【完結】世界で一番愛しい人

こうらい ゆあ

文字の大きさ
14 / 37

13.*

しおりを挟む
「みつる!」
 ミツの両頬を両手で包み込み、噛み付くような口付けをする。
 舌を差し入れると、ミツの血の味がしたが、辿々しい舌使いで自らも求めてくるミツに我慢なんて出来ない。
 邪魔なアイツの衣類を蹴り落とし、ミツをベッドに押し倒す。
「……んっ、し……げる……さ、きらぃ……きら、ぃ……」
 口付けの合間にミツが涙ながらに苦しそうに何度も言葉を紡ぐ。
 こうなるまで放置したんだ。アイツのことを嫌うのは当然だろう。
 でも、今ミツに口付けてるのはアイツじゃない。
「ミツ……俺のこと、見てよ」
 皮膚が抉れ、瘡蓋ができてしまっている傷だらけの頬を優しく舐める。
 まだ乾ききらない血を舌で拭ってやると、痛いのか微かに顔を歪めていた。
「ミツ……、ごめん。辛かったらごめんな」
 謝罪の言葉を口にするも、もう自分でも抑えることなんてできなかった。
 何度もミツの唇を重ね、差し出された舌を甘噛みしたり自身の舌と絡み合い、ずっと味わいたくて仕方なかったミツを堪能する。
「ん……、もっとぉ……も、とぉ……して」
 熱と涙で潤んだ目で哀願され、無我夢中で口付けを交わした。

 俺の腹部に股間を無意識に擦り付けてくるミツに気付き、顔を歪める。
 このまま俺が本当に手を出してしまっていいのか……
 つがいのいるΩを犯して、拒絶反応が出たら……
「し、て……ぉねが、します……なん、でも……するか、ら……ぃっかいで、いぃ、から……ぉねが、しま……」
 弱々しいミツの言葉に唇の裏を噛み締め、髪を掻きむしる。
 ミツをこのままにはできない。
 これ以上、発情期ヒート中のΩを放置出来ない。
「……ミツ、今イかせてやるから……いっぱい、イかせてやるから……」
 ゆっくり首筋に顔を埋め、優しく吸ってやる。
「……ふっ、ぁっ……」
 胸元や首周りは掻き毟ったような赤い痕がたくさん付いていた。

 優しく片方の乳首を撫で、もう片方を口に含む。
 くにくにと指先で軽く摘んでやると、徐々に芯を持ったように勃ちあがる乳首。
 反対側もチュパチュパと吸ったり、舌先で転がしてやると気持ち良さそうな声を上げた。
「ぁっ……はぁっ、アッ」
 少し強めに摘んでやると、ビクッと身体を震わせ、簡単に白濁を吐き出していた。
 ドロリと粘度のある濃い精液が、ミツの薄くなってしまった傷だらけの腹を汚している。
 こんな簡単に射精し、濃い精液を吐き出すなんて、どれだけ我慢させられていたのだろう……
 呼吸する度に薄い胸が上下しているのが見える。
「……ミツ、上手にイけたな……。良い子だ」
 虚ろになりながらも自分の手で善がる可愛い子に支配欲が満たされていく。

 ミツが先程出した精液を指に絡め、アナルに塗り付けてやる。
 何をされるのか理解したのか、自ら脚を拡げ解しやすいようにしてくれるミツの額にキスをする。
「ミツ、良い子だ。ココ、力抜いて……」
 精液で濡れた指をゆっくり挿入する。
 簡単に指は飲み込んだものの、奥に挿れようとすると俺の指を拒むようにナカをギュウギュウと締め付けてくる。
「ミツ、大丈夫……。大丈夫。優しくするから……」
 耳元で優しく囁き、そのまま舌を耳に差し入れる。
 ピクッと微かに身体を震えるも、感じているのかナカを締め付けていた力が抜け、奥まで指を咥えこんだ。
「ひゃぁっ、ぁっ……ァッんぅっ」
 ミツの大切な場所を傷つけないために、ゆっくりゆっくりナカを解すように出し挿れし、ミツが感じる場所を探っていく。
「ミツ、ココ……気持ち良い?」
 乳首を吸いながらナカのシコりをツンツンと突く。
 前立腺を刺激してやると、ミツのペニスからは先走りが止めどなく溢れ出してきた。
「ァッ……アッん、ふっぁ……」
 美味しそうに俺の指を咥え込むアナルに1本、また1本と指を増やしていき、前立腺を執拗に刺激してやる。
「ふぁっ!あっ……しょこ、きも、ちぃ……きもち、いぃよぉ……」
 気持ち良いのか素直に腰を揺らしながら快楽に身を委ねてくるミツに愛しさが増してくる。
「ミツ、ココ……めちゃくちゃ濡れてる。俺のを挿れたい……。ミツ、俺のを挿れても、いい?」
 指をワザと拡げ、ミツのアナルを開いてナカが見えるようにする。
 ミツが出した精液と先走り、愛液で濡れたアナルがぬちゃぁ……と拡がり、物干しげにヒクヒクとヒクつく。

「ミツ……もう欲しいんだろ?」
 ミツの額に自分な額をくっ付け切望するようにミツを優しく見つめる。
 熱い吐息が口から漏れ、快楽に蕩けた目が俺を見つめる。
 今抱かれようとしてる相手が誰なのか、ミツは理解しなてないんだろうな……
 いや……自分のつがいであるアイツだと信じて止まないんだろうな……
「ミツ、俺はずっとミツを……」
 ずっと心に秘めていた想いを口にしようとした瞬間、先程まで視線が合わなかったミツとしっかり目が合ってしまった。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」

星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。 ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。 番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。 あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、 平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。 そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。 ――何でいまさら。オメガだった、なんて。 オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。 2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。 どうして、いまさら。 すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。 ハピエン確定です。(全10話) 2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

処理中です...