3 / 42
第002話、冒険者ギルドで転職だ! 研修一日目、前編
しおりを挟む
2022/03/04、修正してます。
俺は朝から冒険者ギルドの前に来ている。
「ここが、冒険者ギルドかぁ」
結局あれからヨシムさんが辞めた後に、俺も退職を申し出た、特に引き止められることもなくあっさりと退職できた、皆から引き留められてたヨシムさんとはえらい違いだ、まぁ俺は期待されてなかったしな。
***
心を落ち着かせて、冒険者ギルドの扉を開く、朝から多くの人で賑わっている、強そうな人が多い、俺は緊張しながら受付に向かった。
受付Aさんは明るい笑顔で挨拶をしてきた。 スラッとした女性だ、可愛いという印象だが、目つきがなんとなく怪しい雰囲気がする、少し寒気も感じる、なぜだろう。
※ 受付Aの名前は後日の話で出します。
「ようこそ、冒険者ギルドへ~、初めての方ですね、登録ですか~?」
「はい、よろしくお願いします」
俺も挨拶を返すと、受付Aさんは紙を机の上に出してきた。
「こちらの紙に記入をお願いします~」
どうやら名前や前の職業等を書き込む履歴書のようなものだ。 俺は間違えないように気を付けながら、書いていった。 受付Aさんは俺と紙を見比べている。
「えーと、名前はサルナスさんですね、以前は魔法道具を作ってた、体格はまぁまぁ、顔つきは、、、あまり強そうではないですね~、大丈夫ですよ、依頼は様々ですから~」
(顔つきで強さがわかるのか? なんかダメって言われてる気がする)
次に受付Aは水晶を机の上に出してきた、透明で透き通っている、大きさは片手に乗るくらいだ。
「適正を調べるために、この水晶に手をおいてくださ~い」
受付の女性が手を置くように促してくる、俺は片手で水晶の上に手を置く、ひんやりと冷たい感触だ。
「これでいいですか?」
「ではリラックスしてくださ~い」
水晶は光り出し、受付側に何か浮き出ている、文字のようだが俺の方からはよく見えない、周りに情報が漏れないようにとの配慮だろう。 その文字を見ながら受付Aさんは困惑した表情をしている。 何か問題でもあったのだろうか。
「ん? ん~、、、 あれ~?」
「どうかしました?」
(えっ? まさか俺には適正が無いとか?)
そんな顔されると、俺も不安になってくる。 そして受付Aさんは顔を水晶から俺の方へ向けて、変なことを言い出した。
「……サルナスさんは女性ですか~?」
「いや、男ですよ、見ての通り」
(何言ってんだこの人)
受付Aさんはまだ困っている表情だ。
「ですよね~ じゃあこれって、、、ちょっと待ってくださいね~」
受付Aさんは奥の部屋にバタバタと走っていった。 俺は困惑しながら、受付でそのまま待つ、数分後、受付Aさんはもう一人の男性を連れて戻ってきた。
(あれ? もう一人連れてきた)
「お待たせしました~」
受付Aさんが連れてきた男性が俺に話しかけてくる。
「あなたがサルナスさん? ん~男性ですよね?」
先程と同じ質問をされた、どう見ても男なのに、さっきからなんなのだろうか。
「はい」
「鑑定士のワンといいます、実は水晶での鑑定に不備があったようで、私の魔法で鑑定させていただいても、よろしいでしょうか?」
「あ、別にいいですけど」
鑑定士は俺に向かって手をかざし、鑑定魔法を行った、鑑定の結果は意外なものだった。
「鑑定! ん!? これは、、、どうやら水晶は間違ってはいないようです、あなたには "治癒師" の適正がありますね」
鑑定の結果が不思議に思われた留学は "治癒師" という職業にある、俺が知ってる範囲で "男の治癒師" はいない、もしかしたら知らないだけで、実はいるのかな。
「治癒師? 俺にはそんな適正が、でも男の治癒師って聞いたことないような」
受付Aさんも、同じ意見のようで、説明してきた。
「それはそうですよ~、女性に出る適正です~、男性にはいません」
「えっ! そうなんですか?」
それなら俺はどうして適正が出たのだろう。
