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翠玉の女王は微笑まない
*10* 9月5日木曜日、放課後
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残されて、紅《こう》は犯人とおぼしき影を目で追う。男子生徒のようだ。
「――良かった紅ちゃん。ここにいたんか」
話し掛けてきたよく知る声に、紅は視線を移動させた。くるりとした癖毛、丸い眼鏡を掛けた少女は海宝《かいほう》真珠《まじゅ》だ。
「真珠。良かったって、あたしに何か用?」
「山香《やまが》先生が紅ちゃんを呼んでるゆうて、隣のクラスの子が探していたんよ」
「地学部の顧問があたしを? 何の用だろう……。職員室に行けばいいのかな?」
「地学室だって言ってた。部活の出し物の話じゃない?」
文化祭は今週末だ。地学部では管理している鉱物を展示することが決まっていたはずだ。
「わかった。行ってみるよ。ありがとう」
礼を告げると、紅は地学室のある四階に向かう。
「――良かった紅ちゃん。ここにいたんか」
話し掛けてきたよく知る声に、紅は視線を移動させた。くるりとした癖毛、丸い眼鏡を掛けた少女は海宝《かいほう》真珠《まじゅ》だ。
「真珠。良かったって、あたしに何か用?」
「山香《やまが》先生が紅ちゃんを呼んでるゆうて、隣のクラスの子が探していたんよ」
「地学部の顧問があたしを? 何の用だろう……。職員室に行けばいいのかな?」
「地学室だって言ってた。部活の出し物の話じゃない?」
文化祭は今週末だ。地学部では管理している鉱物を展示することが決まっていたはずだ。
「わかった。行ってみるよ。ありがとう」
礼を告げると、紅は地学室のある四階に向かう。
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