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6:魔導師として宮廷入りしたので、やれることだけやってみます!

キスだけではダメでした

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 互いの舌が絡まると、自然と気持ちが高揚した。唾液が混ざり合い、クチュクチュと鳴る。

 あたしからこういうことをしたことがないから、どうするのがよいのかわかんないけど……心地いい。

 アルフォンシーヌは夢中でキスをした。メルヒオールはいつもこんな気持ちでキスをしてくれていたんだろうか――なんて一瞬脳裏をよぎったが、快楽に流されてしまう。
 唇を離すと、別れを惜しむように銀糸が互いを結んだ。

 あたしのほうは準備ができてきたみたいだけど、メルヒオールさまはどうかしら?

 彼は相変わらず眠ったままだ。だが、ひどくうなされていた状態からは変化があったらしく、熱を帯びた吐息は感じられても苦しそうには見えない。
 アルフォンシーヌはそっとメルヒオールの股間に手を伸ばす。優しく撫でてみるが、横に倒れたままだった。

「……難しいわね」

 そう簡単にはいかないだろうと覚悟しているつもりではあったが、もう少し反応が欲しかった。

 次は、キスをしながら直接刺激を与えてみようかな……。

 さわさわと棒の部分を撫でてみる。手ではあまり触らせてくれないので、緊張でドキドキしてしまう。

 フニャっとしてる……。

 およそ人体の一部とは思えない柔らかさだ。これが行為の準備ができるとあんなに硬くなるのだから、少し不思議だ。
 口づけをしながら撫でていたが、どんな状態なのか気になってくる。彼の股間を観察するためにアルフォンシーヌはメルヒオールの上からおりた。

「うーん……?」

 おそるおそる先端をつまみ、持ち上げてみる。この部分が硬くならなければ交わることができない。

 どうすれば気持ちよくなれるのかしら?

 彼の部分を見つめながら、自分のこれまでの行為を思い出す。
 メルヒオールはアルフォンシーヌの股間を舐めてくれた。それは濡らすためだけではなく、快感を引き出すためでもある。達することもあるのだから、間違いなく気持ちがいいのだろう。

 あたしは気持ちいいけど、男性も性器を舐められると気持ちいいのかしら?

 握ってしごいてみるといいとは助言されているが、ある程度の硬さが出てからがいいのか、この状態でもいいのか、詳しい話を聞き損ねたことにアルフォンシーヌは気づく。

 握って、舐めてみるか……。

 男性は挿入して動かすと気持ちがいいらしいので、包まれるのもありだろう。しごく動きも擬似的なものだと考えられる。
 人差し指と親指で作った輪を先端の丸い部分と棒の部分の間にあるくぼみに引っ掛ける。そのまま持ち上げて、裏になっていた部分を根元から指の輪のあたりに向かってツッと舐めてみた。
 ピクッと反応がある。メルヒオールの身体が少し震えた気がした。

 彼の魔力の状態は悪くはなさそう、かな。少し魔力を吹き込みながらやってみるか……。

 眠っているメルヒオールに、今触れている人物がアルフォンシーヌであるのだということをできる限り伝えたい。相手がアルフォンシーヌだとわかってもらえたほうが、よりリラックスできるだろう。事故を未然に防ぐのに効果的なはずだ。

「メルヒオールさま。もう一度触れますよ」

 声をかけ、アルフォンシーヌは男性器をねっとりと舐める。そして先端を口に含み、棒の部分を優しくしごいた。

「んあっ……」

 メルヒオールの声がして、わずかながら身じろいだ。
 アルフォンシーヌはメルヒオールが拒んでいないことを彼の纏う魔力から感じ取ると、そのまま動作を続けた。

 少し硬さが増したかしら?

 悪くない兆候だ。口に含んだ先端を舌で刺激しながら、少しずつ強く握って彼をしごき続けた。

 なんか変な気分……。

 恍惚としてきたのに気づいて、アルフォンシーヌはハッと動きを止めて唇を離した。

「メルヒオールさま、早く起きてくれないと、あたし、一人で達しちゃいそうなんですけど……」

 互いに汗をかいている。握った彼の部分は硬さが出てきた感じだ。最初と比べても質量が増している。
 アルフォンシーヌはメルヒオールの顔を見ながら、今度は彼の股間の上に腰を下ろした。濡れてヌルヌルになった秘部を彼の硬くなり始めたその部分に押し当てる。そしてゆっくりとスライドさせ、擦り付けた。

「メルヒオールさま、わかりますか? あたし、あなたに触れてこんなに濡らしちゃったんです。責任を取ってくれませんか?」

 腰をゆっくりと動かし、快感を貪る。こういう形でメルヒオールの身体で気持ちよくなるのは、ちょっと背徳感もあって余計に煽られる。

「メルヒオールさま」

 腰を動かせば水音が響く。自分でその音を出しているのだと意識すればするほど、アルフォンシーヌは興奮していた。

 挿れる前にイきそう……。

 アルフォンシーヌの息は徐々に上がり、汗も流れ落ちる。腰を振りながら、自分の気持ちのいい場所を積極的に刺激する。

「メルヒオール……さま、ぁっ」

 彼の名前を何度も呼びながら擦り付けているうちに、アルフォンシーヌは小さく達した。身体がブルリと震えて、メルヒオールの胸に顔をつける。
 肌と肌を触れ合わせ、行為で高まった魔力を送り込む。口づけをしてもよかったのだが、そんな余裕はなかった。
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