【完結】恋がしたい? どうぞご勝手に

小倉みち

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次の日

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 警察に事情聴取された私たちは、ありとあらゆることを全部話した。


 私がユーリと婚約していたこと。

 そのユーリがヒメナと浮気していたこと。

 ユーリの親友だったパトリックが、ヒメナに言い寄られていたこと。


 最終的に私とユーリが別れることになり、その際にパトリックが嫌がらせで2人の不適切な関係を貴族新聞に暴露したこと。


 今日、その新聞がなぜか学校の掲示板に貼られたこと。


 そして今日、ユーリとパトリックが学校に来なかったこと。


「なるほど……」


 どう返事すれば良いのか考えあぐねた警察の人は、それだけ言ってしばし黙り込んだ。

「あくまで推論ですので、実際のところどうなのかわかりませんが」

 と、マーサ。

「あの2人が犯人かもしれない、と?」

「はい」

「その可能性は大いにあります。ですが、あくまで子どもの考えた推論ですので」


 私たちは、別にそこまでめちゃくちゃ2人を疑っているわけではないし、むしろ疑いたくない。


 ユーリは私の婚約者だった人だ。

 でも、疑わなければいけない事態が起こっている。


「可能性として、耳に入れておいていただければと思いました」


 私の言葉に、戸惑いつつも頷く警察。

「わかりました……。ではその辺も含めて、調査をしていきます」

「ありがとうございます」




 次の日、私たちはいつものように登校した。

 今回の事態が事態なので、パトリックの両親は学園に詳しい内容は伝えなかった。


 しかし、どこからか話が漏れ出したのか、

「パトリックの命が危険な状況にある」

 という情報だけが学園内に広がり、当然彼が王位継承権第2位であることもあり、結構な騒ぎになった。


 私やマーサ、ユーリやヒメナなどの関係をよく知っている生徒たちは、概ね私たちと同じような思考をし、噂した。


 実際にそうなのかと尋ねてきた人もいる。


 それをのらりくらり交わしつつ、私たちも詳しく知らないことを伝えつつ、翌日をなんとかやり過ごした。
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