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ユニコーンと誘拐
事態、急転
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「なぁ、そこにいるんじゃないのか?」
ドアがゆっくりと開く。そこに立っていた老婆は大きな声で笑った。
「かっかっかっ」
「どうして邪魔をする?」
「……おやおや。邪魔などしてはおらんよ」
一歩踏み出して中に入るなり視線をここにいる全ての人間に向け、最後に俺に目を留めた。そのままレキとの会話を続ける。
「気になることがあって様子を窺いに来ただけじゃ。止めはせん。行きたいなら行くが良い」
「なら」
「好きにするが良い。それもまた運命じゃろうて」
そこまで言って、俺に向けてにっこりと微笑んだ。どことなくほっとしたような表情である。
「運命、ねぇ……」
呟いたのはミキ。不安な気持ちがにじんでいた。
「さて、御姉様よ」
「はい?」
いきなり話を振られたので吃驚したぞ。声が変に裏返ってしまったじゃないか。
「決心してくれたようで嬉しいよ。武運を祈るぞ」
「は、はい」
――何をどうすりゃいいのかわかったもんじゃないけどな。しかも武運って、俺は何と戦いに行くというというのだ? 運命というものにか? 残念ながらそいつにゃ勝てる気がしねぇぞ。
「――ところで、気になることってなんですか?」
首を傾げて問うたのはトキヤ。おばば様が気になるものは彼だって気になるだろう。そういえば妙なことを口走っていたな。レキの対応もなんか不自然だったし。
「いやいや。ここで会って確認できたからもう何の心配もないよ」
「何を確認しに?」
トキヤはなおも食いつく。ひょっとしたらおばば様に止めてもらいたいのかも知れない。俺たちがこれからしようとしていることを。
その問いに対し、老婆は作っていた笑顔を別のものに変えてトキヤに視線を移した。
「お前たちの運命を、と言っておこうかな」
射るような視線がここにいる誰かに向けられた。そのあとに背を反らして豪快に笑う。独特のカ行の笑い。こんな笑い方をする人間が本当にいるとは。
いや、注目すべきはそこじゃないな。おばば様は別の何かを確認するためにここにやってきたはずだ。エリーを走らせたのは俺たちの出発を遅らせるためだろうけど、俺を呼びに走らせたのが本当ならおばば様がここに登場する必要はないはずだ。――そう、ここにいる誰かに会いに来たという方が自然。そうだな、おばば様が用があるとするなら……。
「あ、あの……」
微妙な空気の中小さく手を挙げたのはエリー。老婆は笑うのをやめてそちらに視線を移す。
「わたしは一体何のために……?」
「おぬしは良い仕事をしてくれた。もう戻って良いぞ。ありがとう、助かったよ」
にっこりとした笑顔をエリーに向けて老婆は答える。彼女は腑に落ちないような表情をしていたが、やがて笑顔を作るとペコリと頭を下げて退場した。正直、俺としても彼女がどうして出てこなくてはいけなかったのか疑問だ。こんなに早くおばば様が到着するなら彼女はいらないはずだ。演出のためだろうか? ――まさかな。
「――で、本題は?」
腕を組んで睨むような視線をおばば様に向けたのはレキ。非常に不満げである。
「今ので全部じゃよ」
「なら、おばば様もここから帰るだろう?」
「ふむ。するどいな」
おばば様は表情を堅くする。
「それに、エリーを走らせたのにも意味があるだろう?」
「まぁねぇ。わしは最近足腰に自身がなくてのぅ。間にあわんと思ってだな……」
嘘つけ。そんなに背筋がしゃっきりしているのにそれはないだろう。
「違うね」
やけにきっぱりとレキは言い切る。
――んっと、なんか引っ掛かったぞ。パン屋のお嬢さんがエリーってことは、ミキが午前中にレキに話していた台詞からすると、確かこんなことを言っていたよな。「花屋のローザやパン屋のエリーに顔出さなくて良いの? 浮気してるって告げ口してやるんだからっ!」とかなんとか。
「噂好きの彼女をここに向かわせたのは、俺たちがしようとしていることを町中に伝えるためだ。彼女が俺たちの事情を詳しく知らずとも、この格好を見りゃどこに行こうとしているのかくらいわかるだろう。先に彼女を帰したのもその目的の為じゃないのか?」
レキの推理の披露を受けて、老婆は片目をきゅうっと細めた。かなり不気味な左右非対称の表情。
そういえばトキヤとパン屋に行ったとき、彼女はすでに俺がここでお世話になっていることを知っていたんだっけ。てっきりこの町の規模が小さな所為で情報の伝達が早いものと思っていたが、なるほど彼女はとりわけ情報を得るのが早かったというわけか。
