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進捗報告
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私は昨日起こったことを、早速生徒会室でユージーンに報告した。
「――以上が昨日遭ったことよ」
「それは傑作だな」
私の話を聞いて、ユージーンは愉快そうに笑う。
「これで、あの人たちも反省するだろうか」
「それなら良いんだけど」
ユージーンとは違って、私はあの2人と長い付き合いをしている。
つまり、それだけずっと迷惑をかけられ続けていたというわけで。
異常なまでに私をライバル視し、叩き落とそうとするあの妹が、これだけで引き下がるとは到底思えなかった。
「今のところ、殿下の方からもアクションはないし。引き続き警戒しておきましょう」
「そうだね」
ユージーンは頷く。
「ユージーンは? どう? 何か報告すべきことはある?」
「いや、特にはない……と思う」
「何よその含んだ言い方は」
「いや、なんでもない」
「言いたいことがあるなら、今のうちに言っておいた方が良いわよ」
「……」
ユージーンは顔をしかめた。
「やっぱり、君の妹と付き合っていたと周りに思われるのは、どうも」
「またその話?」
私は肩を竦めた。
「だってあんなおぞましい女――失礼」
「いいわ、別に」
「あんな人間と交際していたという噂が知られて、生徒だけじゃなく両親にまで腫物扱いされるんだ……」
プライドの高いユージーンには耐えられないことなのだろう。
「自分の見る目がないみたいに思われて、正直キツい」
「まあ、ここは正念場よ」
私は慰めた。
「ここさえ乗り越えて、あとは証拠をばらまけばOK。あなたは晴れて自由」
「だと良いんだけどね」
ユージーンは私に何かを差し出した。
「何これ?」
「君の妹からの、新しい手紙だよ」
「――以上が昨日遭ったことよ」
「それは傑作だな」
私の話を聞いて、ユージーンは愉快そうに笑う。
「これで、あの人たちも反省するだろうか」
「それなら良いんだけど」
ユージーンとは違って、私はあの2人と長い付き合いをしている。
つまり、それだけずっと迷惑をかけられ続けていたというわけで。
異常なまでに私をライバル視し、叩き落とそうとするあの妹が、これだけで引き下がるとは到底思えなかった。
「今のところ、殿下の方からもアクションはないし。引き続き警戒しておきましょう」
「そうだね」
ユージーンは頷く。
「ユージーンは? どう? 何か報告すべきことはある?」
「いや、特にはない……と思う」
「何よその含んだ言い方は」
「いや、なんでもない」
「言いたいことがあるなら、今のうちに言っておいた方が良いわよ」
「……」
ユージーンは顔をしかめた。
「やっぱり、君の妹と付き合っていたと周りに思われるのは、どうも」
「またその話?」
私は肩を竦めた。
「だってあんなおぞましい女――失礼」
「いいわ、別に」
「あんな人間と交際していたという噂が知られて、生徒だけじゃなく両親にまで腫物扱いされるんだ……」
プライドの高いユージーンには耐えられないことなのだろう。
「自分の見る目がないみたいに思われて、正直キツい」
「まあ、ここは正念場よ」
私は慰めた。
「ここさえ乗り越えて、あとは証拠をばらまけばOK。あなたは晴れて自由」
「だと良いんだけどね」
ユージーンは私に何かを差し出した。
「何これ?」
「君の妹からの、新しい手紙だよ」
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