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2:魔導師として宮廷入りしたので、研修生には課題があります。

今夜は特別授業です。※2章完結

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 今夜は、宣言したように特別授業だ。

「ああ、んっ、メルヒオール、さま、これ、待って、だ、だめっ……」

 採取してきた蔓を操り、下着姿のアルフォンシーヌを縛り上げる。座った状態で両足を大きく開かせる。腕は背中側でまとめ、胸を差し出すような形で固定すると、発達中の小さな胸も見栄えがよくなった。
 アルフォンシーヌが身じろぎすれば蔓が少しずつ食い込んでいき、分泌液が滲み出る。身体を締め付ける役目を与えられていない蔓が彼女の太腿を這って、やがて秘部のあたりを擦り始める。胸の先端も同じように蔓が進み、スリスリと動き始めた。

「め、メルヒオールさま、止めて、ちょっ、安全か、あっ、どうかも、んんっ、わかんないものをっ、あたしで実験、んんっ、あっ、やっ!」

 分泌液で下着が溶け始め、秘部がさらけだされた。淡い薔薇色のそこはつやつやと光を返している。
 胸を覆っていたシュミーズも溶けて、ツンと尖った胸の先端の赤い色がよく見えた。
 メルヒオールの意識がそこに向いたからか、蔓は色付くその場所を丹念に擦る。分泌液も増し、水音が響き始める。

「お、お願い、っひっ、こんなのっ、や、なのっ」

 涙目で訴える彼女の肌は、快感を得始めているからか赤く上気している。湿り気が増しているのは、蔓の分泌液だけでなくアルフォンシーヌの体液も混ざり始めたからだろう。

「本当に服だけを溶かすみたいですね」

 アルフォンシーヌの肌に傷がないのを、メルヒオールは顔を寄せて確認する。ぬるぬるしているが、それだけだ。

「助け、てぇ、ね、ねぇ!」

 懸命に堪えるアルフォンシーヌの胸の先を、メルヒオールは手袋をはめた手で擦る。生地が傷むかと予想したが、アルフォンシーヌが身に付けていたシュミーズのように溶けたりはしなかった。

 彼女のものだけ溶けている?

 宮廷魔導師の衣類はだいたいが支給品だ。特殊な魔法で加工されている特注品であり、給料の一部として与えられている。
 メルヒオールの衣類は師範代という立場である都合もあって、魔法耐性が軒並み高い。手袋が溶けない理由に耐性をあげることはできるかもしれないが、それだけではないような気がする。
 それに、あの場にいたラウルのローブも腐蝕は見られなかった。

「アル? 君の服は支給品ではないのですか?」

 下着が全て溶けて全裸になってしまったアルフォンシーヌの拘束を解く。息が上がっている彼女は恨めしそうにメルヒオールを見上げて答えた。

「支給品ですけど……それが?」

「俺の持ち物は溶けないようなので」

 告げて、分泌液が付着した手袋をはずして渡す。
 アルフォンシーヌはそれを受け取ると不思議そうに見つめ、腹部に残る粘着質な液体を擦り付けてまじまじと観察していた。

「確かにそうですね……」

 納得しかねる様子であるが、渋々頷いている。目の前で起きている事象が観測のとおりだからだろう。

「後ほどほかの人の持ち物でも試してみますが、たぶん、溶けるのは君の持ち物だけでしょうね」

「え?」

「誰かが仕組んでいるのですよ。君を陥れるために」

 告げて、彼女がいるベッドに上がる。アルフォンシーヌを組み敷き、口づけをした。
 身体が期待をしているのか、彼女の身体がぶるっと小さく震えた。

「陥れる……なぜ?」

「気に食わないのではないですかね、最年少宮廷魔導師が」

 理由を察していたが、メルヒオールはそれを隠して別の理由を挙げる。覚えていない彼女に説明するとなると長くなる。
 それ以上に、告げてしまった後の影響が気がかりだった。まだ、そのときではない。

「嫉妬深い人が多いのね……」

 ため息。やがてその息が甘さを帯びる。アルフォンシーヌの首筋に口づけをしたからだ。

「心配しないで。俺が守ります」

 その誓いはあの日から変わらない。

「心強いです……メルヒオールさま……」

 身体を委ねられたのがわかった。深い口づけで快感を引き出してやると、アルフォンシーヌは短い舌で応じてくれた。

 次の任務の話は明日でも構わないか……。

 せっかく気持ちが昂ぶってきたのに、それを壊すのは無粋というものだろう。
 メルヒオールはアルフォンシーヌへの愛を心の中で囁きながら、優しく抱いたのだった。

《第2章 完》
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