転生令嬢は、死の運命を回避するため婚活に励む

小倉みち

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第1章

溺愛

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 そう、両親たちは私を溺愛していた。


 私は両親の、長年の不妊治療の末に生まれた長女だった。

 両親ともに身体が弱く、子どもを産むのは難しいと言われていた。

 しかし両親曰く、奇跡が起きて生まれたのが私ーーミシェルだったらしい。


 半ば諦めかけていた念願の子ども。


 親族全員、私を猫可愛がりした。


 私は運良く、それで我儘放題の高飛車娘にはならなかったけれど。


 しかしその溺愛も、度が過ぎれば私に毒だ。


 両親は私が好き過ぎて、

「まだ嫁に行かせたくない!」

「結婚のことなんて考えたくない!」

 と言って聞かないのだ。


 そのせいで、普通の令嬢なら10歳くらいで婚約者が出来るはずなのに、私は未だに候補すら現れていない。


 娘の未来を思っての行動なのだろうが、そのせいで最愛の娘が生贄になるのだから、本末転倒も甚だしい。


 ーーということで。


 私は両親に直談判することにした。


「婚約者がほしいの」

「「……は?」」


 ガッシャーン。


 夕食の時間。

 多忙な両親だけど、このときだけは家族一緒に過ごそうというルールの元、私たちは一堂に会して食事を摂っていた。


 さっきのガッシャーンは、私の発言に驚いた両親が銀製のフォークとナイフを床に落とした音である。


 慌ててそれらを回収する執事とメイド。


「い、一体どういうことなの……?」


 自分がカトラリーを落としたのを気に求めずに、ぶるぶると震えながらお母様は尋ねた。

「こ、婚約者?」

「ええ」
 

 私はナプキンで丁寧に自分の口を拭った。

「婚約者がほしいの」

 
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