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当日 ~レノ視点~
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実に愉快だった。
友人たちは、俺の側についている貴族を集めてくれた。
その目の前で、俺はあの女に婚約破棄を突きつけてやったのだ。
「公爵令嬢リリー。俺との婚約破棄を命じる!」
周囲から、称賛の拍手が聞こえた。
みな、心からこの婚約破棄を喜んでいるのだ。
不純物はただ1つ。
目の前の醜い汚物だけ。
リリーは青白い顔で、
「わかりましたわ」
と、言った。
――それは。
今まで生きてきた中で、一番幸福な時間だった。
ようやく、この女と別れられる。
ようやく、ルゼと結婚出来る。
「今まで、ありがとうございました」
かすれた声でそう言い、立ち去ろうとするリリー。
俺はみんなの方を向いて、
「さあ、邪魔者はいなくなったところだし、これから俺とルゼの婚約――」
「キャッ」
「なんだ、あれは?」
突然、貴族たちが騒ぎ始める。
「リリー様!」
隣にいたルゼが叫んだ。
「リリー様の顔が!」
「なんだ?」
俺はムッとする。
せっかくの俺の話を、またあの女が邪魔す――。
後ろを振り返った俺は、目の前の状況に絶句した。
リリーの、あの醜い女の顔が光り輝いているのだ。
仮面の奥から、光が漏れ出している。
リリーが両手でそれを抑え込もうとするが、指の隙間から光が漏れ、会場を照らした。
「まさか」
俺は慌ててルゼを庇う。
この女、まさか。
俺を邪魔するに飽き足らず、呪いを使って俺たちを殺そうと――。
カシャン。
リリーの顔から、仮面が落ちた。
「あっ……。仮面」
リリーは驚いて、自分の顔から両手を放す。
「う、嘘」
ルゼは驚いて目を丸くする。
「リリー様のお顔が……」
リリーの顔が、醜かったあの顔が、それはそれは美しいものに生まれ変わっていたのだ。
友人たちは、俺の側についている貴族を集めてくれた。
その目の前で、俺はあの女に婚約破棄を突きつけてやったのだ。
「公爵令嬢リリー。俺との婚約破棄を命じる!」
周囲から、称賛の拍手が聞こえた。
みな、心からこの婚約破棄を喜んでいるのだ。
不純物はただ1つ。
目の前の醜い汚物だけ。
リリーは青白い顔で、
「わかりましたわ」
と、言った。
――それは。
今まで生きてきた中で、一番幸福な時間だった。
ようやく、この女と別れられる。
ようやく、ルゼと結婚出来る。
「今まで、ありがとうございました」
かすれた声でそう言い、立ち去ろうとするリリー。
俺はみんなの方を向いて、
「さあ、邪魔者はいなくなったところだし、これから俺とルゼの婚約――」
「キャッ」
「なんだ、あれは?」
突然、貴族たちが騒ぎ始める。
「リリー様!」
隣にいたルゼが叫んだ。
「リリー様の顔が!」
「なんだ?」
俺はムッとする。
せっかくの俺の話を、またあの女が邪魔す――。
後ろを振り返った俺は、目の前の状況に絶句した。
リリーの、あの醜い女の顔が光り輝いているのだ。
仮面の奥から、光が漏れ出している。
リリーが両手でそれを抑え込もうとするが、指の隙間から光が漏れ、会場を照らした。
「まさか」
俺は慌ててルゼを庇う。
この女、まさか。
俺を邪魔するに飽き足らず、呪いを使って俺たちを殺そうと――。
カシャン。
リリーの顔から、仮面が落ちた。
「あっ……。仮面」
リリーは驚いて、自分の顔から両手を放す。
「う、嘘」
ルゼは驚いて目を丸くする。
「リリー様のお顔が……」
リリーの顔が、醜かったあの顔が、それはそれは美しいものに生まれ変わっていたのだ。
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