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第1章
果たし状
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私はその封筒を、ペーパーナイフで切って開けた。
中には1枚の手紙が。
「拝啓 セレーナ様 今日の放課後、体育館の裏でお待ちしております」
それだけが書かれている。
やっぱり。
私は、自分の心臓が波打つのを感じる。
やっぱりこれ、果たし状だ。
久しぶりに見た。
数年前は、よく呼び出し状や果たし状が机の中に入っていた。
理由は主に、コーネリアス殿下。
たいていは数人がかりで呼び出され、
「コーネリアス殿下の婚約者には相応しくないのよ!」
というお叱りを受けた。
「あなたみたいな人、さっさと殿下に捨てられちゃえば良いのに!」
「早く婚約破棄をしなさいよ!」
という言葉に対して、
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と、私が謝り続ける。
これが1パターン。
私はこれに反論出来ない。
もし反論しようものなら、
「あなた、その程度で自分が出来ると思っていらっしゃるの?」
と、さらに嫌味を言われるだろう。
しかしその相応しいか相応しくないかという点に関しては本当どうしようもないので、早く話を終わらせるために、
「ごめんなさい。それなら、あなた方が婚約者になったらどう?」
と言うと、なぜかさらに怒られてしまうという事態がよく発生した。
ほかにも、行けば空から水やバケツや花瓶が降ってきたり、なぜか知らない車があって連行されかけたりするなど、本当に散々な目に合っていた。
そういう場合、なぜかその場に殿下もいらっしゃり、
「セレーナ、どうしてここにいるんだい?」
などと声をかけてくるので、奇跡的に怪我をしたり恐ろしい目に合ったりするような事態は避け続けていたわけだけれど。
何?
そんなに危ない目に合うなら、行かない方が良いんじゃないかって?
駄目よ。
そんなことをすれば、さらに私の立場が危うくなる。
私はあくまで殿下の婚約者。
果たし状を渡されれば、それ相応に対応する義務がある。
すべては殿下のせいで私に降りかかってきた不幸だとはいえ、私にはこれを避ける選択肢がない。
親族曰く、これは王子の婚約者としての義務らしい。
これを受けて耐え抜いた者こそが、王族にふさわしい人材として認められる。
私は別に王族になりたいわけじゃいけど。
でも避けてしまえば、貴族社会での私の地位が悪くなる。
それはつまり、私の家族の立場も弱くなるということだ。
だから私は、毎回毎回呼び出しに応じている。
ある日を境にいきなりこの果たし状文化は潰えてしまったけれど。
まさか、今になって復活するなんて。
どうしよう。
この呼び出し、結構めんどくさいんだよなあ。
本心ではすぐにでもこの手紙を捨ててしまいたいけれど、でも行くしかないのだ。
仕方なくその手紙を通学鞄に突っ込んで、私は放課後まで待つことにした。
中には1枚の手紙が。
「拝啓 セレーナ様 今日の放課後、体育館の裏でお待ちしております」
それだけが書かれている。
やっぱり。
私は、自分の心臓が波打つのを感じる。
やっぱりこれ、果たし状だ。
久しぶりに見た。
数年前は、よく呼び出し状や果たし状が机の中に入っていた。
理由は主に、コーネリアス殿下。
たいていは数人がかりで呼び出され、
「コーネリアス殿下の婚約者には相応しくないのよ!」
というお叱りを受けた。
「あなたみたいな人、さっさと殿下に捨てられちゃえば良いのに!」
「早く婚約破棄をしなさいよ!」
という言葉に対して、
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と、私が謝り続ける。
これが1パターン。
私はこれに反論出来ない。
もし反論しようものなら、
「あなた、その程度で自分が出来ると思っていらっしゃるの?」
と、さらに嫌味を言われるだろう。
しかしその相応しいか相応しくないかという点に関しては本当どうしようもないので、早く話を終わらせるために、
「ごめんなさい。それなら、あなた方が婚約者になったらどう?」
と言うと、なぜかさらに怒られてしまうという事態がよく発生した。
ほかにも、行けば空から水やバケツや花瓶が降ってきたり、なぜか知らない車があって連行されかけたりするなど、本当に散々な目に合っていた。
そういう場合、なぜかその場に殿下もいらっしゃり、
「セレーナ、どうしてここにいるんだい?」
などと声をかけてくるので、奇跡的に怪我をしたり恐ろしい目に合ったりするような事態は避け続けていたわけだけれど。
何?
そんなに危ない目に合うなら、行かない方が良いんじゃないかって?
駄目よ。
そんなことをすれば、さらに私の立場が危うくなる。
私はあくまで殿下の婚約者。
果たし状を渡されれば、それ相応に対応する義務がある。
すべては殿下のせいで私に降りかかってきた不幸だとはいえ、私にはこれを避ける選択肢がない。
親族曰く、これは王子の婚約者としての義務らしい。
これを受けて耐え抜いた者こそが、王族にふさわしい人材として認められる。
私は別に王族になりたいわけじゃいけど。
でも避けてしまえば、貴族社会での私の地位が悪くなる。
それはつまり、私の家族の立場も弱くなるということだ。
だから私は、毎回毎回呼び出しに応じている。
ある日を境にいきなりこの果たし状文化は潰えてしまったけれど。
まさか、今になって復活するなんて。
どうしよう。
この呼び出し、結構めんどくさいんだよなあ。
本心ではすぐにでもこの手紙を捨ててしまいたいけれど、でも行くしかないのだ。
仕方なくその手紙を通学鞄に突っ込んで、私は放課後まで待つことにした。
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