があればいいけれど――そんなことをぼんやり考えている間に意識が飛んだ。
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