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第4章
隣国へ
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あと数日で、ルーカス王子の誕生日がやって来る。
私は陛下に指示された通り、必要最低限の荷物を用意して馬車に乗り込む。
ルーカス王子に贈る誕生日プレゼントは、また別の馬車で運ぶようだ。
陛下は私に、
「お前から贈る個人的なプレゼントも用意しろ」
と言われたので、仕方なく何かを購入することにする。
変に彼に対する苛立ちをプレゼントに込めても、ただ私の立場が悪くなるだけというのは百も承知だ。
兄に何が適当なのか尋ねつつ、助言通り無難な花束と美しい装飾のなされたペーパーナイフ、そして手作りのクッキーを選ぶことにした。
クッキー缶に手紙を貼りつけ、準備は万端だ。
私はそのプレゼントを大事に抱え、馬車に揺れる。
隣国を目指して。
私が1回目の人生を送っているころ。
隣国とはあまり仲が良くなかった。
それがどうして交流するようになったのか知らないが、結果的にそのことが現在の私への実害である。
あの頃の私は愚かだったから、なぜ2国が揉めているのか全く見当もつかなかった。
一体どういう経緯で、何を中心に揉めているのか。
土地の奪い合いか、それとも貴重な素材の奪い合いか――。
少なくとも、なんらかの火種で揉め事が起こり、そしてそれが終息した。
隣国とこの国に交流が生まれ、今に至るというわけだ。
隣国は、その「隣国」という言葉からわかる通り、この国と地続きになっている。
私の住む城からだいたい馬車で半日という近い距離に存在する。
私は馬車の窓から、外を眺めた。
あの、少しでも近づけば命のなかった境界線がどんどんと近づいていく。
私の中に恐怖心が宿るが、私に同行する侍女たちに、その様子は見られない。
どうやら本当にあのころとは違うんだなと妙に感心しつつ、私は花束を優しく抱いた。
私は陛下に指示された通り、必要最低限の荷物を用意して馬車に乗り込む。
ルーカス王子に贈る誕生日プレゼントは、また別の馬車で運ぶようだ。
陛下は私に、
「お前から贈る個人的なプレゼントも用意しろ」
と言われたので、仕方なく何かを購入することにする。
変に彼に対する苛立ちをプレゼントに込めても、ただ私の立場が悪くなるだけというのは百も承知だ。
兄に何が適当なのか尋ねつつ、助言通り無難な花束と美しい装飾のなされたペーパーナイフ、そして手作りのクッキーを選ぶことにした。
クッキー缶に手紙を貼りつけ、準備は万端だ。
私はそのプレゼントを大事に抱え、馬車に揺れる。
隣国を目指して。
私が1回目の人生を送っているころ。
隣国とはあまり仲が良くなかった。
それがどうして交流するようになったのか知らないが、結果的にそのことが現在の私への実害である。
あの頃の私は愚かだったから、なぜ2国が揉めているのか全く見当もつかなかった。
一体どういう経緯で、何を中心に揉めているのか。
土地の奪い合いか、それとも貴重な素材の奪い合いか――。
少なくとも、なんらかの火種で揉め事が起こり、そしてそれが終息した。
隣国とこの国に交流が生まれ、今に至るというわけだ。
隣国は、その「隣国」という言葉からわかる通り、この国と地続きになっている。
私の住む城からだいたい馬車で半日という近い距離に存在する。
私は馬車の窓から、外を眺めた。
あの、少しでも近づけば命のなかった境界線がどんどんと近づいていく。
私の中に恐怖心が宿るが、私に同行する侍女たちに、その様子は見られない。
どうやら本当にあのころとは違うんだなと妙に感心しつつ、私は花束を優しく抱いた。
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