「はい~、大昔の記録には存在した"らしい"という話もありますが、私の知る限りでは男の治癒師はいません~」
受付Aさんの説明によると、この世界では治癒師は女性だ、それが当たり前、優しいイメージが強く、男性に人気で、一部では天使とも言い表されている、最高位の治癒師は"聖女"と崇められることもあるらしく、地域によっては信仰の対象にもなりうるらしい。
「最初は水晶の故障かと思ったんですが~」
「俺が治癒師? でも俺は男ですよ、そこに間違いはないです」
俺は生まれた時から男だ、まさかいつの間にか変化したのか? 俺は少し混乱している。
「そうなんですけど~、水晶でも鑑定魔法でも治癒師と出たので、こちらも間違いないと思います~」
俺が考え込んでいると、受付Aさんは研修の提案をしてきた。
「とりあえずギルドで研修を受けませんか? 新人さん向けにここで研修を行っていますので~」
「ぜひお願いします」
俺は即答して、研修に申し込みをした。
「わかりました~、では明日のこの時間にギルドに来てください~」
「わかりました」
俺は冒険者ギルドを出て、家に向かった。
***
帰宅、俺は椅子に座り、ボ~っと考えている。
「まさか"治癒師"に適正があるとはなぁ、でも女性だけの仕事なんだよな、男の俺にやっていけんのかな… 一応テキストをもらったけど」
俺は冒険者ギルドでもらった入門テキストを手に取り、ざっと読んでみる。
【治癒師入門! 基礎の基礎!】
『まずは怪我の治癒魔法です! 怪我を治すには慈愛の心を持ち、傷を治したいと切に願い、祈りを込めます、その心に神が答えてくれるのです!』
「なんか曖昧な内容だな、具体的にどうしたらいいんだ? 明日の研修に行けばわかるか、今日はもう寝よ、ぐ~」
俺はテキストを放り投げ、布団へ寝転がり、そのまま眠りにつく。
俺は朝から冒険者ギルドの前に来ている。
「ここが、冒険者ギルドかぁ」
結局あれからヨシムさんが辞めた後に、俺も退職を申し出た、特に引き止められることもなくあっさりと退職できた、皆から引き留められてたヨシムさんとはえらい違いだ、まぁ俺は期待されてなかったしな。
***
心を落ち着かせて、冒険者ギルドの扉を開く、朝から多くの人で賑わっている、強そうな人が多い、俺は緊張しながら受付に向かった。
受付Aさんは明るい笑顔で挨拶をしてきた。 スラッとした女性だ、可愛いという印象だが、目つきがなんとなく怪しい雰囲気がする、少し寒気も感じる、なぜだろう。
※ 受付Aの名前は後日の話で出します。
「ようこそ、冒険者ギルドへ~、初めての方ですね、登録ですか~?」
「はい、よろしくお願いします」
俺も挨拶を返すと、受付Aさんは紙を机の上に出してきた。
「こちらの紙に記入をお願いします~」
どうやら名前や前の職業等を書き込む履歴書のようなものだ。 俺は間違えないように気を付けながら、書いていった。 受付Aさんは俺と紙を見比べている。
「えーと、名前はサルナスさんですね、以前は魔法道具を作ってた、体格はまぁまぁ、顔つきは、、、あまり強そうではないですね~、大丈夫ですよ、依頼は様々ですから~」
(顔つきで強さがわかるのか? なんかダメって言われてる気がする)
次に受付Aは水晶を机の上に出してきた、透明で透き通っている、大きさは片手に乗るくらいだ。
「適正を調べるために、この水晶に手をおいてくださ~い」
受付の女性が手を置くように促してくる、俺は片手で水晶の上に手を置く、ひんやりと冷たい感触だ。
「これでいいですか?」
「ではリラックスしてくださ~い」
水晶は光り出し、受付側に何か浮き出ている、文字のようだが俺の方からはよく見えない、周りに情報が漏れないようにとの配慮だろう。 その文字を見ながら受付Aさんは困惑した表情をしている。 何か問題でもあったのだろうか。
「ん? ん~、、、 あれ~?」
「どうかしました?」
(えっ? まさか俺には適正が無いとか?)
