女勇者に婚約者を寝取られたけど、逆に彼女の恋人を奪ってやった

小倉みち

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屋敷

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 バーン男爵の屋敷は、外もそうだが中もまた豪華だった。


 庶民の生涯年収を100人分集めてもきっとこの家を再現することは出来ないだろう。


 キラキラなシャンデリアに、高そうな石で出来た床。
 
 馬車が何台も通ることが出来そうな幅広の廊下に、私の背の何倍もある高い天井。

 壁には、誰が描いたのかもわからないけど明らかに高価そうな絵画が飾られており、よくわかんない細かな装飾の施された花瓶が設置されている。

 その中には、美しい花が挿されていた。


「フフッ」


 私のその明らかに庶民らしい行動がおかしかったのか、笑う男爵。

 笑われて、顔を赤くする私。

「失礼」

 男爵は1つ咳ばらいをした。

「ジュリアナさん、ではこちらへ」


 男爵は1つの扉を開けて、先に私を中に入れてくれた。




 客間だと男爵が説明していたその部屋は、廊下に負けじと豪華だった。

 私の存在が、まるで小さな塵1つのように感じられるくらい。


「ソファにお座りください」


 私は男爵の指示通りに、中央に置いてあったソファに腰かけた。


 座った瞬間、驚いて飛び上がりそうになる。


 な、何?

 このソファ。


 ふかふか過ぎて、普段固い椅子に慣れてしまった私のお尻が驚いてしまっている。


「何か飲み物はいかがですか?」

「ああ、いえ。大丈夫です……。すぐお暇しますので」


 圧倒的格差。

 男爵と庶民で、ここまで違うのか。


 私は完全に萎縮してしまっていた。


「そうですか。それでは」

 男爵は、私の目の前の椅子に座る。

「お話というのか?」

「こ、これです……」


 私は鞄から手紙の束を取り出し、差し出す。

 それを受け取る男爵。

「これは、私の婚約者からの手紙です」

 私は説明した。

「婚約者が言うには、あなたの恋人である女勇者と付き合うことになったから、別れてほしいと」


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