「……回転が速いのう」
「だけど、おばば様を出し抜くには足りなかったみたいだな」
二人して小さく笑う。なんか周りが外野になっているんですけど。
「レキ、お前が言ったとおりじゃ。このことを知らせるためにエリーを走らせた。彼女の主観で出来事は伝わるじゃろうて」
「あんまり期待できそうにねーな」
レキは苦笑する。トキヤ、ミキの表情を窺うが、二人とも視線を部屋の隅っこの何もない場所に向けて気まずい表情をしている。
「……ますますここに居づらくなりそうだ」
――どういう意味だ? ますますって。それに他のきょうだいの表情も妙だ。そうだ、住民たちが彼らに向けている視線、あれだって……。
俺は何かに気付いたのだが、そこで割り込みが掛かったので思考は中断。そのうえ気付いたことまで忘れてしまった。割り込んできたのは……。
「はい、もしもし?」
電源を切っていたはずのスマホが例のメロディーを奏で始めたのである。
それはデフォルトで入っていた曲であり、菜摘だけに割り振っていたものであった。というのも、姉貴がらみでの緊急電話が多くてすぐに反応できるようにしたためであるのだが。
それゆえに条件反射で電話を取ってしまうらしい。あのときのも気が動転していたからだけではなかったようだ。
「ねぇねぇ、大変なの!」
かなり慌てている様子が伝わってくる。しかし俺には状況がちっともわからない。
「何がだ?」
「空が綺麗なグリーンなのよ」
――なんだって?
「まわりもよく知らない場所だし、ってか、それに気付いて思わず空を見たら真緑で吃驚したんだけど」
――ってか、どうして俺に電話をする?
と不思議に思っていると、その答えも彼女は続けた。
「そんで、この不思議現象を伝えようとあちこち電話掛けてみたんだけど、どこも現在使われてないとか何とかってアナウンスがかかってきて」
――ちょっと待て! それってまさか!
変な汗をかいてきた。まさかその前の電話も、こっちの世界から掛けてきたんじゃ……。
「いいか、落ち着け、朝比奈」
俺は声をひそめて壁際に寄る。隠れるにももうどうでもよくなっている。電話に出てしまったのが間違いであったと後悔するのは通話が切れたあとになるだろう。
「そこはどこだ? 何が見える?」
「どこって言われても、あたしの知らない場所だよ」
パニックになっている様子でおろおろした口調。
「いいから見える物を答えるんだ」
俺の声にも焦りがにじんでいる。――これは大事なことなんだ、菜摘。お前までこっちの世界に来たんじゃないかっていう不安を解消するためにも。
「えっとね……緑色の空と、白い雲でしょ。あとね、広大な原っぱ。遠くに煙が見えるから、その向こうに町があるんだと思う。まるで異世界ね。あとね、真っ白な石でできた建造物が近くにあるよ。結構大きいの。そうね、ギリシャとかにありそうな建物だよ。神殿って言った方がしっくりくるかなぁ?」
俺はそこまで聞くと、通話側を押さえてトキヤに顔を向ける。
「トキヤさん! ユニコーンの神殿って真っ白な石でできていませんか? 入口に柱みたいなのが立っている感じの」
「あぁ、確かにそういう造りだけど?」
いきなり話を振られてきょとんとした表情を浮かべるも、トキヤはすぐに答えてくれた。
「町の中心から離れた場所にありますよね? ここから行くには原っぱを抜ける必要があるんじゃないですか?」
「あぁ、うん。そうだよ。だけど、なんでそれを?」
「ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて顔の向きを変えると再び電話を耳に当てる。トキヤには悪いが、今はそれどころじゃない。
「いいか、朝比奈。そこでじっとしてろ。すぐに迎えに行ってやる」
「迎えに? ここが何処だかわかるの?」
驚きと喜びが混じっているような声が聞こえる。そりゃまあ当然だよな。
「あぁ。詳しい話はあとだ。無事に合流できたら説明してやるよ。だからそこを動くなよ」
「うん。周君、ありがとう」
じゃあ切るからなと言いかけたとき、さらに新たなる割り込みが掛かった。
「きゃあっ!」
菜摘の悲鳴と耳をつんざくような爆発音。そしてそれは受話器越しだけでなく、この部屋にまで響いてきた。時間差が微妙にあったのは距離のためか。
「朝比奈!」
俺は思わず叫んだが、通話はそこで切れてしまった。慌ててリダイアルするが通じない。
――これはまずいぞ。
俺が焦ってスマホをいじっている間に、再びドアが開かれた。息を切らして飛び込んできたのはさっきやってきたエリーだった。