そんな顔されると、俺も不安になってくる。 そして受付Aさんは顔を水晶から俺の方へ向けて、変なことを言い出した。
「……サルナスさんは女性ですか~?」
「いや、男ですよ、見ての通り」
(何言ってんだこの人)
受付Aさんはまだ困っている表情だ。
「ですよね~ じゃあこれって、、、ちょっと待ってくださいね~」
受付Aさんは奥の部屋にバタバタと走っていった。 俺は困惑しながら、受付でそのまま待つ、数分後、受付Aさんはもう一人の男性を連れて戻ってきた。
(あれ? もう一人連れてきた)
「お待たせしました~」
受付Aさんが連れてきた男性が俺に話しかけてくる。
「あなたがサルナスさん? ん~男性ですよね?」
先程と同じ質問をされた、どう見ても男なのに、さっきからなんなのだろうか。
「はい」
「鑑定士のワンといいます、実は水晶での鑑定に不備があったようで、私の魔法で鑑定させていただいても、よろしいでしょうか?」
「あ、別にいいですけど」
鑑定士は俺に向かって手をかざし、鑑定魔法を行った、鑑定の結果は意外なものだった。
「鑑定! ん!? これは、、、どうやら水晶は間違ってはいないようです、あなたには "治癒師" の適正がありますね」
鑑定の結果が不思議に思われた留学は "治癒師" という職業にある、俺が知ってる範囲で "男の治癒師" はいない、もしかしたら知らないだけで、実はいるのかな。
「治癒師? 俺にはそんな適正が、でも男の治癒師って聞いたことないような」
受付Aさんも、同じ意見のようで、説明してきた。
「それはそうですよ~、女性に出る適正です~、男性にはいません」
「えっ! そうなんですか?」
それなら俺はどうして適正が出たのだろう。
「はい~、大昔の記録には存在した"らしい"という話もありますが、私の知る限りでは男の治癒師はいません~」
受付Aさんの説明によると、この世界では治癒師は女性だ、それが当たり前、優しいイメージが強く、男性に人気で、一部では天使とも言い表されている、最高位の治癒師は"聖女"と崇められることもあるらしく、地域によっては信仰の対象にもなりうるらしい。
「最初は水晶の故障かと思ったんですが~」
「俺が治癒師? でも俺は男ですよ、そこに間違いはないです」
俺は生まれた時から男だ、まさかいつの間にか変化したのか? 俺は少し混乱している。
「そうなんですけど~、水晶でも鑑定魔法でも治癒師と出たので、こちらも間違いないと思います~」
俺が考え込んでいると、受付Aさんは研修の提案をしてきた。
「とりあえずギルドで研修を受けませんか? 新人さん向けにここで研修を行っていますので~」
「ぜひお願いします」
俺は即答して、研修に申し込みをした。
「わかりました~、では明日のこの時間にギルドに来てください~」
「わかりました」
俺は冒険者ギルドを出て、家に向かった。
***
帰宅、俺は椅子に座り、ボ~っと考えている。
「まさか"治癒師"に適正があるとはなぁ、でも女性だけの仕事なんだよな、男の俺にやっていけんのかな… 一応テキストをもらったけど」
俺は冒険者ギルドでもらった入門テキストを手に取り、ざっと読んでみる。
【治癒師入門! 基礎の基礎!】
『まずは怪我の治癒魔法です! 怪我を治すには慈愛の心を持ち、傷を治したいと切に願い、祈りを込めます、その心に神が答えてくれるのです!』
「なんか曖昧な内容だな、具体的にどうしたらいいんだ? 明日の研修に行けばわかるか、今日はもう寝よ、ぐ~」
俺はテキストを放り投げ、布団へ寝転がり、そのまま眠りにつく。
0
あなたにおすすめの小説
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる