〖完結〗俺が【聖女】でほんとうにいいのか? 人は助けるが毛も生やすぞ?

さるナース

文字の大きさ
5 / 42

第003話、研修二日目、回復魔法と病を癒す魔法

しおりを挟む

2022/03/02、修正してます。

冒険者ギルドにて研修 二日目

今日もツッチーはみんなに向かって明るく挨拶をする。

「はい、みなさんこんにちは、ツッチーです! 本日もよろしくお願いします」

とても良い笑顔だ。 研修生達もとても良い笑顔を返す。

「「よろしくお願いします!」」

(みんな笑顔は凄い良いよな、前の職場では腐ったような顔しか見てなかったし、この笑顔は真似できそうにないな、これが "治癒師は天使" と呼ばれる由縁なんだろうな)

俺がみんなの笑顔に感心していると、ツッチーがこちらを見ている。

「では、、、」
(チラっ)

「……なんすか?」
 (こっち見んじゃねーよ、ツッチー)

ツッチーはニコッと良い笑顔で俺に声をかけてきた。

「走ってきて」
ニコッ

「は?」
(やだよ、キツいもん)

「走ってきて」
ニコニコ

ツッチーはニコニコとすばらしい笑顔を俺に向けてきた、二回目だある。

「えと…… 昨日の怪我が」

「走ってきて」
ニコ~っ

ツッチーはニコ~っと威圧感を含めた笑顔をサルナスに向けてきた、三回目。

俺は了承しながら、心で叫んだ。

「……はい」
(また俺かよーー!!)


***


俺は走った、いつまで走らせるのか、止まろうとするとツッチーからは続けるように言われる、もう疲れた。

数十分後

「はー…!はー…! はひー! ふぅー…! う"ー!」

俺はヘロヘロだ、息切れがひどく、声が出ない。 その間、研修生たちは応援してくれた、笑顔で。

ツッチーは昨日と同じくみんなへ向けて冷静に説明を始める。

「このように疲労困憊の人がいる」

俺は声が出ないので心でツッコみ、ツッチーを睨む。

("人がいる" じゃねーよ、どんだけ走らせるんだよ! その辺の疲れたスタッフでも連れてこいよ! はぁーはぁー)

ツッチーがこちらに顔を向けて、叫ぶ。

「ちょっと、はぁーはぁー、うるさい! みんなに声が届かないでしょ!」

(オメーのせいだろがっ!)
心でツッコミを返す、声は出ない。 ツッチーは説明を再開すし、俺の身体に触れてくる。

「このように疲労困憊の相手に両手で体に触れ、そして! ゲンキナーレ!」

俺の身体が光りに包まれる、ツッチーは得意満面の笑顔。 だんだんと身体が楽になり俺は声を出せるようになる。

「おおっ! なんかフワフワする、体が軽くなった、スゲー! 楽になった!」

俺は驚いていた、こんなに効果があるんだな、表情も穏やかになる、そんな俺に更にツッチーのひどい言葉が聞こえてきた。

「このように体力をあっという間に回復することができます、ではみなさんやってみましょう、サルナス君、腕立て伏せ、ヨロシク!」

ツッチーは笑顔を俺に向けている、俺は信じられないという目をツッチーに返すが、有無を言わさない雰囲気だ。

「・・・」
(もうやだ、、、)

「サルナス君?」

俺がだまっているとツッチーは背後に鬼神の宿ったオーラのある笑顔を向けてきた。 俺は無言で腕立て伏せを開始する。 腕立て伏せが終わると研修生が寄ってきて魔法をかける。

「よし、では回復魔法をかけて、、、成功!」

「じゃあ次はスクワット」

ツッチーはステキな笑顔を俺に向けて飛ばしてきた。

「・・・」

俺は無言でスクワットを開始する、表情がなくなってきている。


***


帰宅、今日は肉体的に疲れた。

「……これ治癒師の研修だよな、なんか俺だけ "○○○○ブートキャンプ" やらされてる気がすんだけど、筋トレと回復をしまくったせいか、なんとなく腕と足が太くなった気がすんだけど」

俺は己の四肢を見ながら呟いた、みんなの笑顔がだんだんトラウマになりそうだ。

「笑顔を向ければいいってもんじゃないよ、どこが天使だ、ツッチーがだんだん悪魔に見えてきた」

明日は研修の三日目にして最終日だ、三日間とは少ないと思ったが、後は仕事の中で学んでいくスタイルらしい。

「あ~、明日は最終日、たしか最後は病の治癒だったな、さすがに病になれとは言わないだろう、どうするんだろうか」


【治癒師入門! 基礎の基礎!】
『病の治癒を行うには慈愛の心を持ち、病に負けるな! と切に願う、その心に神が答えてくれる』

「なんか、どこかで聞いたことがあるようなフレーズだけど 気のせいか、そういや遠くの村が流行り病で滅びたって聞いたことがあるけど、治癒師はいなかったのかな、治せない病もあるのかな、、、」

