強運と幸運を持ったガチャ好きな召喚者は目標が無いので最強を目指してみた

中沢日秋

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第二章 地帝国生活編

第三十四話 バトル③

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 お、最後のトーナメント表が出てきたな。ふーん。あれ?

   第一回戦 黒甲冑騎士団 VS ヒロキ

   第二回戦 情焔守護者団 VS 物嵐同盟軍

 黒甲冑騎士団か。なんかまたみょ―なのが出てきたな。
 明日もあるけど、とりあえず今日は何しようかな。準決勝戦出場者だから、個室も用意されてるし、ルムとミリスと合流したらそこで寝るか。二人にはある程度のお金を預けるか。

 「あ、ヒロキー!みてみて!がっぽり稼いだわよ!」
 「金貨一枚が黒貨2枚と白金貨4枚になりましたわ!あの勇者の人たちのおかげですわ!町が作れますよ!これが個人の財産なんて考えられないです!」
 「ちょ、静かにしろ!そんなことを人前で堂々と言ってんじゃねえよ!あとでどうなるか分かったものじゃねえぞ!」
 「「あ、はーい・・・・・・」」
 「それと、俺は今日個室で寝るから、お前らは普段どおり宿に泊まってくれ。多分勇者の馬鹿野郎どもに、俺が狙われるかもしれないからな」

 多分今晩中に襲われるだろうけど、まあ俺なら大丈夫だろう。でも、一応保険は掛けておかないと。

 「二人とも、ちょっと部屋に来てくれ。少ししておかないといけないことがある」

 その後、保険を掛けたあと、俺は普通に寝て、そして起きて、準備運動と精神統一をして、もうすぐ始まるというときまで来た。

 『さあさあさあさあ!今日も始まるバトルトーナメント!まずは準決勝戦!ベテランチームを破り、勇者チームにも勝利した、ヒロキ選手!』
 うおおおおおおおおおおお!!
 『そして!世界中に存在する数少ない英雄ロードの一人が率いる、黒甲冑騎士団です!』

 「僕の呼び名は『闇と影の英雄ダークシャドー・ロード』なんだ。そしてこの子が僕の相棒の、闇の精霊の上位に当たる『常闇の精霊』レリルだ」
 「ヒロキだ。それなりの数の精霊と契約させてもらっている。今回はサファイアって言う上位精霊と戦わせていただくつもりだ」

 『それではぁ!準決勝!スターーートです!』

 黒い甲冑に身を包んだ騎士はまっすぐに突っ込んできた。おそらく最初に俺が戦ったチームを見て囲むのは意味がないと踏んだのだろう。

 「レリル!いつものあれ・・頼むよ!」
 『わ、分かった!』
 「サファイア。地獄」
 『承知いたしました。『地獄と深淵の祝祭インフェルノ・ダークパラダイス』!』

 俺を中心に黒い影が広がっていき、半径50mのフィールドができた。そして一つの扉と、有刺鉄線が巻きついている高い柵が現れた。
 フィールドの中には黒い炎が蠢いている。その場にいるだけで精神的、物理的ダメージを負う。

 「サファイア、圧縮してくれ」
 『承知いたしました』

 フィールドが半分くらいに狭まってくる。もちろん、黒甲冑騎士団は中心へと向かっている。後ろから有刺鉄線がまきついた柵が迫っている。ちなみにこの柵は、意識を失うと出られる。扉は開ければ出られるけど、重さは優に6tを超える。
 そして、中心へ行けば行くほど精神的、肉体的ダメージは強くなる。

 一番手前に居る騎士を腹パンで甲冑を砕いて意識を失わせる。そしてそれを柵の方へと投げる。

 「な!ケルリオ!!危ない!」

 すかっ

 でも、ケルリオ君は柵を通り抜けてそのまま場外へ。

 「次は、あいつかな?」

 ひときわ体格のいいでかい騎士に狙いを付けた。
 背中へまわって横腹を蹴り飛ばす。多分肋骨の二、三本は逝ったか。
 次はリーダーかな?

 「発動!」
 「!?あ、なーんだ。単なる拘束か」

 びっくりした、近づくと地面から鎖が出てきた巻きついたから。
 でも、このくらいなら自力で大丈夫。

 バキッ ジャラジャラ

 で、これを投げて、相手の視界を奪う。そこで更に、脳天に振り上げた足を軽く勢いをつけて落とす。踵落としで、気を失ったので、そのほかの気絶した奴らをまとめて場外へ。このままここに居たら死ぬかもだから。
 今更だけど、脱落に関するルールは、気絶または場外、降参などである。あと、相手が死ぬような攻撃はNG。あ、俺やっちまった。

 『な、な、なんと!ヒロキ選手、まさかの英雄相手に圧勝おおおおおおおおおお!!ん?あれ?あ!審査員からルール違反との声が!まさか、こんな終わり方をしてしまうのか!?』

 あうち。早速か。どうしよっかな、これ。

 「死ぬ可能性の高い広範囲攻撃は反則だ!それに!武器を除くマジックアイテムの使用は禁止だ!あんなの、マジックアイテムを使ってるに決まってる!」
 「マジックアイテムなんて効率の悪いことをするくらいなら、自分で身体強化の魔法でも使ってるよ。それに、もしあの人たちが死んでもいいって俺が考えてたら、手加減なんてしないし、さっきのフィールドから投げて出すようなこともしないよ」
 「なにをぉ!?手加減だと!!?大嘘をつくなこの愚か者めがぁ!!どうせ言い逃れする為の言い訳の為にしたに違いない!!」

 よし、もう実力行使で黙らせてやろう!といっても、暴力は振るわない。この闘技場を破壊して結界を破壊するだけだ。もちろん魔力無しで。
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