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血玉髄は太陽を追って
*2* 10月11日金曜日、放課後
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放課後。
紅が光と一緒に待ち合わせ場所として指定された星影の森に着いたとき、すでに抜折羅、遊輝、蒼衣の三人は揃っていた。
「お待たせ。一人になると危ないからって、光に送ってもらっちゃった」
三人に声を掛けると、光に向き直る。
「いつもありがとね」
「いえいえ。――しかし、こうして並んでいるのを見ると、なかなか華やかですわね」
微笑みながら光がのほほんと言う。紅には彼女の感覚がよくわからないのだが、宝杖学院の女生徒たちの大半にはそう思われているらしい。
「ふふっ、そうでしょ? 紅ちゃんにもっと言ってあげてよ。どんだけこの学院の乙女が憧れている状況なのか、わかってないみたいだからさ」
大袈裟に言う遊輝を、紅は冷ややかな目で見つめる。
「自分で言うと価値が下がりますよ、先輩」
「えー、どうして紅ちゃんはこの希少性を理解してくれないのかなぁ」
むすーっとしてじっと紅を見つめる。
紅が先に視線を外した。
そんなやり取りをしている紅と遊輝を見て、楽しそうに光が笑う。
「うふふ。憧れの白浪先輩と仲良くなれてよかったですわね」
視線を蒼衣、抜折羅の二人に向け、光は続ける。
「星章先輩と少し距離ができて寂しそうにしていた春先からすれば、今はすっかり関係も回復しているみたいですし、金剛くんもアメリカから戻ってきて安心できましたものね」
「ひ、光っ!?」
慌てて紅は光と三人の間に入って手を握る。恥ずかしさで身体から火が出そうだ。
「ちょっと、何言ってくれるのよっ!!」
「全部本当のことじゃありませんか」
「本当とか、そういう問題じゃなくてっ!!」
言いながら、紅は三人を指差す。そんな話を本人を目の前にして言ってくれるな、というジェスチャー。
「……わたくしだって紅ちゃんの幼なじみです。ヤキモチくらい焼きますのよ?」
三人には届かない音量で、光は呟く。その顔には子どもが悪戯を成功させたときのような笑みが広がっている。つまり、あの発言はわざとなのだ。
「――ではわたくしは用事がありますので、この辺で。紅ちゃんをよろしくお願いいたしますわ」
紅の手をそっと解くと、光は三人に頭を下げる。
「長月さん、いつも紅の面倒をみてくださりありがとうございます。貴女も周囲には気を付けてくださいね」
「はい。――これで失礼いたします」
蒼衣と言葉を交わすと、光は立ち去った。
「光ちゃんって、なかなか面白い子だね。大和美人で雰囲気はおっとりしているのに、言いたいことはズバッと言うタイプ。紅ちゃんのそばには必要な友だちだね」
光の背中が完全に見えなくなったところで、遊輝が感想を述べる。
「小学生時代からの親友ですよ。前はもうちょっとオブラートに包んだ物言いをしていたと思うんですけど」
「それは紅ちゃんが鈍いからじゃない?」
「鈍い?」
「うん。色々な意味で」
遊輝の顔を見ると、あぁやっぱり紅ちゃんはわかってないんだね、と爽やかな笑みの下に書いてある。その態度が面白くなくて、紅は話を進めることにした。
「――で、今日はどうします? たいていの施設は回り終えてしまいましたけど」
〝氷雪の精霊〟探しの再開である。これまで思い付く限りの学内施設を巡ったが、ヒントすら見つけ出せていない。約束の期日まで、今日を入れても三日しかないのに。
しかし、発見できていない状況は将人の方も同じらしかった。直接の戦闘は先週だけで落ち着いていたが、放課後や早朝にペンジュラムを握って校内を散策している彼の目撃情報が今朝まであったからだ。
紅の問いに、抜折羅がズボンのポケットから小さな布製の袋を取り出して答えた。
紅が光と一緒に待ち合わせ場所として指定された星影の森に着いたとき、すでに抜折羅、遊輝、蒼衣の三人は揃っていた。
「お待たせ。一人になると危ないからって、光に送ってもらっちゃった」
三人に声を掛けると、光に向き直る。
「いつもありがとね」
「いえいえ。――しかし、こうして並んでいるのを見ると、なかなか華やかですわね」
微笑みながら光がのほほんと言う。紅には彼女の感覚がよくわからないのだが、宝杖学院の女生徒たちの大半にはそう思われているらしい。
「ふふっ、そうでしょ? 紅ちゃんにもっと言ってあげてよ。どんだけこの学院の乙女が憧れている状況なのか、わかってないみたいだからさ」
大袈裟に言う遊輝を、紅は冷ややかな目で見つめる。
「自分で言うと価値が下がりますよ、先輩」
「えー、どうして紅ちゃんはこの希少性を理解してくれないのかなぁ」
むすーっとしてじっと紅を見つめる。
紅が先に視線を外した。
そんなやり取りをしている紅と遊輝を見て、楽しそうに光が笑う。
「うふふ。憧れの白浪先輩と仲良くなれてよかったですわね」
視線を蒼衣、抜折羅の二人に向け、光は続ける。
「星章先輩と少し距離ができて寂しそうにしていた春先からすれば、今はすっかり関係も回復しているみたいですし、金剛くんもアメリカから戻ってきて安心できましたものね」
「ひ、光っ!?」
慌てて紅は光と三人の間に入って手を握る。恥ずかしさで身体から火が出そうだ。
「ちょっと、何言ってくれるのよっ!!」
「全部本当のことじゃありませんか」
「本当とか、そういう問題じゃなくてっ!!」
言いながら、紅は三人を指差す。そんな話を本人を目の前にして言ってくれるな、というジェスチャー。
「……わたくしだって紅ちゃんの幼なじみです。ヤキモチくらい焼きますのよ?」
三人には届かない音量で、光は呟く。その顔には子どもが悪戯を成功させたときのような笑みが広がっている。つまり、あの発言はわざとなのだ。
「――ではわたくしは用事がありますので、この辺で。紅ちゃんをよろしくお願いいたしますわ」
紅の手をそっと解くと、光は三人に頭を下げる。
「長月さん、いつも紅の面倒をみてくださりありがとうございます。貴女も周囲には気を付けてくださいね」
「はい。――これで失礼いたします」
蒼衣と言葉を交わすと、光は立ち去った。
「光ちゃんって、なかなか面白い子だね。大和美人で雰囲気はおっとりしているのに、言いたいことはズバッと言うタイプ。紅ちゃんのそばには必要な友だちだね」
光の背中が完全に見えなくなったところで、遊輝が感想を述べる。
「小学生時代からの親友ですよ。前はもうちょっとオブラートに包んだ物言いをしていたと思うんですけど」
「それは紅ちゃんが鈍いからじゃない?」
「鈍い?」
「うん。色々な意味で」
遊輝の顔を見ると、あぁやっぱり紅ちゃんはわかってないんだね、と爽やかな笑みの下に書いてある。その態度が面白くなくて、紅は話を進めることにした。
「――で、今日はどうします? たいていの施設は回り終えてしまいましたけど」
〝氷雪の精霊〟探しの再開である。これまで思い付く限りの学内施設を巡ったが、ヒントすら見つけ出せていない。約束の期日まで、今日を入れても三日しかないのに。
しかし、発見できていない状況は将人の方も同じらしかった。直接の戦闘は先週だけで落ち着いていたが、放課後や早朝にペンジュラムを握って校内を散策している彼の目撃情報が今朝まであったからだ。
紅の問いに、抜折羅がズボンのポケットから小さな布製の袋を取り出して答えた。
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