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第2章
手紙 ~従者視点~
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殿下に気づかれずに済んだのは、不幸中の幸いだった。
慌ただしい様子の使者を呼び止め、
「なんだ、殿下に御用なのか?」
と最初に声をかけたのが俺で、本当に良かった。
使者から渡された手紙を先に読んだ俺、ナイスプレイ。
なんとなく、
「セレーナ嬢から手紙? 珍しいな」
と思った点。
その手紙には彼女の家の公式文書であるという判子が押されていたという点。
この2点で、この手紙がとても緊急性のある事柄が書かれていると踏んだ。
私的な手紙であれば、印鑑は押されていないはず。
つまり、殿下と2人だけのプライバシー的な話が書かれているわけではない。
それなら、俺が先に読んで口頭で殿下に説明した方が早いと踏んだ俺、本当最高。
俺は少々殿下に危惧しつつも、出来るだけ丁寧にペーパーナイフで封筒を割き、中身を取り出した。
その内容が、本当に最悪だった。
「親愛なる殿下 単刀直入に申し上げます。私と婚約破棄してくださいませ」
……は?
となった俺の気持ちを察してほしい。
婚約破棄?
何言ってんだ? この人。
俺はそこに書かれていた文章を隅から隅まで漏らすことなく読んだ。
詳細はこうだ。
・殿下が、テレサとかいう訳のわからん令嬢と浮気をしている。
・それをテレサ本人から聞いた。
・殿下が、自分と別れてテレサと付き合いたいと言う話も聞いた。
・私は殿下のため、身を引きたい。
全身の血の気が引いた。
とりあえず、セレーナ嬢は完全に誤解している。
殿下が、あの人が、そんなことするはずがない。
完全に誤解だ。
俺は想像した。
もしこれを、殿下に伝えればーー。
完璧な殿下の崩壊は、否めない。
それはつまり、今のところ殿下から一番近い場所にいる俺に甚大な被害が出る。
俺は数秒間熟考し、決めた。
……うん。
なかったことにしよう。
俺は何も見なかった。
殿下への手紙は、どこかで誰かが間違えて捨てた。
以上。
慌ただしい様子の使者を呼び止め、
「なんだ、殿下に御用なのか?」
と最初に声をかけたのが俺で、本当に良かった。
使者から渡された手紙を先に読んだ俺、ナイスプレイ。
なんとなく、
「セレーナ嬢から手紙? 珍しいな」
と思った点。
その手紙には彼女の家の公式文書であるという判子が押されていたという点。
この2点で、この手紙がとても緊急性のある事柄が書かれていると踏んだ。
私的な手紙であれば、印鑑は押されていないはず。
つまり、殿下と2人だけのプライバシー的な話が書かれているわけではない。
それなら、俺が先に読んで口頭で殿下に説明した方が早いと踏んだ俺、本当最高。
俺は少々殿下に危惧しつつも、出来るだけ丁寧にペーパーナイフで封筒を割き、中身を取り出した。
その内容が、本当に最悪だった。
「親愛なる殿下 単刀直入に申し上げます。私と婚約破棄してくださいませ」
……は?
となった俺の気持ちを察してほしい。
婚約破棄?
何言ってんだ? この人。
俺はそこに書かれていた文章を隅から隅まで漏らすことなく読んだ。
詳細はこうだ。
・殿下が、テレサとかいう訳のわからん令嬢と浮気をしている。
・それをテレサ本人から聞いた。
・殿下が、自分と別れてテレサと付き合いたいと言う話も聞いた。
・私は殿下のため、身を引きたい。
全身の血の気が引いた。
とりあえず、セレーナ嬢は完全に誤解している。
殿下が、あの人が、そんなことするはずがない。
完全に誤解だ。
俺は想像した。
もしこれを、殿下に伝えればーー。
完璧な殿下の崩壊は、否めない。
それはつまり、今のところ殿下から一番近い場所にいる俺に甚大な被害が出る。
俺は数秒間熟考し、決めた。
……うん。
なかったことにしよう。
俺は何も見なかった。
殿下への手紙は、どこかで誰かが間違えて捨てた。
以上。
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