まだ治癒師について、勉強不足であり、どんなことができるのか未知の世界に少しワクワクもしている。

「明日でキツい研修も終わり、頑張るか~…… ぐ~」

眠りにつく、眠っている間も俺の筋肉は再生をし、成長していく。


***


冒険者ギルドにて研修 最終日

ツッチーが俺をジーッと見てくる。

「・・・サルナス君、なんか腕と足がムキっとしてない?」
「気のせいです、研修始めてください」

ツッチーの質問に俺は無表情で、食いぎみに答える。

「そうか、ではみなさん、本日は最終日、病の治癒になります、今からここに病に侵された人が来ます、しっかりと治していきましょう」

今回はきちんとした患者さんがいるようだ、やっとまともな研修だなと俺は感じた。

扉から1人目の患者さんが入ってきた、息苦しそうだ、顔色も悪い、汗もかいている、目の下にクマもあり眠れてないようだ。 ツッチーが病状について説明しながら見本を見せる。

「呼吸の病だ、昼間だけでなく夜も呼吸が苦しいため、ろくに眠れていない、この場合は胸の辺りに手を当てて…」

「ヤマイサーレ!」

患者さんの胸に光があつまり、呼吸が落ち着いていく、顔色も良くなってきた、研修生達も喜んでいる。

「治った 凄い!」
「いや、完全には治ってない」
「えっ?」

研修生が喜んでいると、ツッチーが説明してくる、今の魔法では完全には治らないらしい、継続した治療が必要のようだ。

「これまでやってきた怪我の治療や体力の回復とは違い、病は一度の治癒魔法では治らない、何回も治癒魔法をかけていくことによって徐々に治していく、それも病によって回数も違ってくる、こればっかりは時間をかけて治すしかない」

ツッチーは真剣な表情だ、場が引き締まっていく。

「正直とても根気がいる、治しても治しても、また症状が出てくる、それでも諦めず治癒を続けられる者だけが一人前になることができる」キリッ!
「「はいっ!」」キリッ!

研修生達も真剣な表情になる。

「うん みんな良い顔だ!」

ツッチーは満足そうな顔をしている、続けて指示がはいる、今度は複数の患者さんを中にいれて分担して治療を行うみたいだ。

「よし、それでは他の患者さんを連れてくる、それぞれ治癒にあたれ、わからないことはどんどん質問するように」

みんな分担して病に治癒魔法をかけていく、症状が治まり穏やかになっていく患者さんをみるとこちらも嬉しくなる、そして研修は終了した。

「よし、みんな研修お疲れさま! いよいよ明日からは治癒院で実践となる! 実践ではここで学んだこと以上の修羅場が待っている、そこで挫折する者も多い、皆が一人前になるのを期待している!」

「「ありがとうございました!」」

ツッチーの締めの言葉にみんな達成感を感じる、ツッチーは俺の方へやってきた。

「サルナス君、よく頑張ってくれた、ありがとう」
「ツッチー先生、、、」
ニゴッ

「……最後まで笑顔はぎごちなかったが、これからの活躍に期待するよ」

(やっぱり俺の笑顔はぎこちないのか、研修の始めに言ってほしかった、最後になって言うなんて)

俺は少しショックをうけた。


***


帰宅、最終日を終えて、俺はスッキリしていた。

「いやーなんか、最後はかっこよかったなぁ! ツッチー珍しくキリッとした表情だったし、初めて尊敬できる雰囲気だったよ」

今日は晴れやかな気分で帰宅できていた。 けれど不満もあった。

「けどなんでその中で俺の患者さんは水虫のオッサンなんだ? いや水虫も立派な病だけどさ、おかしくない? あんだけいい話してかっこいい~、みたいな雰囲気だったのにさ~」

そう、なぜか俺の患者さんは水虫の治療だった。

「相手のオッサンも "天使じゃねーじゃん、なんでこんなムキっとした野郎が治癒師なん? おかしくね?" とか言ってくるし、俺だってオッサンの水虫を治癒するよりはさぁ、綺麗なお姉さんとかの治癒をしたいよ、それでお礼とか言われたいよ、なんか俺の扱いって雑だよなー! 珍しい存在なんだったらもう少し丁寧な扱いでも良くないかなぁ!」

あの扱いにはかなり疑問を持った、もっと優しい扱いを期待したのに。 横になって明日の予定を考えてると眠くなってきた。

「あー 研修も終わったし、いよいよ明日から近くの治療院で実践かぁ、緊張するなぁ…… ちゃんとやれるかな、そこでは実験台にはなりたくな…いなぁ… ぐ~」

今日も疲れて、眠りにつく。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~

しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。 それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること! 8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。 どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ! 「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」  かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。 しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。 「今度こそ、私が世界を救って見せる!」 失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!   剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。 イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。 小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...