「大変ですっ! おばば様! ししし神殿がっ! 神殿から煙が!」
この部屋の空気がさらに重く冷たいものに変わったのを肌で感じ取った。
ドアがゆっくりと開く。そこに立っていた老婆は大きな声で笑った。
「かっかっかっ」
「どうして邪魔をする?」
「……おやおや。邪魔などしてはおらんよ」
一歩踏み出して中に入るなり視線をここにいる全ての人間に向け、最後に俺に目を留めた。そのままレキとの会話を続ける。
「気になることがあって様子を窺いに来ただけじゃ。止めはせん。行きたいなら行くが良い」
「なら」
「好きにするが良い。それもまた運命じゃろうて」
そこまで言って、俺に向けてにっこりと微笑んだ。どことなくほっとしたような表情である。
「運命、ねぇ……」
呟いたのはミキ。不安な気持ちがにじんでいた。
「さて、御姉様よ」
「はい?」
いきなり話を振られたので吃驚したぞ。声が変に裏返ってしまったじゃないか。
「決心してくれたようで嬉しいよ。武運を祈るぞ」
「は、はい」
――何をどうすりゃいいのかわかったもんじゃないけどな。しかも武運って、俺は何と戦いに行くというというのだ? 運命というものにか? 残念ながらそいつにゃ勝てる気がしねぇぞ。
「――ところで、気になることってなんですか?」
首を傾げて問うたのはトキヤ。おばば様が気になるものは彼だって気になるだろう。そういえば妙なことを口走っていたな。レキの対応もなんか不自然だったし。
「いやいや。ここで会って確認できたからもう何の心配もないよ」
「何を確認しに?」
トキヤはなおも食いつく。ひょっとしたらおばば様に止めてもらいたいのかも知れない。俺たちがこれからしようとしていることを。
その問いに対し、老婆は作っていた笑顔を別のものに変えてトキヤに視線を移した。
「お前たちの運命を、と言っておこうかな」
射るような視線がここにいる誰かに向けられた。そのあとに背を反らして豪快に笑う。独特のカ行の笑い。こんな笑い方をする人間が本当にいるとは。
いや、注目すべきはそこじゃないな。おばば様は別の何かを確認するためにここにやってきたはずだ。エリーを走らせたのは俺たちの出発を遅らせるためだろうけど、俺を呼びに走らせたのが本当ならおばば様がここに登場する必要はないはずだ。――そう、ここにいる誰かに会いに来たという方が自然。そうだな、おばば様が用があるとするなら……。
「あ、あの……」
微妙な空気の中小さく手を挙げたのはエリー。老婆は笑うのをやめてそちらに視線を移す。
「わたしは一体何のために……?」
「おぬしは良い仕事をしてくれた。もう戻って良いぞ。ありがとう、助かったよ」
にっこりとした笑顔をエリーに向けて老婆は答える。彼女は腑に落ちないような表情をしていたが、やがて笑顔を作るとペコリと頭を下げて退場した。正直、俺としても彼女がどうして出てこなくてはいけなかったのか疑問だ。こんなに早くおばば様が到着するなら彼女はいらないはずだ。演出のためだろうか? ――まさかな。
「――で、本題は?」
腕を組んで睨むような視線をおばば様に向けたのはレキ。非常に不満げである。
「今ので全部じゃよ」
「なら、おばば様もここから帰るだろう?」
「ふむ。するどいな」
おばば様は表情を堅くする。
「それに、エリーを走らせたのにも意味があるだろう?」
「まぁねぇ。わしは最近足腰に自身がなくてのぅ。間にあわんと思ってだな……」
嘘つけ。そんなに背筋がしゃっきりしているのにそれはないだろう。
「違うね」
やけにきっぱりとレキは言い切る。
――んっと、なんか引っ掛かったぞ。パン屋のお嬢さんがエリーってことは、ミキが午前中にレキに話していた台詞からすると、確かこんなことを言っていたよな。「花屋のローザやパン屋のエリーに顔出さなくて良いの? 浮気してるって告げ口してやるんだからっ!」とかなんとか。
「噂好きの彼女をここに向かわせたのは、俺たちがしようとしていることを町中に伝えるためだ。彼女が俺たちの事情を詳しく知らずとも、この格好を見りゃどこに行こうとしているのかくらいわかるだろう。先に彼女を帰したのもその目的の為じゃないのか?」
レキの推理の披露を受けて、老婆は片目をきゅうっと細めた。かなり不気味な左右非対称の表情。
そういえばトキヤとパン屋に行ったとき、彼女はすでに俺がここでお世話になっていることを知っていたんだっけ。てっきりこの町の規模が小さな所為で情報の伝達が早いものと思っていたが、なるほど彼女はとりわけ情報を得るのが早かったというわけか。
「……回転が速いのう」
「だけど、おばば様を出し抜くには足りなかったみたいだな」
