3 / 12
第1章
掲示板②
しおりを挟む
友人たちに連れていかれた先は、村の掲示板だった。
そこには、村の様々な情報が載っている。
しかし基本的には、いついつ定例会を開くとか、今度こういう村の条例を作るとか、誰それが村を出るから送別会を日取りを決めたいだとか、その程度のことしか書いていない。
この村は、小さくて閉鎖的な空間。
外の情報など、ほとんど入ってこない。
はずだ。
「見て、これ!」
友人たちが興奮していたわけは、その村のためだけに設置された掲示板に、外の情報が載っていたことにあるらしい。
そして、その情報を見るためだけに、村のほとんどの女性たちが掲示板の周辺に集まってきている。
その掲示物の内容を呼んだ私は、血の気が引いた。
「ローレン・ベネット公が、結婚相手を全国から募集」
ローレン・ベネット。
聞いたことがある、というか、かつての私が何度も心の中で唱えた名前。
前世の私の、黒歴史の温床。
……いや、落ち着け。
落ち着いて、私。
確かに私は、彼が好きだった。
愛していた。
だけど、今は違う。
あのころのことはきっちりと反省して、彼のことはきっぱりと諦めた。
もう、ローレンに対してはなんの感情も沸いていない。
だから、大丈夫。
「ローレン・ベネットって誰?」
「知らないの?」
村の女性たちが、キャーキャー騒いでいる。
「この国の公爵様よ。噂によると、もう200年も生きておられるらしいわ」
「まあ、人間じゃないの?」
「なんか、龍の血? とかが混じっている家系らしくて、その影響で長生きなんだって」
「結婚相手を全国から募集ってことは、私ももしかしたら公爵夫人になれるってこと? 200歳以上ってことは、大抵の女はピチピチになるし」
「馬鹿。あんた、結婚してるじゃないの。ほらここに、『生娘』って条件が書いてあるわよ」
「あらやだ、残念」
そこには、村の様々な情報が載っている。
しかし基本的には、いついつ定例会を開くとか、今度こういう村の条例を作るとか、誰それが村を出るから送別会を日取りを決めたいだとか、その程度のことしか書いていない。
この村は、小さくて閉鎖的な空間。
外の情報など、ほとんど入ってこない。
はずだ。
「見て、これ!」
友人たちが興奮していたわけは、その村のためだけに設置された掲示板に、外の情報が載っていたことにあるらしい。
そして、その情報を見るためだけに、村のほとんどの女性たちが掲示板の周辺に集まってきている。
その掲示物の内容を呼んだ私は、血の気が引いた。
「ローレン・ベネット公が、結婚相手を全国から募集」
ローレン・ベネット。
聞いたことがある、というか、かつての私が何度も心の中で唱えた名前。
前世の私の、黒歴史の温床。
……いや、落ち着け。
落ち着いて、私。
確かに私は、彼が好きだった。
愛していた。
だけど、今は違う。
あのころのことはきっちりと反省して、彼のことはきっぱりと諦めた。
もう、ローレンに対してはなんの感情も沸いていない。
だから、大丈夫。
「ローレン・ベネットって誰?」
「知らないの?」
村の女性たちが、キャーキャー騒いでいる。
「この国の公爵様よ。噂によると、もう200年も生きておられるらしいわ」
「まあ、人間じゃないの?」
「なんか、龍の血? とかが混じっている家系らしくて、その影響で長生きなんだって」
「結婚相手を全国から募集ってことは、私ももしかしたら公爵夫人になれるってこと? 200歳以上ってことは、大抵の女はピチピチになるし」
「馬鹿。あんた、結婚してるじゃないの。ほらここに、『生娘』って条件が書いてあるわよ」
「あらやだ、残念」
23
あなたにおすすめの小説
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
奏音 美都
恋愛
ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。
そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。
それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
白い結婚のはずでしたが、幼馴染の夫が離してくれません!
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
外観は赤髪で派手で美人なアーシュレイ。
同世代の女の子とはうまく接しられず、幼馴染のディートハルトとばかり遊んでいた。
おかげで男をたぶらかす悪女と言われてきた。しかし中身はただの魔道具オタク。
幼なじみの二人は親が決めた政略結婚。義両親からの圧力もあり、妊活をすることに。
しかしいざ夜に挑めばあの手この手で拒否する夫。そして『もう、女性を愛することは出来ない!』とベットの上で謝られる。
実家の援助をしてもらってる手前、離婚をこちらから申し込めないアーシュレイ。夫も誰かとは結婚してなきゃいけないなら、君がいいと訳の分からないことを言う。
それなら、愛人探しをすることに。そして、出会いの場の夜会にも何故か、毎回追いかけてきてつきまとってくる。いったいどういうつもりですか!?そして、男性のライバル出現!? やっぱり男色になっちゃたの!?
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
地味令嬢は結婚を諦め、薬師として生きることにしました。口の悪い女性陣のお世話をしていたら、イケメン婚約者ができたのですがどういうことですか?
石河 翠
恋愛
美形家族の中で唯一、地味顔で存在感のないアイリーン。婚約者を探そうとしても、失敗ばかり。お見合いをしたところで、しょせん相手の狙いはイケメンで有名な兄弟を紹介してもらうことだと思い知った彼女は、結婚を諦め薬師として生きることを決める。
働き始めた彼女は、職場の同僚からアプローチを受けていた。イケメンのお世辞を本気にしてはいけないと思いつつ、彼に惹かれていく。しかし彼がとある貴族令嬢に想いを寄せ、あまつさえ求婚していたことを知り……。
初恋から逃げ出そうとする自信のないヒロインと、大好きな彼女の側にいるためなら王子の地位など喜んで捨ててしまう一途なヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
扉絵はあっきコタロウさまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる