〖完結〗俺が【聖女】でほんとうにいいのか? 人は助けるが毛も生やすぞ?

さるナース

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第002話、冒険者ギルドで転職だ! 研修一日目、後編

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2022/03/04、修正してます。

冒険者ギルドにて、研修 一日目。

冒険者ギルドの裏には訓練用の広場がある、ランクアップの試験や、今回のような研修など、いろんな目的で使われてるらしい。 広場に入るとにたくさんの人が集まっている、俺は以外はみんな女性だ。

(うわっ! ほんとに女の人ばっかり)

俺が広場に入ると、視線が一気に集まる、それはそうだ女性ばかりの所へ男が入ってきたのだから。

"ヒソヒソ…… なんで男がいるの? 男に見えるけど、実は女とか?"

ひそひそ声が聞こえる、恥ずかしくて俺の顔は徐々に赤くなっていく。

(視線が痛い… 男ですみません、あんまり見ないで)


***

最後に1人の女性が入ってきた、どうやら研修の講師のようだ、みんなに声をかけ、俺についても説明を始めた。

「えー、私がこの研修の指導員、ツッチーだ、まずは最初に、、、みんなとまどってると思うが、そこにいるサルナスさんは珍しく治癒師としての適正をもった"男性"だ、仲良くするように」

周囲がざわついている、更に視線が俺に集まる。
ざわ…ざわ…… ざわ…ざわ……

「えと、サルナスです、よろしく、、、お願いします」

(怖い、視線がひたすら怖い)

とりあえず挨拶してみた、特に反応もなく、視線は相変わらず怖い。 気を取り直してツッチーが研修を開始した。

「まずは私が見本をやってみせよう、サルナス君ちょっと前に出てきてもらっていいか」

ツッチーは笑顔で俺を呼び寄せる、これ以上目立ちたくないのに、なんで呼ぶのか。

「……はい」

「では、まず腕にサクッと傷をつける」

ツッチーは俺の腕を押さえて、大きくてよく切れそうなナイフを振りかぶる、俺は慌てて手を振りほどく。

「ちょっ! ちょおーー! ま、待って! なにするんですか!?」

ツッチーは冷静な目をして、たんたんと説明を始める。

「ん? 傷を治す見本だ、まずは怪我してる部分がないと治癒できないだろう」

それはそうだが、怪我した人とかを連れてくるとか、小さな針で刺すとか、他にも方法はあるのでは? なんでそんなに大きなナイフを使う? 怖いんだけど、俺は抗議した。

「いきなりですか! 俺に説明はなしですか! なに"当たり前だ" みたいな顔してるんですか!」

「うるさいなぁ、これぐらいでギャーギャー言ってたら治癒師なんてなれないぞ、ほらっ!」

素早く俺の手を捕まえてツッチーはナイフで切りかかってきた、スパッと腕に切り傷がつく。

「あ"ーーー! ほんとに切りやがったー!」

(お前はバカかぁ! 頭おかしいぞ!)

俺の叫びに対してツッチーは冷静に説明を続ける。

「時間が経つと治りにくくなるから、鮮度が良いうちに治癒魔法をかける方が効果的だ、遅いと傷跡が残ってしまう」

「痛ったーー! 鮮度って何だ! 魚じゃねえぞ、血! 血! 血が! 死ぬ! しーぬー!」

俺は痛みに弱い、だから争い事は嫌いだ、涙目になって、騒いでいると、ツッチーは変わらず冷静になだめてきた。

「はいはい、死なない死なない、よく見てなさい」

ツッチーは俺の腕に手をかざし、魔法をかけていく。

「ケガナオール」

すると俺の腕が輝き出して、切り傷が治っていく。 それを見ているみんなの目も輝いている。

「「おおー!」」

「こんな風に軽い傷ならすぐにきれいに治る」
「「はーい」」

みんなとてもステキな笑顔をしている、俺を除いて。

(治ったけど切る時は普通に痛いし、笑いながらとんでもないことするな、それを見て他のみんなも笑ってるし、怖えーよ! 治癒師のどこが天使だっ)

俺は憎々しい表情をして、ブツブツ不満をもらす。

「じゃあ みんなもやってみようか」

「「はーい」」

ツッチーはみんなで実践してみるように伝える。 なぜか、みんなは俺の方に向かってくる、俺は困惑し、恐怖を感じた。

「はぁっ!? なんでみんなこっちくるの???」

ツッチーがとても素敵な笑顔を俺に向けてきた。

「悪い、サルナス君、怪我人役よろしく!」

俺はその言葉に冷や汗をかきながら反論しようとするが。

「え、いや、その、、、」

うまく言葉が出ず、みんなの笑顔と勢いに押されてしまった。

「「よろしくお願いしま~す」」

・・・


***


帰宅、俺は散々な目にあい、精神的に疲労しきっていた。 帰ってすぐに布団に倒れ込んでいる。

「とんでもない目にあった、あれから切る→治すを何回くらい繰り返されたか、、、 おまけに何で俺の時は自分の腕に傷つけて自分で治すんだよ、おかしいだろ」

布団にうずくまりながら、みんなの笑顔を思い出し、青ざめている。

「みんな、ニッコニコの笑顔してるし、あの状況であの笑顔は逆に怖いわ! でも普段の研修なら女の人同士で傷つけて治してるんだよな、スゲーな治癒師って」

治癒師のイメージがわずか1日でかなり変わってきている。 明日の研修内容について、寝転がったままテキストを開く。

「たしか、明日は疲労回復の魔法だったかな」

【治癒師入門! 基礎の基礎!】
『疲労の回復魔法は慈愛の心を持ち、"元気になーれ!" と切に願う、その心に神が答えてくれます』

「……なんか表現が軽いな、"元気になーれ" って願うの? メイド喫茶みたいだけど、神様って怒らないのか? これもあまり具体的に書いてないし、大丈夫かな、、、 ふぁ~今日も疲れたし、眠くなってきた、、、ぐー……」

テキストを手に持ったまま俺は眠りについてしまう。

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