二人して小さく笑う。なんか周りが外野になっているんですけど。
「レキ、お前が言ったとおりじゃ。このことを知らせるためにエリーを走らせた。彼女の主観で出来事は伝わるじゃろうて」
「あんまり期待できそうにねーな」
レキは苦笑する。トキヤ、ミキの表情を窺うが、二人とも視線を部屋の隅っこの何もない場所に向けて気まずい表情をしている。
「……ますますここに居づらくなりそうだ」
――どういう意味だ? ますますって。それに他のきょうだいの表情も妙だ。そうだ、住民たちが彼らに向けている視線、あれだって……。
俺は何かに気付いたのだが、そこで割り込みが掛かったので思考は中断。そのうえ気付いたことまで忘れてしまった。割り込んできたのは……。
「はい、もしもし?」
電源を切っていたはずのスマホが例のメロディーを奏で始めたのである。
それはデフォルトで入っていた曲であり、菜摘だけに割り振っていたものであった。というのも、姉貴がらみでの緊急電話が多くてすぐに反応できるようにしたためであるのだが。
それゆえに条件反射で電話を取ってしまうらしい。あのときのも気が動転していたからだけではなかったようだ。
「ねぇねぇ、大変なの!」
かなり慌てている様子が伝わってくる。しかし俺には状況がちっともわからない。
「何がだ?」
「空が綺麗なグリーンなのよ」
――なんだって?
「まわりもよく知らない場所だし、ってか、それに気付いて思わず空を見たら真緑で吃驚したんだけど」
――ってか、どうして俺に電話をする?
と不思議に思っていると、その答えも彼女は続けた。
「そんで、この不思議現象を伝えようとあちこち電話掛けてみたんだけど、どこも現在使われてないとか何とかってアナウンスがかかってきて」
――ちょっと待て! それってまさか!
変な汗をかいてきた。まさかその前の電話も、こっちの世界から掛けてきたんじゃ……。
「いいか、落ち着け、朝比奈」
俺は声をひそめて壁際に寄る。隠れるにももうどうでもよくなっている。電話に出てしまったのが間違いであったと後悔するのは通話が切れたあとになるだろう。
「そこはどこだ? 何が見える?」
「どこって言われても、あたしの知らない場所だよ」
パニックになっている様子でおろおろした口調。
「いいから見える物を答えるんだ」
俺の声にも焦りがにじんでいる。――これは大事なことなんだ、菜摘。お前までこっちの世界に来たんじゃないかっていう不安を解消するためにも。
「えっとね……緑色の空と、白い雲でしょ。あとね、広大な原っぱ。遠くに煙が見えるから、その向こうに町があるんだと思う。まるで異世界ね。あとね、真っ白な石でできた建造物が近くにあるよ。結構大きいの。そうね、ギリシャとかにありそうな建物だよ。神殿って言った方がしっくりくるかなぁ?」
俺はそこまで聞くと、通話側を押さえてトキヤに顔を向ける。
「トキヤさん! ユニコーンの神殿って真っ白な石でできていませんか? 入口に柱みたいなのが立っている感じの」
「あぁ、確かにそういう造りだけど?」
いきなり話を振られてきょとんとした表情を浮かべるも、トキヤはすぐに答えてくれた。
「町の中心から離れた場所にありますよね? ここから行くには原っぱを抜ける必要があるんじゃないですか?」
「あぁ、うん。そうだよ。だけど、なんでそれを?」
「ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて顔の向きを変えると再び電話を耳に当てる。トキヤには悪いが、今はそれどころじゃない。
「いいか、朝比奈。そこでじっとしてろ。すぐに迎えに行ってやる」
「迎えに? ここが何処だかわかるの?」
驚きと喜びが混じっているような声が聞こえる。そりゃまあ当然だよな。
「あぁ。詳しい話はあとだ。無事に合流できたら説明してやるよ。だからそこを動くなよ」
「うん。周君、ありがとう」
じゃあ切るからなと言いかけたとき、さらに新たなる割り込みが掛かった。
「きゃあっ!」
菜摘の悲鳴と耳をつんざくような爆発音。そしてそれは受話器越しだけでなく、この部屋にまで響いてきた。時間差が微妙にあったのは距離のためか。
「朝比奈!」
俺は思わず叫んだが、通話はそこで切れてしまった。慌ててリダイアルするが通じない。
――これはまずいぞ。
俺が焦ってスマホをいじっている間に、再びドアが開かれた。息を切らして飛び込んできたのはさっきやってきたエリーだった。
「大変ですっ! おばば様! ししし神殿がっ! 神殿から煙が!」
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